48時間以内に名作ゲームを移植する『むりげー』第7回はお題『ハイパーオリンピック』で開催
お題の発表から48時間で名作ゲームを“無理やり”移植するプロジェクト『むりげー』の第7回が開催されました。今回のお題は、アーケードゲームからさまざまなプラットフォームに移植され親しまれたコナミの『ハイパーオリンピック』。冬季オリンピックイヤーということもありますが、今回は海外からの参加やダウンロードゲームの登場など、国境とジャンルの垣根を越えて競い合う“ムリンピック”の様相を呈する、バラエティ豊かな作品がそろいました。
・お題はドイツから
3月20日の19時ごろから、前回の最優秀賞とお題が発表されました。『むりげー』ルールにより、前回のお題『オプーナ』を決定した『BABARAGEO』ババラ氏が、第6回の最優秀賞として『オンプーナ』を制作した『のらげーどっとこむ』のNora Shishi氏を選出します。
Nora Shishi氏は、現在海外遠征でドイツに滞在中。さらに、今回は昨年の『東京ゲームショウ2009』で開催されたイベント『センス・オブ・ワンダー ナイト』にも参加した『Lexaloffle Games』のJoseph White氏が事前に参加を表明していたことから、イベント主催のババラ氏がミニブログ『Twitter』の『むりげー』アカウント(http://twitter.com/murigee)で、「なんと!次回は国際大会だよ!ムリンピック!」と予告していました。“ムリンピック”がお題と勘違いして制作を開始してしまう参加者が出るなど一部混乱はありましたが、お題発表の21時を迎えます。
お題は、Nora Shishi氏の作品『オンプーナ』をモチーフにしたFlashムービーで発表。『卒業III』『サクラ大戦』と、お題を思わせるキーワードを提示しながら、最終的にお題が『ハイパーオリンピック』として発表されました。48時間後の3月22日21時までに、参加クリエーターが『ハイパーオリンピック』の移植に挑みます。
・バラエティ豊かな30クリエーター31作品
前出のJoseph White氏に加え、今回は昨年開催された同人ゲーム・インディーズゲームの展示会『秋葉原ロケテゲームショウ1』において、開催時間中だけでゲームを完成させて話題を呼んだ小松菜屋も参加。『むりげー』では初めてダウンロード形式のゲームも登場します。国内のFlashゲームクリエーターが少人数で始めたイベントが、海外やダウンロードゲームのコミュニティにも波及、国境とジャンルの垣根を越えたイベントに成長しつつあることがうかがえます。
締め切りの22日にそろった作品は、30人による31作品。前回の36人という参加人数からはわずかに減りましたが、新しい参加者は増え続けており、今後も広がっていくことが期待できそうです。各作品は、「関連リンク」からリンクするページ経由でご覧いただけます。
『投げたり走ったり』『ハイパー伝説 神々の五輪フォース』
作者:風の騎士
一番乗りの風の騎士氏は、なんと2作品をエントリー。3種類の武器で障害物を破壊するアクションゲームと、ヤリを使うアクションRPG。
『ハイパー鉄定規連打ピック』
作者:ks(フォルテ第一居住区)
ゲーセンで使ったら怒られた、あの鉄定規を存分に使える連打シミュレーション。ストイックに定規の挙動を再現したマニアックな作品です。
『ハイパー卒業式』
作者:イナダ(ヤマ☆ギン)
昭和の少年マンガを思わせる雰囲気のアクションゲーム。カワイコちゃんが待つ桜の木を目指し、サタンをけちらしてグラウンドを疾走します。
『ハイパーオリンポックス』
作者:某たわし(鋼鉄の∞WORLD)
実質2日(!)で『Flash』のAction Scriptを学んで制作したという某たわし氏のデビュー作。ハンマーを回して敵を撃退するアクションゲーム。
『2010冬季ムリンピック女子ショートプログラム』
作者:ババラ(BABARAGEO)
ショートプログラムの規定演技を忠実に再現したフィギュアスケートゲーム。かわいいグラフィックとは裏腹に、公式ルールを知らないと表彰台には上れないというシビアさ。
『AncientOlympic』
作者:石井克雄(NEKOGAMES)
古代のオリンピックはこうだった?! クリックかキーの連打で走る100m走ゲーム。何かブラブラしてるって? これはアートなんです。
『ウルトラオリンピック』
作者:あきぼー(akibo ploject)
イモの早食いで「fart(おなら)」をためて100m走と走り幅跳びをブーストするゲーム。イモを食べるパートの時間が長く、さながらマラソンのよう。
『光ちゃんがムリンピック選手養成科の卒業試験に挑むゲーム』
作者:ケン(無料ゲームで遊ぼう!)
『卒業III』『サクラ大戦』『ハイパーオリンピック』のキーワードをすべて盛り込んだ意欲作。妻の光ちゃんを操作してハードルを破壊するアクションゲーム。
『HYPER国母STYLE』
作者:したっぱ(SHITAPPA-COMBATANT)
国民を騒がせたスノーボードのスター選手を育成する格闘アクション。客席にカメオ出演する豪華な面々にも注目。
『レッツ ハイパームリンピック』
作者:neoaco(仮)
テレビが置かれた部屋から脱出を図る脱出ゲーム。『ハイパーオリンピック』は……一応出てきます。
『JUMPER』
作者:polig(Polygon Gmen)
物理演算を駆使したスキージャンプゲーム。プレイするたびにたまるポイントでパラメータをいじると、ありえないジャンプも。
『ハイパーフィギュアスケーティング』
作者:某・ゲーム製作部(胡曼堂書房)
昔のパソコンゲームの雰囲気を持ったフィギュアスケートゲーム。クリックの位置と連打で演技を決めるのがポイント。
『A corner of the corner』
作者:Creative-G(Creative-G)
Creative-G氏の『むりげー』作品で恒例、本編のサイドストーリーを描く『A corner of~』シリーズ。カメラマンのお仕事にフォーカスしたユニークなゲームです。
『聖火Golfer』
作者:BANG!(Bang-Flash)
ゴルフはまだオリンピックの正式種目ではありませんが、これは開会式のアトラクション(?)です。クラブで打って聖火を台に載せましょう。
『ハイパー走幅跳(殿様版)』
作者:サクマン(LAVENDA_ISLAND)
『ハイパーオリンピック』にあの殿様バージョンがあることをモチーフにした作品。パワーをためると、例の技で飛距離を伸ばせます。
『ハイパー表彰式』
作者:Nora Shishi(のらげーどっとこむ)
オリンピックの表彰式がゲームになった!次々と現れる表彰台に乗って、メダル獲得でスコアを稼ぐアクションゲーム。
『ハイパー盛りンピック』
作者:くろすけ(たんしおレモン)
幅跳び選手を投げてドンブリに盛っていく、シュールな設定の物理演算バカゲー。成功した選手でも、後から盛った選手でこぼれたらミス!
『俺ンピック』
作者:|・ミ ◆H0MotH/SqY(蚕蛾総合集積所)
スポーツから完全に逸脱した、メダルを製造する工房経営シミュレーション。予算がショートしないように、受賞者の注文どおりメダルを作りましょう。
『むりげーOrympic』
作者:cpu_t
オーソドックスな移植ながら、手描き感のあるグラフィックが味わい深いゲーム。ハードルと走り幅跳びがプレイできます。
『HYPER TORCH RELAY』
作者:dice(GAME GIGA)
キーとクリックを組み合わせる、ちょっとユニークな操作の横スクロールアクション。聖火リレーのアンカーになって聖火台に火を灯しましょう。
『お願い。卒業させて・・・』
作者:毛(安らげる部屋)
もう少し説明が欲しい気もしますが……画面は大迫力。左クリック連打で団体戦を勝ち抜き、卒業を目指すゲームです。
『ウインタームリンピック』
作者:カサハラン(カサハラン.COM)
スピードスケート、スキージャンプ、ダウンヒルの3種目が遊べる、スピード感のあるスポーツゲーム。タイトル画面ではなぜかハンマー投げが……。
『ハイパーやり投げ』
作者:あっと寿司(あっと寿司)
どこか投げやりな雰囲気の“ヤリ投げられ”ゲーム。振ってくるヤリをギリギリでかわすと高得点。
『下克上ハイパーオリンピック』
作者:dsan(2dk)
パラメータを決めて選手を作成し、ランキング上のプレイヤーデータと対戦して成り上がる下克上スポーツゲーム。ナゾの特殊能力が気になります。
『ハイパームリンピック2010 障害物競走』
作者:イジワル猫キャット(イジワル海賊団)
『初音ミク』が歌うBGMやら画面やら、どこからツッコんでよいのか分からないイジワル猫キャット氏の真骨頂。弾は撃っても意味ありません。
『ハイパードラネコゲット』
作者:クソゲームズ(クソゲームズ)
お魚くわえたドラネコ追っかけるアクションゲーム。パッド操作の再現度が高く、『ハイパーオリンピック』の時代を思い起こさせます。
『サイバースポーツインソウル』
作者:HAta(小松菜屋)
『むりげー』史上初のダウンロードゲームでの参加。サイバースポーツの天才“いーちゃん”が魂五輪に出場するノベル(連打?)ゲーム。
『6リンピック』
作者:タカヒロウ(SKT)
100m走、110mハードル走、ハンマー投げ、やり投げ、走り幅跳び、走り高跳びの6種目をいっぺんにこなす“無理ンピック”な連打ゲーム。
『オリンピック^2』
作者:Joseph White(Lexaloffle Games)
一見、3種目をプレイする普通のスポーツゲームのようですが……。クリックしてハイパー状態になると分裂!全員の成功確率を競うゲームに。
『五輪桜にむりげの嵐!』
作者:udonkobilly(Go West!)
あなたは5ヵ国を股にかけたコーチ。意中の選手に指示を出してゴールを目指す恋愛スポーツシミュレーションです。どのキャラとハッピーエンドを迎えますか?
・裏テーマは“ムリンピック”
すべての作品を見ると、『ハイパーオリンピック』の移植にとどまらず、“オリンピック”や“スポーツ”を拡大解釈してさまざまな表現方法を試みた作品が目立ちました。ダジャレや一発ネタに終わらない、レベルが高い作品も増えています。『むりげー』では毎回、企画会議で盛り上がった話題が“裏テーマ”になる傾向があるのですが、今回の裏テーマは「『むりげー』が作るオリンピック=ムリンピック」ということになるのではないでしょうか。
前回ライブイベント『超むりげー』で盛り上がった反動で、今回は静かな開催となるかと思われた今回の『むりげー』ですが、イベントの勢いは増すばかり。次回以降も、いろいろな国籍やジャンルのクリエーターを巻き込んで大きくなることが期待できそうです。次回のスケジュールは4月か5月ということで詳細は発表されていませんが、開催が決定次第、ガジェット通信でお伝えしていきます。今後も『むりげー』をチェックしてみてください。
関連リンク
『むりげー』関連リンクページ
3月22日の締め切り日には、作品発表の模様を『ニコニコ生放送』で放送しました。
『ニコニコ動画』のプレミアム会員なら3月29日までタイムシフト機能で視聴できます。
ガジェ通生放送:48時間で名作ゲームを移植する『むりげー』作品発表!
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
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