いきなり氷水、体への影響は?
自律神経の中の交感神経が異常に働いて脈は速くなり、血圧も上昇
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筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶる「アイスバケツチャレンジ」が、有名人を巻き込んで行われるようになり、日本でも話題になっています。しかし、いきなり氷水をかぶるなんて、体に悪い影響はないのでしょうか?
自分でを氷水をかぶるわけですから、まず、その心構えをすることになります。そして、決心がついたら「エイヤーッ」と氷水を頭からかぶります。その際、体の反応としては、かける行為を決心するまで緊張し、また、かぶった瞬間に氷水の冷たさが刺激となってさらに緊張が高まり、興奮するでしょう。こういう状態では、自律神経の中の交感神経が異常に働いて脈は速くなり、血圧も上昇します。皮膚は緊張で冷や汗をかいて冷たくなり、体も武者震いしたりします。また、瞳孔も収縮します。
狭心症や不整脈のある中高年が体験すれば心臓マヒの危険性も
ちょうど少し肌寒い日のプールの時間に、水着になって頭から冷たいシャワーを浴びてからプールサイドに入る感覚に似ていると思います。元気な子どもの頃のとはいえ、心臓がバクバク・ドキドキしたのではないでしょうか。
もし、これと同じような状態を狭心症や不整脈のある中高年が体験するとしたら、「心臓マヒ」になっても決しておかしくはないでしょう。そのような病気でない人でも胸が痛くなったり、脈が乱れたりして発作が起こるかもしれません。
何れにせよALSという病気の人の啓蒙のために始まったことが原因となって、違う病気になる人が出るようなことになれば本末転倒です。くれぐれも度が過ぎないように注意しましょう。
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