【検証】デルの超薄型ノートPC『Adamo XPS』は電源なしで開くのか?

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厚さが最薄部9.7mm、最厚部10.3mmで、平均9.9mmの“世界最薄”をうたったデルのプレミアムノートパソコン(PC)『Adamo XPS』。その薄さもさることながら、使用時にはディスプレー部が立ち上がってキーボードを傾けるデザインが特徴的です。注目すべきは、ディスプレー部を開閉する仕組み。天面を指でなぞるとセンサが動作してラッチを解除し、開くというのです。ということは、電源がないと開かないのでしょうか? 実機をお借りして検証してみました。

・開閉機構を検証

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閉じた状態で底面側から見ると、キーボード部がディスプレー部にすっぽり収まるようにして閉じていることが分かります。これにより、閉じた状態でも薄さを保てるのですね。『VAIO X』を見たときにも13.9mmの薄さに驚きましたが、『Adamo XPS』は従来のノートPCにはない発想でボディ設計されていることが分かります。

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この状態では、キーボード部を引っ張り出すように開けるのは難しい。そこでセンサによる開閉機構が登場します。天板中央部で横方向に指をなぞると指を追うように青いライトが点等し、ラッチが解除。センサは、エレベーターのボタンと同様に、静電容量式のスイッチになっているようです。

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解除後はディスプレー部を持ち上げるように立ち上げれば開いた状態に。完全に開くには、キーボード部を押さえながらディスプレー部を倒す必要があります。

・電源が必要?

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閉じた状態を固定するラッチは、ディスプレー面の左右2ヵ所。これを解除するのにセンサを使います。もちろんACアダプタを接続しない状態でもセンサは動作しますが、試しにバッテリーを外してみたところ、センサは動作しませんでした。やはりセンサを動かす電力は必要なようです。

次に、バッテリーを完全に消費するまで使用してみました。バッテリーが0%になるとシステムが終了し、電源スイッチを入れても起動しなくなります。この状態で試したところ、センサが動作する電力は残されているらしく、開けることができました。何度か試してみるとバッテリーが完全になくなり、バッテリーを外したときと同じく開けることができなくなります。

いろいろ試しましたが、開けるときはPCを使いたいときなので、PCを起動するだけのバッテリーがないならACアダプターに接続して開けばよいだけの話。「それでも開けたい」というニーズがあるのかどうか分かりませんが、その場合はどうすればよいのでしょうか。

・解決策はあった!

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ちゃんと解決策は用意されていました。本体には高級時計の説明書のような冊子が付属しているのですが、裏表紙にプラスチックの板が挟んであります。

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この板、実はラッチを開けるための道具なのです。ラッチはディスプレーの水平方向で中央側から外側へツメが出る構造になっており、キーボード部の切り欠きにフックするようにして固定するのですが、ツメの中央側(フックしない側)は斜めになり、先細った形状になっています。これにより、中央側から外側へ水平方向に力を加えると、ツメがディスプレー部に引きこまれるように収納されます。

板をディスプレー部とキーボード部の合わせ目に挿入し、中央側から外側へスライドさせると、バッテリーがなくてもラッチを開けることができました。まあ、こんなことをするよりACアダプターを接続した方が早いのですが……。

・持ち運べる作業環境として

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このように、開閉機構だけでもプレミアム感漂う『Adamo XPS』ですが、本体ももちろんプレミアム。キーピッチを確保し、金属製のキーキャップを採用したキーボードは、快適なキータッチで指先でも高級感を味わうことができます。1366×766ピクセルの13.4型液晶モニタは、若干横長に見えますが広々とした表示領域。CPUに『インテル Core 2 Duo プロセッサ SU9400』と、グラフィック機能を内蔵したチップセット『モバイルインテル GS45 Express』を搭載し、動画やFlashコンテンツの再生にもストレスを感じさせません。ストレージは128GBのSSD(Solid State Drive)で、音も静かです。

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本体の構造上、平面に置いて使うことが前提となっているため、外出先でひざの上に置いて使ったり、小さいテーブルなどで使うのには不向き。自宅とオフィス、オフィスと会議室などを移動して、それぞれで快適な作業環境を実現するモバイルノートとして活躍するでしょう。外出先で使う場合に、標準バッテリーは2時間と短めですが、拡張バッテリーを購入すれば5時間動作します。貸し出し機では拡張バッテリーを確認できませんでしたが、使用時にはバッテリー部分が立ち上がった状態なので、厚みがあっても邪魔にはならないと想像できます。

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インタフェースは、両側面にUSBポートが1コずつと、20ピンのディスプレーポート。LANケーブルを接続できるUSBアダプターと、DVIポートに接続できるアダプターが付属します。

省電力タイプのいわゆる“CULV”ノートでは、インテルの『Core i3/i5/i7』といった新プロセッサが登場し、春モデルの新製品が続々と発表されていますが、独自のスタイルと高級感でまだまだ新鮮味がある『Adamo XPS』。人とは違ったセレクトをしたい方は、チェックしてみることをオススメします。

・『Adamo XPS』仕様
CPU:インテル Core 2 Duo プロセッサ SU9400 1.4GHz
メモリー:4GB
記憶装置:128GB SSD
OS:Windows 7 Home Premium(64ビット)
ディスプレー:13.4インチTFT WXGA 液晶ディスプレー(1366×766ピクセル)
ウェブカメラ:内蔵200万画素ウェブカメラ
インタフェース:ディスプレーポート、USBポート×2、ヘッドホンコネクタ
ワイヤレス:Bluetooth V2.1+EDR、インテル WiFi Link 5300 (802.11a/b/g/n – 450Mbps(3×3))
バッテリー:6セル標準バッテリー(最大駆動時間2時間36分)、12セル拡張バッテリー(最大駆動時間5時間17分)
電源:45W ACアダプター
本体サイズ:W339.9×D273.9×H9.99mm
重量:1.44kg~(標準バッテリー)

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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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