100年後も生き残る企業になるために
日本は世界一の長寿企業大国。実は、90%以上が中小企業
日本には、「100年企業」が2万7000社超あるといわれています。「200年企業」ともなると、全世界5586社のうち半数以上の3146社を日本が占め、ドイツの837社、オランダの222社などを引き離し、長寿企業においても世界一を誇っているようです。韓国に200年企業が無いことや、中国には数社といわれていることから見ても、「企業の長寿」も日本独特の文化がそうさせるものといえるかもしれません。
あるアンケートによれば、100年後も生き残っていることが予想される企業として、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、パナソニック、JR東日本という結果になったようです。いずれも世界的企業であり、大半が「モノづくりニッポン」の象徴のような企業であることから見ても、今後も日本の製造力には日本人自身が自信を持っているようにも思えます。
実は、100年企業の90%以上が中小企業という統計があります。長寿企業のうち、従業員100人以上の企業数は、2000社程度であることを見ても明らかです。また、業種別では酒造・酒販業、貸事務所業、呉服・婦人服小売業、旅館ホテル業に長寿企業が多くなっています。業種的特徴から見ると、地域に根差し文化を守り続ける企業が自然と長寿となっているようです。
長寿企業になるための4つの秘訣
これからの企業経営において長寿企業であり続ける秘訣は、以下のポイントが挙げられます。
(1)経営理念を持つこと
経営理念は、企業の目指すゴールを示すものです。企業で働く人が同じ方向に向かって歩み続けるためにも必要です。
(2)人を大切にすること
企業は人で成り立っています。従業員が楽しめない企業が長続きするはずがありません。また、周辺地域の人たちからも愛されない企業も同様です。人を大切にすることは「自明の理」といえるでしょう。
(3)独自の技術を常に革新すること
長寿企業の特徴に、「本質は変えずに見た目は変える」というものがあります。見た目は時代によって変える必要がありますが、企業に脈々と息づく本質を変えてはいけません。自社が持っている独自の技術を日進月歩磨き上げる地道な努力が求められます。
(4)急拡大させないこと
長寿企業の大半が中小企業であることから見ても、企業を急拡大させようとすると企業統治に無理を来たし、創業の意思が引き継がれない可能性が高まります。長寿企業となるためには、急ぎ過ぎず着実な成長を図らなければなりません。
日本には100年企業が育ちやすい環境がありますが、企業経営に最も必要なものは経営者の強い意志です。経営者が、世の中から愛され必要とされる企業を目指し、自社をじっくりと育て上げる気持ちを持ち続けることが何より大切といえるでしょう。
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