【東京ゲームショウ】インディーズゲームが集結した『センス・オブ・ワンダー ナイト』第2回が開催
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『東京ゲームショウ2009』2日目の9月25日に、コンピュータエンターテインメント協会と日経BPの共催イベント『センス・オブ・ワンダー ナイト』が開催されました。こちらは今年で2回目の開催となるもので、「“見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲーム」(公式サイトより引用)を紹介しています。ゲームショウ本体では大手ゲームメーカーがブースを連ねる一方、中小ゲームメーカーや個人によるゲームを積極的に紹介しているのが特徴で、今回は全65組から選考された10組のクリエーターにより作品がプレゼンされました。
・『ボールキャリー』 小野琢也
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パソコン(PC)の「A」~「Z」キーを使って地形を変形させ、ボールをゴールへ運ぶアクションパズル。既存のデバイスで新しい体験をもたらしているのがポイントです。
・『Hazard ― The Journey Of Life』 Alexander Bruce
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FPS(First Person Shooting)スタイルのアクションパズル。ゲーム中の選択がプレイヤーに経験をもたらし、学習していくストーリーと、哲学的な世界観がユニークな作品です。
・『Shadow Physics』 Enemy Airship
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人物の影が主人公の3Dアクションパズル。物体の影の上を歩いて、ターゲットの星を取るとステージクリアになります。光源や物体を動かして、主人公が乗る影の形を変化させるなど、一風変わった仕掛けが満載。
・『Incompatible BLOCK』 藤木 淳
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一見、3D積み木風ですが、ブロックを配置した結果が錯視・錯覚につながる不思議なアプリケーション。PSP用ゲーム『無限回廊』のベースとなった3Dだまし絵ソフト『OLE Coordinate System』作者による作品。
・『You Only Live Once』 Marcus Richert(雷天堂)
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ガジェット通信でもご紹介した、Flashゲームクリエーター雷天堂の作品。1回ゲームオーバーになると主人公の死後のエピローグが延々と展開し、二度とプレイできない奇妙なアクションゲーム。
・『彼と彼女のバラバラ劇場』 ひも
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バラバラにされた4組の男女の会話を読み取り、男女のペアを組み替えて会話を成立させるパズルゲーム。複数の物語を並行して読み取ることがゲーム性につながっています。会話エディターでユーザーが作成した会話もプレイ可能。
・『ecolpit』 misi
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コミュニケーションをテーマにした全方向シューティング。被弾したキャラクターが攻撃したキャラクターに敵対し、援護したキャラクターには友好関係を持つシステムがリアルタイムに関係性を変化させ、面白さを生んでいます。
・『Swarm Racer 3000』 Joseph White (Lexaloffle Games)
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“群れ”を操作してすべてのエサを食べるアクションゲーム。群れの変形や、群れを使って解く仕掛けを利用してステージをクリアしていく点がユニークな作品です。
・『para rail』 渡辺訓章・おにたま(有限会社ツェナワークス/チームONIKU)
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宇宙船が隕石を避けつつ破壊していくというシンプルなアクションゲームですが、このゲームがユニークなのは宇宙船を操作しないこと。宇宙船の動作は複数パターンに分岐し、プレイヤーはゲーム画面を追加・削除する操作をします。
・『Transcend』 Zach Aikman (Fishbeat)
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アクションシューティングとリズムゲームを融合したゲーム。主人公を移動させながら、リズムに合わせてボタンを押して攻撃します。ある感覚への刺激に対して、別の感覚も呼び起こされる“共感覚”がテーマとのこと。
昨年より広くなった会場は、立ち見も出る盛況ぶり。各クリエーターのプレゼンには、参加者に配られたおもちゃによる拍手が盛んに送られていました。大手メーカーの流通に乗る前の、いわゆるインディーズゲームにスポットを当てるイベントとして定着しつつある『センス・オブ・ワンダー ナイト』。選考委員のひとりであるバンダイナムコゲームスの高橋慶太氏が「どれも作らされたものじゃないから面白かった」とコメントしているように、どこか閉塞感のある現状のゲーム業界に風穴を開ける取り組みとして、今後も注目を集めそうです。次回の開催は未定ということですが、来年も開催される場合は是非チェックしてみてください。
・関連リンク
『Hazard ― The Journey Of Life』の動画を観る
『Shadow Physics』の動画を観る
『Incompatible BLOCK』をダウンロード
『You Only Live Once』 をプレイ
『彼と彼女のバラバラ劇場』をプレイ
『ecolpit』の動画を観る
『Swarm Racer』をダウンロード
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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