妹ヨナの日記は女性社員が書いた! 「グラマーになりたい!」 『ニーア レプリカント・ゲシュタルト』の横尾ディレクターにインタビュー!(後編)
前回の『ニーア ゲシュタルト・レプリカント(以下、ニーア)』のインタビューは読んで頂けただろうか? 今回も前回に引き続きディレクターである横尾氏のインタビューをお届けしたい。今回はみんなが気になる『ニーア』のパロディの真相について聞いてみたいと思う。本当にあれはパロディだったのか? そしてネットユーザーから挙がっている質問も抜粋してきたのでそれらも含めて横尾氏に聞いてみたぞ。
――フィーアがお気に入り 彼女が話せる理由は…… CEROレートDの理由は?
記者 横尾さん自身が好きなキャラクターっていますか?
横尾 仮面の街に出てくるフィーアが好きですね。彼女は顔にやけどのあとがあり、それが原因で親に捨てられているんです。彼女はすごく苦労しているんですが、仮面の王との出会いが彼女の人生を大きく変える事になります。彼女が言葉を発する瞬間があるのですが、何故あそこで喋れるのかはアスキー・メディアワークスさんから発売される「ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR」を見て頂ければ謎が解けるかと!(宣伝です!)
記者 ゲームの苦手な人にニーアを楽しむコツってありますか? 特に女性に。
横尾 アクションゲームの苦手な方は、まず難易度をイージーにして頂ければ。死ににくくなりますし、リスタート時の体力も満タンで多少は遊びやすくなるかと思います。進行中のセーブデータでもタイトル画面からいつでも変更出来ますし、難易度によるペナルティは無いので気兼ねなく設定して頂ければ。また右アナログスティックによるカメラ操作が苦手な方はオプションの「自動追尾」の値を上げて頂くと多少カメラ操作の量が減るので良いかと。
記者 今回CEROレートが“D”になってるじゃないですか。中身はごく普通のゲームなのに“D”ってことはカイネ関連ですか?
横尾 CERO D なのはカイネの性関連ではなく、残虐描写によるものです。血や貫通表現なんかをやろうとすると国内では“D”になりますね。
記者 ボツになったキャラクターや設定、魔法などはありますか? 「こりゃ無理だ」みたいな。
横尾 海岸の街の砂浜に「人魚姫」と呼ばれるマモノが出てくる予定でした。ただ、あまりにも工数がかかりそうだったので制作を諦めたのですが。このボツエピソードもアスキー・メディアワークスさんから発売さ(以下略)。
記者 クエストもただのお使いじゃなくて最後まで終えると凄い事実が発覚するというギミックがあって驚きました。ああいうのって大変じゃなかったですか?
横尾 クエストはどうしても作業感が出てしまいますが、なんとかプレイヤーさんに喜んで頂ける方法は無いかと思い、ヒネったオチや裏設定を感じさせる台詞を多めに用意しました。そういう細かい部分にも気付いて頂けて本当に嬉しいです。
――妹ヨナの日記は社内の女性スタッフが書いた。「グラマーになりたい!」
記者 ヨナの日記ですが、あれって出てくる確率が少ない物ってあるんですか?
横尾 ヨナの日記は完全にランダムですね。多い少ないはありません。ただ、日記がオープンになるタイミングがあって、後半にオープンになる日記は見かける事が少ないと思います。あれは社内の女性スタッフが書きました。グラマーになりたいとか、微妙に願望が入っているような気がします。また、黒い日記が出る場所は決まっています。
記者 ヨナという名前は韓国のフィギュアスケート選手・キムヨナさんが由来?
横尾 いいえ。聖書の「ヨナ書」から来ています。また「ハイブリッド・チャイルド」という小説のヒロインからも。ヨナを英語にすると、Jonah になるのですが英語ネイティブの方から「その表記だとオッサンに見える」という事で「Yonah」となりました。
――ネット上で噂の様々なパロティの真相 たけしの挑戦状まで!
記者 ボス戦を見ていると弾幕シューティングを思い出すのですが。
横尾 仰る通り、弾幕シューティングを意識しています。個人的に、『虫姫さま』などに代表されるケイブ系のゲームにインスパイアされました。ちなみに、全ゲームの中で最も好きなゲームはドリームキャストの『斑鳩(いかるが)』です。
記者 パロディ要素についてお聞かせ下さい。実際にあのパロディは?
横尾 虫姫さ○、ゼル○、バイ○、ディアブ○、モンハ○、どうぶつの○、サウンドノベル、○CO、倉庫○など、古今東西の名作をリスペクト、イメージさせて頂きました。ほかにも細かい部分では沢山ありますが、皆さんで探して頂ければと思います。
記者 ポポルが座っているシーンは『たけしの挑戦状』ですよね?
横尾 それは違います。 でも面白いからそうだと言うことにしましょう(笑)。
記者 パロディってどこまでOKだったんですか?
横尾 元のゲームまんまはダメだと思います。洋館は涙ぐましい努力の結晶です。洋館をモノクロにしたり……。
記者 洋館がモノクロなのは石化したんだと思ってました。
横尾 最終的な設定はそうなっています。
記者 ゲームそのものってシリアスなものじゃないですか。それで突然パロディ場面が出てくると世界観を壊さないかという意見出てきませんでした?
横尾 世の中、辛い事もあれば楽しい事もあります。ゲームでもそれが実現出来たらいいな、と思っています。
――レプリカントは造語。ブレードランナーから来ている。
記者 ゲシュタルトのニーアが若かったころは、レプリカントのニーアと同じ顔だった?
横尾 違うと思います。人は人生に応じた顔立ちになります。兄と父では求められるものも立場も違いますから、顔立ちも当然変わってくると思います。
記者 マモノが死ぬ時に出す声はどんな意味があるんでしょうか? なんて言ってるのかわかります?
横尾 あれは色んな台詞を合成して作っています。どの台詞か特定するのは難しいのですが、元々は普通の人間の言葉を変形してマモノっぽい言葉にしています。
記者 ゲシュタルトの意味は分かるんですが、「レプリカント」ってどういう意味ですか?
横尾 『ブレードランナー』(映画)から来ている造語ですね。
記者 ニーアという名前の由来は?
横尾 特にありません。
記者 ジャレコが新作ゲームを作って欲しいと言ってきたら作る?
横尾 予算と会社の許可があれば何でも作る……と思います。開発会社ですので。個人的には、頼まれた事は何でもやりたいですね。時間があればですが。
そしてここからがネット上で挙がっていた質問になる。みんなが気になるダウンロードコンテンツの情報やそこで使われていたBGMの情報などを横尾氏に聞いてみたぞ。中には質問の意図が分からない物もあるがそういったものはスルーしてほしい。
――ネット上からの質問
質問 ダウンロードコンテンツ(以下、DLC)のBGM発売希望。『iTunes』みたいなネット配信だけでもいいから。
横尾 そういうリクエストは是非スクエニさんに!
質問 CM最後のセリフ「だから…死ぬんだ」てゲーム内で使われてるの? これも目当ての一つで買ったのに聞いたって報告ないから気になる
横尾 CMの制作会社さんにお渡ししている音声ファイルはゲーム内で使われているものばかりですので、どこかにあると思います。ただ、「だから」と「死ぬんだ」を別々に持ってきたりして音をエディットしている可能性はありますね。
質問 DLCは今後も出る予定はあるのかな?
横尾 今のところ聞いていません。要望が多ければ作る流れになると思いますので、スクエニさんにリクエストを投げて頂ければ!
質問 デュランって全身載るの?
横尾 質問の意図がちょっと分からないです……すみません。
質問 俺の7号たんはガチでホモでニーアが好きなんですか?><
横尾 ホモかどうかはさておき、ニーアを好きです。言動を見るに、トランスジェンダーとかそういう子なんだと思います。
質問 DLCがあるのならエンディングの追加があるかどうかお願いしたい
横尾 個人的な想いとしては、ゲームパッケージの中に入っているもので完結していると考えていますし、あれが一番美しい形だと感じています。
ただ、近々発売される攻略・設定本の中で「語られなかったエンディング」が出てきます。あれはイザという時の為に用意しておいた裏エピソードで、ゲームとしては不要になったのでこのまま消滅してしまう予定でした。気になる方はアスキー・メディアワークスさんから発売される『ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR』を見て頂ければ。
質問 クエストでも武器強化でも使わなかったレアドロップアイテムは何のためにあるのか?
横尾 売ってお金に換える為です。そうした比較的無意味なアイテムは意図的に用意しています。世の中使えるものばかりじゃないですから。それと、マモノがドロップするアイテムは彼等が人間だった頃に持っていたモノを落とす……という設定があります。そこからマモノ達の人生をイメージしてもらえると嬉しいです。
前半と後半に分けてお届けした『ニーア ゲシュタルト・レプリカント』のインタビュー。まだまだ聞きたいことは沢山あったのだが、都合上掲載できないことや聞くことすら出来ない内容もあった。しかし今回のインタビューで少しはスッキリした人もいるのではないだろうか。また5月28日に発売予定の『ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR』を読むことによって更に『ニーア』の世界を知ることができるらしいぞ。しかしこちらもアマゾン書籍ランキングで1位となっているため入手困難が予想される。今の内から予約しておくことをお勧めするぞ。
(C)2010 SQUARE ENIX Co.,Ltd. All Rights Reserved. Developed by cavia Inc.
■最近の注目記事
カイネの誕生は「男性のヒロインを入れて☆」と言う要望から 『ニーア レプリカント・ゲシュタルト』の横尾ディレクターにインタビュー!(前編)
昔の個人ホームページにありがちなこと 「勝手に流れるMIDI」「キリバン報告」「左右に動く文字」など……
動画サイトでブームの「吹っ切れた動画」 腰の動きがセクシーで可愛い
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。