auのAndroidスマートフォン『IS01』は“2台目”専用機なのか?

『IS01』は“2台目”専用機?

6月30日に発売されるau向けAndroid搭載スマートフォン『IS01』。au向けスマートフォンでは先行して6月24日にWindows phone『IS02』が発売されていますが、その発売イベントでKDDIが『IS』シリーズについて「2台目需要を狙ったもの」とコメントしたことが報じられています。つまり、従来の携帯電話は持ったまま、スマートフォンは2台目として併用することが望ましい、ということ。

Windows phoneとして、パソコンとの連携とネット接続にフォーカスした『IS02』ならともかく、ワンセグ視聴やアドレス帳、赤外線通信の機能に対応し、夏ごろのアップデートでは「@ezweb.ne.jp」アドレスのEメールや音楽サービス『LISMO』への対応を予定している“携帯電話寄り”な『IS01』は、果たして“2台目”専用機と言えるのでしょうか。auショップで聞いたお話と試作機をレビューした印象から考察してみます。

・機種変はオススメできない?
ちょうど奥さんがauユーザーで、携帯電話の買い替えを検討していることから、近所のauショップで『IS01』への機種変更について相談してみた筆者。店員さんは「『IS01』への機種変更はオススメしてないんですよ」と驚きのコメントを口にします。理由は(1)通話がしづらい(2)発売当初は「@ezweb.ne.jp」のEメールに対応していない、というものでした。

なんと……ショップ側も“2台目”専用機という認識のようです。あくまで機種変更で使うにはどうすればよいか、引き続き話を聞いてみることにします。

・通話はほとんど問題にならないはず
通話に関しては、ハンズフリー通話と同様の通話になるので音漏れが問題になる、と説明されました。これについては筆者やMIRO記者のレビュー記事「ちゃんと電話だった!auの新スマートフォン『IS01』製品レビュー」「じわっと気になる!?au『IS01』のアソコをチェック!」でも書いているように、スピーカー音量を絞った状態にすれば本体を閉じたり、マイク位置が気になるなら開いたままでも耳に当てて通話ができることを確認しています。

長電話したい場合や、通話内容が一切漏れないようにしたい場合は、Bluetoothヘッドセットを利用すれば済むこと。従来の携帯電話の気軽さと比べれば、多少面倒かもしれませんが、普段の連絡はメール中心で、必要なときだけ電話をするユーザーには『IS01』1台でも不自由はしないと考えられます。

・Eメール対応はずれ込むかも?
発表では8月下旬に予定されている「@ezweb.ne.jp」のEメールへの対応。6月30日に入手しても、約2ヵ月の間は『IS01』でこれまでのケータイメールが利用できなくなってしまいます。auでは、ドコモの『iモード.net』のように、携帯電話用メールをPCやスマートフォンで使えるウェブメールのサービスがありません。これは確かに機種変更という面では大きな問題になりそうです。

「8月下旬にはメールが使えるようになるんですよね?」という質問には、「9月以降にずれ込むこともあるかもしれません」という回答が。なるほど、これでは現時点で機種変更はオススメできないかもしれませんね。解決策は何かないのでしょうか。

・SIMカードの差し替えで2台持ち
アップデートまでの間、従来の携帯電話とSIMカード(ICカード)を入れ替えて使うのはどうでしょうか?ケータイメールのチェックと送受信には従来の携帯を使って、PCサイトの閲覧やPCメールの利用、『Twitter』クライアントなどAndroidアプリの利用に『IS01』を使う……ちょっと面倒ではありますが。

店員さんによると、従来の携帯電話でauのネット接続サービス『EZ WINコース』とパケット通信料定額サービス『ダブル定額(スーパーライト/ライト)』に加入していれば大丈夫とのこと。『IS01』導入にあたってプラン変更や新規の申し込みをすることなく、SIMカードを入れ替えて両方の端末が利用できるそうです。

『EZ WINコース』は月額315円、『ダブル定額スーパーライト』ならパケット使用量に応じて月額390~5980円。加えて携帯電話の基本使用料。『IS01』ではパケット使用量が増えることは予想できますが、auユーザーなら従来と同じ料金体系でそのまま『IS01』が利用できることになります。

『IS』シリーズと同時に、KDDIはネット接続サービス『IS NET』を月額315円で提供します。機種変更の場合『IS NET』に加入する必要があるのか確認したところ、『EZ WIN』に加入していれば必要はないとのこと。『IS NET』は、新規に加入するユーザーや、“2台目”として追加購入するユーザー向けに用意されているサービスだそうです。

・結論:機種変更で最終的に1台にすることは可能
『IS01』に機種変更したいauユーザーは、8月下旬(予定)のアップデートまでは同じSIMカードで2台持ち、アップデート後は『IS01』に完全移行、という使い方ができそうです。「そこまでしなくても2台持てばいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、とにかく2台分の料金を払うのはイヤ、という方にこの記事が参考になれば幸いです。

ちなみに、本体価格は3万5000円前後で、機種変更でも新規購入でも価格は変わらないとのこと。

また、9月30日までは『IS』シリーズを新規購入(2台目としての購入を含む)した場合に、『プランEシンプル』の月額基本料金780円と『IS NET』の月額料金315円を合計した1095円が24ヵ月分、合計2万6280円分割引きされる『ISデビュー割』のキャンペーンを実施しています。パケットの使用量によっては2台持ちでもお得、ということになるのかも。機種変更で乗り換えるか、2台持ちするかは、ユーザーがそれぞれ携帯電話やスマートフォンの利用スタイルをイメージして、ショップとよく相談して決めるのが正解といえそうです。

・秋には“1台目”機が登場予定
KDDIは、秋にはAndroidスマートフォン第2弾を発売することを明らかにしています。こちらは“1台目”として使えるものを目指すとのこと。発表された外観では、ストレートタイプのタッチパネル端末になるようです。クラムシェル型でフルキーボード搭載、タッチパネルとポインティングデバイスまで使える個性的な本体に、携帯電話ならではの機能も盛り込んだ『IS01』が、“2台目”のポジションに位置づけされるのは、ちょっともったいない気がしてしまいます。

余談ですが筆者はドコモユーザー。NTTドコモは、『IS01』と同じ端末を使用した『LYNX SH-10B』を発表しています。発売日が決まったら、こちらも機種変更前提でドコモショップに行って話を聞いてみようかと思います。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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