マンション選びの判断材料のひとつに!? ブリヂストンが免震体験車をお披露目
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新築マンション選びなどで目にする機会が増えてきた「免震構造」というキーワード。しかし「耐震」との違いなど正確に把握していないという人の方が多いのではないでしょうか。
そんな中、ブリヂストンが免震体験車を製作。2014年2月6日にパシフィコ横浜で開催された震災対策技術展でお披露目され、来場者が乗車して「耐震」と「免震」の差を体感することができました。
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建造物の下に取り入れることで揺れを吸収し、オフィスビルやマンションから歴史建造物まで導入されている免震ゴム。ブリヂストンは国内トップシェアのメーカーですが、認知が追いついていないということもあり製作されたのが、この免震体験車。
大型トラックにディーゼルエンジン駆動の発動発電機や体験装置、大型液晶TVや地デジアンテナなどを装備しており、いざという時には情報拠点としても活用できるとのこと。制作費用は非公表ですが、ブリヂストンの西田淳一インフラ資材販売促進部長によると「マンション一戸分」は費やしているという大掛かりなものになっています。
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体験できるのは東北地方太平洋沖地震と、兵庫県南部地震、そして想定される南海トラフ巨大地震。それぞれの波形データをもとに、14階建てマンションの8階の部屋を想定した揺れを再現します。
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体験スペースは4人分の席があり、テーブルには揺れに耐えるためのバーが…。正面にはフラットビジョンとLEDが設置されています。
ブリヂストン免震体験車お披露目(2014年2月6日) – YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=4FiG7UqTm1Q& [リンク]
震災対策技術展では、このうち東北地方太平洋沖地震の揺れを再現。
まずは耐震構造のマンションから開始。タテにもヨコにも強い揺れが襲います。少し揺れが落ち着いたところでさらに第二波の大きな上下動がやってくるあたりも忠実なほか、画面には同じ揺れの際のマンションの部屋の様子と波形が表示されるので、身体と視覚の両方で揺れを体感できます。
筆者も乗車しましたが、撮影している余裕がないほどで、地震の恐ろしさを思い知らされることに。先に乗ったスタッフの皆さんが表情を動かさないのを見てナメてました…。
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一方、免震構造の再現では…。ゆらゆらと船に乗っているような揺れが。耐震構造のように立っていられないような状態ではなく、画面のマンションの部屋も家具が倒れたりすることもなく、被害が軽微に抑えられることを示します。とはいえ、短い時間でも船酔いに近い症状になりそうだったので、しっかりとバーにつかまるのはマスト。巨大地震への備えの必要性を認識するには充分といえるのではないでしょうか。
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震災対策技術展のブリヂストンブースでは、免震ゴムを採用した東京駅丸の内駅舎の模型も展示。免震構造と耐震構造による揺れの違いを見ることができました。
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薄いゴムと鉄板を交互に重ねて接着している免震ゴム。地震による建物の揺れを吸収し、元の位置に復元する2つの機能を有しており、2011年の東日本大震災でも導入されたマンションは損壊が軽微にとどまっているとのこと。
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この日発表されたインターネットによる意識調査によると、マンション選びの際「資産価値への貢献度」を重視するという人が8割を超えているという数字に。また、免震構造の物件の方が耐震構造のものと比較してリセールバリュー(価格維持率)が高いというデータが示されました。
ブリヂストンでは今後、マンションギャラリーや防災イベントなどに免震体験車を派遣して、免震の認知度向上を図りたいとしており、反響次第で2台めの製作も検討するとのこと。
意識調査では「地震体験車に乗ったことがない」という答えが70%を超え、免震・非免震を体験できる起震車に乗ったことがある人は5.1%にとどまりました。地震は日本列島に住む以上は切っても切れない関係でもあり、今回のようにその揺れの体験できる機会が増えることが求められるのではないでしょうか。
免震ゴムってなんだろう? (株式会社ブリヂストンホームページ)
http://www.bridgestone.co.jp/business/dp/construction/antiseismic_rubber/
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乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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