学生相手のヘッドハンティング会社でも作ってはどうか

学生相手のヘッドハンティング会社でも作ってはどうか

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

学生相手のヘッドハンティング会社でも作ってはどうか

「学生フリー編集者、就活で「働く」を見失い、「俺を見てくれ」と叫ぶ! 就活という規格におさまらない学生たちの革命前夜」 2014年03月26日 『現代ビジネス [講談社]』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38765

「人間性を評価してくれ」というのはよく聞く話だけど、人間性って重要かね?たとえば会社を辞めていく人を見ていると、確かに「明らかにこの人は向いていない」という人はいる。

でも「あれ? この人が辞めるの?」という人も多い。何がいいたいかというと、少なくとも「入社した後に辞めるか否か」は人間性では、ほとんど予測できない。その人が辞めるか辞めないかを決定づけるのは、もっと別な要因。

であれば、入り口でも同じで、人間性を鑑みても、その人がその会社に向いているか否か(単純化すれば入社後に辞めるか辞めないか)は、予測できないと思うのだよね。

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そもそもこの人、学生のうちからフリー編集者としてある程度の実績があるという。これを読んで逆に不思議なのだが、なぜそういう人が、ごく普通の就職ルートを取ろうとしたのか?しかも大手企業らしい。

大手企業は毎年大変な数の応募者が来るわけで、一人一人の人間性をじっくり評価するなんて無理だよね。基本的に「その他おおぜい」のためのシステム。全員の人間性を評価して採否を決定するのが物理的に不可能なのは明らか。

この人は自分が凡百の「その他大勢」には属さず、特別扱いされる資格があるという主張なのかもしれない。確かにフリー編集者としてすでに実績を上げてるなら、その資格ぐらいは主張してもいいと思う。ならばそういう人は一般ルートを使うべきではないだろう。特別な人なのだから、特別扱いされるべき。

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それで思ったのだが、学生相手にヘッドハンティングビジネスを誰かやったらいいのではなかろうか。ようするに普通でない学生を掘り起こして、企業に特別な人材として斡旋する。

ただ社会人のヘッドハンティングというと即戦力性が求められるが、学生にはいくらなんでも無理だろう。才能はあってもすぐにバリバリと金を稼ぎ出せというのは酷というもの。

だから企業側にもそれなりにそういう「特別な学生」を受け入れる体制が必要だろう。

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かつてはそれが「大卒」だったと思うのだよね。大半が中卒や高卒で就職する時代、大卒は企業の幹部候補生扱いだったのだろう。だから大卒というだけで高卒の人間よりは出世できた。軍隊で言えば高卒が一等兵から叩き上げで出世の階段を登っていくのに対して、いきなり士官候補生から始めるようなもの。官僚でいえばキャリアですな。

現在は大卒の価値は暴落し、差別化できなくなった。本来は上記の士官候補生やキャリアなどに相当する新たな差別化の手段が必要なのに、それを確立してこなかった・できなかった点が、現在の日本企業の問題を引き起こしている。入り口で「皆スタートラインは同じです」という建前を捨てきれなかった。

これって新入社員にとってもむしろ不幸せなんじゃなかろうか。高卒と大卒のように最初から「差」が決められているならあきらめも付く。でも将来幹部に出世する可能性のある人間と、表面的には対等に競争しなくちゃいけないって、逆に辛いんじゃ。スポーツでいえば将来のオリンピック選手と対等に競争しろ、お前ならできる、できないのは努力がたりないからだ、と言ってるようなものだよね。

むしろあいつと俺は最初からスタートラインもゴールも違うんだ、出世の上限も決まってるんだ、そのつもりで働け、と言われた方がそれぞれ適切な人生を送れるんじゃなかろうか。

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根本的に解決するには上記のように新たな差別化が必要だけど、とりあえずは学生ヘッドハンティングが、対処療法になるのではなかろうか。いいと思うよ。現実の厳しさもわかるだろうし、本当にそれだけの才能がある学生は、どんどん登用すればいいんだし。

執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年04月02日時点のものです。

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