『ラピュタ』『トトロ』『ポニョ』 ジブリ作品の都市伝説ってこんなにあるの?

ウワサ?

スタジオジブリといえば、日本を代表するアニメ制作スタジオ。7月17日には映画『借りぐらしのアリエッティ』が公開される事もあり、また注目が集まっている。

ちなみに、スタジオジブリの作品でネットを検索すると、思いのほか作品に関する疑問や質問に関するトピックが多いことに気づかされる。その中にはいわゆる”都市伝説”やウワサ話も少なくない。

たとえば有名なところでは『となりのトトロ』がとても怖い話だ、というウワサ。

『となりのトトロ』――トトロは死神であり、終盤、姉妹たちは既にこの世のものではない
・トトロは実は死神
・後半、さつきとメイに影がなかったので、その時点で幽霊になってしまっている
・ネコバスは、冥界へ魂を運ぶ役目をしている
・モデルになった病院は良く似た名前で過去に実在していて、末期の患者だけを扱っていた

などなど、非常に不穏な要素が羅列されている。実はこの話、公式にスタジオジブリが次のようなコメントを出している。あまりにネットのウワサが広まりすぎたのだろうか。

ゴールデンウィークの谷間の出勤日ということで、取引先からの電話も少なく、なんとなーく平和な3スタ2階。と、そんな中、かかってくるのはなぜか「トトロは死神なんですか?」という一般の方からの問い合わせばかり。

みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたいなんです。

「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。みなさん、噂を信じないで欲しいです。 ...とこの場を借りて、広報部より正式に申し上げたいと思います。

※スタジオジブリ「いつものジブリ日誌」 2007年05月 http://www.ghibli.jp/15diary/003717.html より引用 ※改行は編集部

ちなみに、「モデルになった病院」の件についてはガジェット通信でも調べたが、該当する施設は見つからなかった。ウワサがウワサを呼んでしまった本物の都市伝説である可能性が非常に高い。

さて、ほのぼのした子供向けアニメなのになぜこんな怖いウワサが出るのだろう。「子供向けの話が実は怖い話だった」というパターンから考えると、ちょうど同時期に流行った書籍『実は恐ろしいグリム童話』のようなベストセラーの影響も考えられる。

既に3年前の話ではあるものの、都市伝説は人の記憶の中で大きくなるもの。新しい作品でも謎の要素があればあるほど、こうした疑問は増えるばかりかもしれない。子供向けの作品といえば、こんなものも。

『崖の上のポニョ』――町は水没し、最後にみんなが集まったところは天国だ
・全てが水没した時点で、魂が天国へ大移動している
・途中の川で逢う大正時代の夫婦は成仏できない魂だが、ポニョが引導を渡した
・終盤、トンネルを抜けた時点で空気が変わり、あからさまにこの世ではなくなる
・老人が若返り、走り回る姿は、天国そのもの

上記は都市伝説というよりはむしろ解釈のひとつ。これまた不穏なものだが、作品はいたって”大団円”として結末を迎える明るいものだ。人が住む世界と、人ではないものがすむ世界の狭間を描き続けてきたともいえる宮崎アニメの中でも、『崖の上のポニョ』はさらに異色との評価もあり、つい繰り返し観てしまう作品のひとつである。

子供向けであるにも関わらず、大人が深読みすればするほど、難解かつディープな奥行きを想像させてしまうのはやはり作品の強さだろう。さて、次のウワサも、ネットでは割と根強かったものだ。

『天空の城ラピュタ』――幻のエンディングがある
・エンディングには2種類あり、テレビでしか放映されていない
・「パズーがシータを故郷のゴンドアへ送り届けて、握手して別れるシーン」がある
・幻のエンディングはテレビ用に再編成されたもので、ごく初期に放映されただけである

これについては、ネットでいくつもの検証サイトが出来ているほど。ラピュタ好きの記者もこのエンディングはテレビで見たような気になっているのだけれども、全く確証はない。

先ほどのスタジオジブリの公式サイトでは、”幻のエンディング”について、このようなコメントが出ている。

ちなみに一部で「天空の城ラピュタ」に別のエンディングがあるという噂が流れているようですが、そういうことは一切ありません。

恐らく、アニメージュ文庫で出ている小説版に後日談がほんの少し書かれており、また、映画公開後に宮崎さんが描いたイラストには後日談を連想させる物があること(たとえば「スタジオジブリ作品関連資料集I」の65ページ掲載のイラスト。パズーがオーニソプターに乗ってシータを訪問する様が描かれています。ちなみにこの「作品関連資料集」シリーズも、マニアックな指向性のある方には大変面白い本です、とPR)などから膨らんだ想像が、いつのまにかそういう噂になったのでしょう。

※スタジオジブリ「いつものジブリ日誌」 2002年12月 http://www.ghibli.jp/15diary/000102.html より引用 ※改行編集部

雑誌『アニメージュ』の付録カレンダーにもなったイラストとファンの想像力がこのウワサの原因と考えられるようだ。

ちなみにこの「いつものジブリ日誌」では、『ラピュタ』で使用されなかったカットがスチルとして世に出回っている話や、画コンテと作画がなされた『紅の豚』の”幻のエンディング”が存在する、といった話も披露されている。これらに限っては、ジブリお墨付きの本当の話

さて2010年の7月中は日本テレビ『金曜ロードショー』にて、4週連続スタジオジブリの傑作を放送するそうだ。7/2は『紅の豚』、7/9は『耳をすませば』、7/16は『ハウルの動く城』、そして7/23は『となりのトトロ』というラインナップだ。

『金曜ロードショー』でしか、ジブリ作品は放送されないが、この事についても疑問を持つ人もいるようだ。ネットの質問サイトでは「スタジオジブリと日本テレビは出資関係があるのでしょうか?」という質問に対して次のように答えられている。

ナウシカとラピュタのテレビ放映権を、日本テレビが買ったのが始まりだそうです。これが契機となって、その後の作品の実制作に日テレが加わり、専属契約となったのだとか。その証拠に、映画のタイトルロールにも日本テレビ放送網という文字が入っています。

※「おしえて!goo」 http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1672856.html より引用

上記はあくまで伝聞であり公式コメントではないので正確ではない可能性も有るが、『金曜ロードショー』でしか放映されないのはこうした理由があるのかもしれない。

ところで、2010年7月10日公開予定の映画『トイ・ストーリー3』では、思わぬジブリキャラクターが登場するというウワサがあるが、本当だろうか…。この真偽は、作品を見て確かめてみたい。

イラスト:まそ先生 「2ch全AAイラスト化計画」 http://riceballman.fc2web.com/ より

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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

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