奄美大島で外猫ゼロを目指す奄美猫部が、猫の保護拠点設置のためクラファンに初挑戦！

2025/07/21 03:00 ストレートプレス

鹿児島県奄美市にある奄美猫部が、世界自然遺産の登録地・奄美大島での外猫ゼロを目指して、6月17日(火)～8月31日(日)の期間、CAMPFIREにて、クラウドファンディングに初挑戦中だ。

奄美猫部がクラファンに初挑戦！

本部 cafe COVO TANA

2014年より、奄美大島における猫の保護と持続可能な自然共生を目指し様々な活動を行っている奄美猫部。活動の一つとして、本部cafeCOVO TANAの屋根裏部屋を活用し、

保護猫カフェ「gatti(ガッティ)」を運営して、保護譲渡活動を行っている。

そして今回、外猫ゼロを目指して、ノネコ・野良猫関係なく、猫エイズキャリア(人間には非感染)や傷病猫といった受け入れ先の少ない猫たちにも光を当て、保護施設を拡張し、外猫の保護スピードを加速させるため、「トレーラーハウス型シェルター」の設置計画を決意。

この計画を実現するため、目標金額1,660万円(手数料・設備含む総額)に向け、CAMPFIREでのクラウドファンディングに挑戦することとなった。

リターンには、猫カフェ「gatti」の看板猫や本部café COVO TANAのオリジナルグッズ、奄美特産品セット(地元企業・ショップ協力)などを用意。地元の企業やショップから奄美の特産品や雑貨も提案してもらい、自慢できる品ばかりが揃っているという。

奄美猫部の活動をもう少し詳しく紹介

奄美猫部の活動について、もう少し詳しく紹介しよう。

市街地を中心とした野良猫の生息調査を継続して行っている奄美猫部だが、元は地元の町内会と協力し、地域住民も一緒に参加する“住民参加型”の一斉調査から始まったのだそう。

野良猫の数や生息場所の把握、TNRの進捗(不妊化率)など、重要なデータが蓄積されており、この取り組みは、住民に参加してもらうことで、ネコ問題と向き合うきっかけを地域全体に届ける啓発の機会にもなって、多くの協力と成果を得、大切な調査となっているという。現在は、市全域に展開中だ。

奄美市との協定締結式結式

2024年からは、災害時にペットと一緒に安全に避難できる「同室避難」の仕組みを広げる活動を本格的にスタート。

避難訓練の様子

働きがけが実り、現在3箇所の同室避難所を確保することができたという。

奄美のノネコ問題

また、世界自然遺産・奄美大島では、野生化した猫(ノネコ)がアマミノクロウサギなど希少な在来種を捕食し、生態系に深刻な影響を与えている。これを受けて環境省は、2018年からノネコ捕獲を開始したが、「殺処分反対」を掲げる一部動物愛護団体が強く反発し、SNSを中心に激しい抗議活動を展開。奄美のノネコ問題は、自然保護と動物愛護の在り方、地域と外部の関係性を問い直す象徴的な事例となったという。

現在、奄美大島のネコ対策は、「ノネコ」と「野良猫」に分けられ、前者は捕獲→収容→譲渡先がなければ殺処分、後者はTNR(避妊去勢)、という対策が行われているとのこと。しかし結果的に、ノネコは注目されたこともあってほとんどが譲渡されている一方で、野良猫はTNR→その後は放置という状況になっているのだそうだ。

ノネコも野良猫も傷病猫も救いたい！との思いを持ち、屋外で過酷な生活を送る猫を減らす＝外猫ゼロを目標に掲げている奄美猫部。これまで島内全域からくる子猫の保護相談で手一杯だったが、対策の成果が出始め、近年子猫の繁殖・相談が減少してきたという。