那覇市『沖縄県立図書館』─なんども訪れたくなる理由とは【ぶらり、図書館めぐり】
1日じゃ足りない。
本好きライターによる散策企画『ぶらり、図書館めぐり』。第7弾は、那覇の中心地にある「沖縄県立図書館」を訪れました。
吹き抜けの広間。伝統を受け継ぐ図書館
1910年(明治43年)から続く沖縄県立図書館は、2018年に今の場所へ移り、新たな知の拠点として生まれ変わりました。
ゆいレール「旭橋駅」直結の複合施設「カフーナ旭橋」内にあり、那覇国際通りからもふらりと立ち寄れる距離感。
大きなガラスの吹き抜けから光が差し込み、だれでも気軽に過ごせる、明るく開かれた図書館として親しまれています。
複合施設内の3〜5階に位置し、各階それぞれテーマが異なる3フロア構成。広々として、穏やかな開放感が印象的です。
沖縄生まれの透かし模様入りコンクリート「花ブロック」のモチーフが建築デザインに取り入れられるなど、土地の風土と文化を感じられました。
好きな席で、好きな時間が過ごせる。ひらかれた空間
まず驚いたのが、座席数。その数なんと528席。
窓際の座席では、集中して自習に取り組む方々が多く利用していました。
仕切りのあるブースは、暖色系の柔らかい照明に包まれながら、集中して作業したい方にぴったり。
座席の数だけでなく、種類も豊富なこの図書館では、座る場所を変えるだけで気分転換にもなりそうです。
座席は事前に予約でき、1回につき最大3時間まで利用OK。県外からの一時利用でも、窓口で申請すれば使えるとのことです。
親子が一緒に楽しみ、学べる優しい空間づくり
階ごとにテーマがあり、それに合った空間づくりが施されているのも注目ポイント。
3階「子どもの読書活動推進エリア」は、子どもたちが笑ったり、話したり、のびのび過ごせるようにサポートがされています。
大樹と、上空には雲を思わせるペンダント照明が飾られたスペース「おはなしの森」では、赤ちゃん向けに絵本・紙芝居などの読み聞かせを定期的に開催。
他にも、子育て支援コーナーや10代向けのティーンズコーナーも設けられ、関連書籍が並んでいます。
幅広いニーズに応える、最大フロア
4階「一般閲覧エリア・ビジネスエリア・情報エリア・多文化エリア」は、約13万冊の本が並ぶ館内で最も大きなフロアになっています。
特徴的なのが、国際色豊かな「多文化エリア」。
アメリカ情報コーナー、上海、ネパールなど、国ごとの文化を伝える本棚が並びます。大使館からの寄贈本もあるそうで、なかなか国内では手に取ることができない本も見られます。
さらに同フロアには、ゆっくり読書を楽しみたい人向けに「サイレントルーム」も設けられていました。
こちらは、観葉植物が置かれたサイレントルーム。パソコン等の利用も制限され、静かな環境が守られています。
郷土資料と展示。読むだけじゃない学び方を提案
5階「郷土資料室・郷土資料貸出エリア・沖縄関連展示エリア」は、色調が抑えられ、シックな印象。
沖縄に関する歴史や地図資料など、通常の流通ルートには乗らない貴重な資料も多く取り揃えられています。
ほかにも「移民資料コーナー」では、沖縄ゆかりの移民に関する書籍やパネル展示をそろえ、郷土の歴史をより身近に感じられるよう工夫されています。
また訪れたくなる理由がここに
静かに本をめくるだけでなく、新しい文化や価値観に触れられる時間がここにはあります。
街に寄り添う図書館として、気軽に立ち寄れる心地よさ、一人ひとりが居場所を選べる空間設計も魅力的で、気づけば「また明日も来よう」と思わせてくれる場所になっていました。
沖縄県立図書館
住所:那覇市泉崎1-20-1 カフーナ旭橋A街区
開館時間:午前9時~午後8時
休館日:火曜日・年末年始・特別整理期間(年20日程度)
アクセス:ゆいレール「旭橋駅」直結/那覇バスターミナルから徒歩すぐ
公式サイト:https://www.library.pref.okinawa.jp/
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