目には見えない感情を、音と色でアートとして表現する「SKIN」の試み

ダンスやバレエなど、人体を使って芸術を表現する試みは古くから見られるが、そこに現代のスマートテクノロジーが取り入れられたらどうなるだろうか。
オーディオビジュアルのアーティストClaudia Robles氏は、New Yorkで開催されたHarvest Works galleryで、ある特殊な装置を展示したという。それは、人の肌を測定し、そのデータを音や映像に変換して表現する「SKIN」というプロジェクトだ。
ギャラリーを訪れた人の肌の湿度を、“GSR (Galvanic Skin Response)” というインターフェースを使って測定。するとその測定データに応じて、音や画像が現れるのだという。
ギャラリーのスタジオには、3つのスクリーンと8つのチャンネルが実装されていて、例えばストレスを感じている状態、不安な状態から覚醒状態まで、測定された人のあらゆる心理状態を、音声とイメージ画像で映し出す。本人以外の外部の人間にも、目に見える状態として提示してくれるというわけだ。

インターフェースの“GSR 2”は通常、不安心理状態にある人が、自らの心理状態を把握し、自己管理するためのバイオフィードバックツールとして用いられるもの。「SKIN」ではMAXというソフトウェアを使用しており、測定した皮膚湿度のデータをもとに、イメージ画像の色や周波数が変わる。低周波数で青色の場合は「リラックスした心理状態」を、高周波数でオレンジ色の場合は「ストレスをより強く感じている状態」を示す。
開発者のRobles氏は、「私たちは普段ほとんど自分の体について耳を傾けたり、知覚することはない。自分の体のもっている可能性を、ビジュアル化、音声化して、アートとして表現することで、自らの体に関心をもってもらおうと思い、この装置を開発した」と言っている。あなたが今感じている心理、それは目に見えないもの。だがこの装置を通じて、目に見えるものとして見聞きできる、ユニークな体験ができそうだ。

ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。