死者に優しく、弱者に厳しい日本?(メカAG)

access_time create folder政治・経済・社会
死者に優しく、弱者に厳しい日本?(メカAG)

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

死者に優しく、弱者に厳しい日本?(メカAG)

「死者に優しく、弱者に厳しい日本?『日本軍と日本兵』」 2014年04月25日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/85195/

ん~なんか表面的な部分だけ見て、印象を語ってるのではなかろうか。東日本大震災で自衛隊がヘリコプターや重機を動員して遺体を捜索する一方で、被災者のテント生活はひどい状態だったという。これをもって、死者には尽力を尽くすのに、生きている被災者には冷たいという。

どうなんですかね。当時、遺体捜索のための人員を被災者支援の方に投入すれば、被災者の生活はもっとマシになったのだろうか。被災者の生活支援というのは物資が必要で、人員がいくらいても運ぶべき物資がなければ、支援のしようがない。

遺体捜索より道路や水道の復旧を優先させろというが、遺体捜索をしているからといって道路や水道の復旧が遅れるというわけでもないと思う。だって道路は工事のための物資の補給線を確保しつつ順に端っこから伸ばしていかなければゴールまで到達しない。時間がかかると思うんだよね。なんか八つ当たりではなかろうか。

   *   *   *

同じことが戦争中の日本軍の話にも言える。日本軍は戦死者を丁寧に葬るのに、負傷した兵士に対しては十分な手当てをしなかったという。でもこれも、好きで放置したわけではないだろう。医薬品や食料品が十分でないから、そうせざるを得なかったのだろう。

一方死者を丁重に葬るのに食料や医薬品は必要ないわけで、全然別のことだと思うのだよね。死者を丁重に葬るのをやめれば負傷した兵士は助かったとでもいうのだろうか。いろいろ制約がある中で、それぞれできることを精一杯やってるだけではなかろうか。

なんというか、むしろこれを書いている人の方が合理性よりも精神論的な思考のように見えてしまう。道路が普及してないのだから、遺体捜索はやめろ、と。遺体捜索をやめればその分道路が早く復旧するのだろうか。単に感情の問題だよね…。

   *   *   *

ソフト開発でもお客さんは目に見える部分しか見てないから、いろいろ納得してもらうのに困るんだよね…。「なんでいつまでもこのバグが修正されずに残ってるんだ」と。その部分を直すにはもっとプログラムの奥の方から順に直さなければならず、その作業を一歩一歩やっているのだが、それはユーザーからはわかりにくい。

また開発者が別な作業をしているのを見つけると、「それよりもこの部分を先に直せ」という。バグAとバグBはそれぞれ担当者が違うから、バグAの担当者をバグBに追加投入しても、たいして作業ははかどらないのだが、なかなか理解してもらえない。必要以上の人員を投入しても作業速度は上がらない。

気持ちは分かるんだよ。客先にも都合がある。お偉いさんが視察に来る時に、せめて見える部分だけでもちゃんと動いている状態を見せたい、と。で、そういうピリピリしている状況で、あまり重要でなさそうな作業ばっか開発者たちがやっているように「見える」と、どうしても…ね。バグAの修正作業をやめれば、バグBの修正作業が捗るなら、いくらでもそうするのだが…。

   *   *   *

東日本大震災も原発事故も、最近のSTAP細胞もだけど、テレビをつけるとマスコミは「専門家たちは何をグズグズしてるんだ」とよく言っている。でも物事にはやっぱ順序があると思うんだよね、専門家でないとわからない…。素人は自分たちが見える部分がすべてだと思ってるから、「なぜこの程度のことがすぐできないんだ」という。でも素人には見えてない問題の部分の方が巨大なのだ。

どんな仕事でも、素人が遠くから眺めているより、実際にこなすのはずっと複雑で手間がかかるものだ。みんな自分自身の仕事に置き換えれ見れば、わかるはずなんだけどね…。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年04月25日時点のものです。

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 死者に優しく、弱者に厳しい日本?(メカAG)
access_time create folder政治・経済・社会

寄稿

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。