負担増!「痛み」を求める日本の制度の行方

後期高齢者医療制度の低所得者保険料軽減が廃止へ

日本の制度の行方

厚生労働省は10月、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度について、低所得者の保険料を軽減してきた特例を廃止する案を示しました。高齢者の健康保険は「後期高齢者医療制度」と呼ばれ、労働者層が加入する健康保険の制度とは別物です。日本では高齢者が増えてきたことに合わせ、75歳以上の人が加入する「別の医療保険」を作ったからです。

後期高齢者の自己負担額は、現在のところ1割です。この制度は国・都道府県・市町村からの財源と、働き手の保険料の一部(後期高齢者支援金)で補っています。このように高齢者のための制度も含め、さまざまな財源を通じて支え合っているのが日本の社会保険制度なのです。これからの日本の制度を維持するには、この財源をどうやって作り続けるかが課題となります。

来年に注目される「消費税」と「相続税」

財源確保の一環として来年に向け、大きく税制度が変わります。税金という名前で生活に身近なのは、来年の10月に予定される「消費税」の改定、来年の1月に予定される「相続税」の改定で、どちらも負担増が予測される税金です。

しかし、今年既に始まっている「住宅借入金等特別控除」は、購入した住宅の環境や性能に応じ、ローン残高に対する所得税の還付割合が高くなっています。また、「教育資金贈与」も、自分の孫の教育資金について、条件を満たせば1500万円まで税金がかからないような制度になっています。このように、負担ばかり強いるのではなく、優遇されるものもあるわけです。

国だけに頼らず、自分でできることを考える

このように、日本の社会保険制度を維持するため、広範囲の人に「痛み」を生じることになる状況は、これからも続くことでしょう。その中で、一般の人ができることは何かというと、ニュースや新聞に関心を持ち、時流に合わせて自分に何ができるのかを考えることです。

どうしても今のことに考えが集中してしまいますが、それを切り替え、未来に向けて「俯瞰する力」を持つようにしましょう。例えば、20年後の自分のために「今できることはなにか」「1か月以内にできることは何か」「半年以内にできることは何か」「1年以内ならばできることがある」など、未来を魅力的につくれるのは自分の力です。国だけに頼らず、自分でできることを考えてみてはいかがでしょうか。

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