男も仕事と育児の両立に悩んでいる? 解決のカギは「MBAよりPTA」

 今日、10月19日が何の日かご存知でしょうか。

 10(トウサン)、19(イクジ)の日は「イクメンの日」。イクメンとは、男性の育児休暇を推進すべく、パパが育児を楽しみ、頑張る日をと「イクメンオブザイヤー実行委員会」が制定した記念日。イクメンとは「子育てを楽しむだけでなく、ママを幸せにできちゃうパパ」と定義しています。

 最近は街を歩けば、ベビーカーを押したり、子どもを抱っこして歩いたりしている男性を見かけることが増えました。自分たちの父親世代と比べれば分かるとおり、子育てをがんばる男性は、確実に増えています。

『新しいパパの働き方』(NPO法人ファザーリング・ジャパン著)には、こんな厚生労働省発表の調査結果があります。

 仕事と家事・育児の優先度を「希望」と「現実」に分けて、未就学児がいる父親に聞いたところ、希望としての数字は「仕事等と家事・育児を同等に重視」が51.6%、「どちらかと言えば仕事等が優先」が19.8%、「どちらかと言えば家事・育児が優先」が15.9%でした。半数の人が「仕事も父親業もがんばりたい!」と考えていることが分かります。

 しかし、現実では「どちらかと言えば仕事等が優先」52.7%、「仕事等と家事・育児を同等に重視」25.9%となり、「どちらかと言えば家事・育児が優先」は7%という結果に。平成15年とやや前の調査でありますが、理想と現実の狭間で揺れ動く男性が大勢いるという事実は、今も変わっていないようです。

「イクメン」「ワークライフバランス」という言葉が世の中に浸透し、「仕事も育児もどちらもやりたい!」という男性が増えているように見えて、パパの現実は厳しい……。日本の社会はまだまだ男性中心で、そうであるからこそ、女性より男性が「仕事も育児も!」を実現するにはいろいろな障害があるのかもしれません。

 ファザーリング・ジャパンの代表を務める安藤哲也さんは、「妊娠出産インフォ」の特集「父親の”笑顔”が世界を変える!」の中で、男性が育休をとることに理解を示さない上司も多く、「パタニティ(父性)・ハラスメント」が横行していると話します。ママ社員には優しくても、パパ社員には「男が育休? それでいいのか?」という反応で、男が育児のために休める雰囲気でない職場が多いとのこと。

 そこで鍵になるのが”イクボス”。イクボスとは、男性社員や、部下の育児参加に理解のある経営者や上司のこと。今のイクメンたちが会社での地位を上げれば、自然にイクボスは増えるはずですが、それだけではまだまだ足りない。安藤さんは、今までの人事評価を改めることを提言します。

「長時間労働をした人を評価するのではなく、時間あたりの生産性を重視し、時間制約のある社員をやめさせず、チーム力で成果を出す上司を会社が評価する仕組みをつくることが大事」(安藤氏)

 そして、そんなイクボスを増やすために、安藤さんがパパたちにお薦めしているのが、PTA会長になることなのだそうです。

「PTAにいる多様なママたちをちゃんとマネージメントできたら、すばらしい経営能力がついて本業にも活きるはず。僕もPTA会長をやって”会社のほうが楽だな”と感じたくらいです。また、会社で社長になるのは難しいけど、PTA会長なら『私、やります!』と手を挙げればたいていなれますから(笑)」(出産準備サイトより)

 まさに、MBA(経営学修士)よりPTAという考え方。一見、突拍子もない提案に映るかもしれませんが、仕事も父親業もがんばりたいパパにとっては、かなり現実的な”ブレイクスルー”と言えるのかもしれません。

【関連リンク】
父親の”笑顔”が世界を変える! ファザーリング・ジャパン 安藤哲也さん/妊娠出産インフォ
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-2176.html

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