香港式の朝食が食べたいキミは、香港式の朝食というご褒美を享受できるのか

香港に行ったら朝飯が食べたい。香港式の朝食というご褒美を享受したい。だから、朝、延々と寝ていられるくらい瞼を開けるのが苦手でも「香港の朝」は別腹なので開眼する。
香港の朝を徘徊する。よく周囲を見てみると、都心だというのに誰もいない。早すぎたのだ。徘徊に徘徊を重ねる。早朝とはいえ、すでにやっている食堂やカフェがあってもおかしくない。徘徊に徘徊を重ね、さらに徘徊に徘徊を重ねる。




どうせ食べるなら、浅い考えだけど、なんか雰囲気があるところがいい。古くてヤバみさえ感じる店だと尚良い。地域住民の庶民しか行かない店がいい。……などという「ガイドブックに載ってない店に行きたい派」の思考は、ときとして痛い目をみる。結局見つからず、テキトーな店に入ってしまうことが多々あるからだ。
……とか心の中で不安に思いながらも「妥協すると負け」な気がして、延々と俳諧に俳諧を重ね、さらに徘徊に徘徊を重ねる。生気のない顔をしながら。

なんか見つけた。
「光榮冰室」(6号 Hau Fook St, Tsim Sha Tsui, Hong Kong)。

紙にマジックで書かれたメニュー、イイ感じ。
期待度アップ。


なんか、名物があるっぽい?
三眼? 目玉焼きが三個盛られている料理が名物らしい?
目玉焼き三個だから三眼。

奇抜さだけで強引に名物を作っているのではなく、必然的に、おいしいから、三眼している。
この店は、そんな気がした!
期待度アップ。
ここに入るしかない。


店内は、日本にありそうでない感じ。
でもノスタルジーを感じる、映画に出てきてもおかしくないムード。
メニューを見る。

とりあえず香港式ミルクティーを飲む。
これ本当においしい。
甘すぎるからこそ、おいしい。

タイ式ミルクティーと似てはいるし、同類ではあるが、それとはまた違った良さがある。
スッキリしているのに濃い甘さを楽しめるからか。後味がイイ。

飲む。
間違いないおいしさ、味覚を訪れる。
笑顔がないのは、延々と徘徊に徘徊を重ね、さらに徘徊に徘徊を重ねたからである。
そしてやってきた、三眼料理。


今回オーダーした料理は、鶏肉三眼ライス。
ライスの上にフライドチキンがのっており、その上に、半熟に焼かれた目玉焼きが三個のっている。

目玉焼きをほおっておくと、自重で(?)卵黄が崩壊し、流れ出る。
目玉焼きを食べ進めると、巨大なフライドチキンが姿を現す。


フライドチキン、でかい。
目玉焼きも大きいサイズだが、このフライドチキンも負けず大きい。しかも極厚。

うまい、実にうまい。
なんだろう、味付けは、塩だけではない。
ああっ、醤油だ。でも、日本の醤油とは別物。
濃い。
うまい。

実に米に合う目玉焼きだ。
これ、目玉焼きが三個あるけど、いくらでも食べられそうなほど、うまい。
少なくとも目玉焼き六個までは食べられそう。
それほどライスとの相性バツグンに良い。
醤油の力も多分にある気がする。
三眼にはいろいろな種類があるから、通って三眼を極めたいと思ったのであった……。

それにしても、極めてシンプルな調理なのに、どうしてこの味、日本で体験してこなかったのだろう?
食べ進めて分かった。インディカ米だ。
インディカ米が、醤油、フライドチキン、目玉焼き(特に卵黄)のおいしさを盛り上げてるのだ。

……とか勝手に想像しつつ店を出た。
大満足したのに表情に笑顔がないのは、まだ朝食が食べたいから。
二軒目の食堂を探す徘徊に出た。
テキトーに歩いてイイ感じの店を見つける楽しさ、たまらない。

香港式の朝食が食べたいキミは、香港式の朝食というご褒美を享受できるのか。
良き店、発見できることを祈る。
香港式朝食を香港の中心部で食べたいなら「光榮冰室」(6号 Hau Fook St, Tsim Sha Tsui, Hong Kong)の鶏肉三眼玉子飯は間違いない。インディカ米のうえに極厚フライドチキンが乗っていて、さらにその上に目玉焼き三個が乗っている。味付けは醤油。ご褒美飯ここにあり。 pic.twitter.com/dxvh5aMIA0— クドウ秘境メシ (@kudo_pon) July 19, 2025
(執筆者: クドウ秘境メシ)

- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。