G-SHOCKの指輪サイズ「G-SHOCK nano」は通常の1/10サイズで本格防水【開発者インタビュー】
 
カシオ計算機株式会社から、通常サイズの約10分の1となる指輪サイズの「G-SHOCK nano」が11月8日に発売されます。
G-SHOCK nanoは、2024年12月に発売されたリングウオッチ「CRW-001」に続く指輪サイズの時計となります。
 
開発に携わった同社時計事業部 商品企画部 第一企画室の小島一泰さんに詳しい話を伺いました。
ーーG-SHOCK nanoの開発経緯は?
小島:G-SHOCK nanoを開発した背景には、いくつかの理由があります。まず、リングウオッチが好調だったことが後押しとなりました。G-SHOCKを小型化したモデルを作りたいという構想は1990年代から開発陣の中にありましたが、当時は発想はあったものの技術が追いつかず実現には至りませんでした。
リングウオッチの開発などを経て、今回ようやくその構想を形にすることができました。また、「CASIO ウオッチリングコレクション」として発売された、時計を指輪サイズにしたカプセルトイ(※時計機能はない)が好評だったことも、開発を後押しする要因の一つとなりました。
ーー開発プロセスで苦労したのは?
小島:すでにリングウオッチのCRW-001を開発しておりますが、G-SHOCK nanoは全く新しい挑戦でしたので、様々な課題がありました。最大の違いは防水性能です。CRW-001は3気圧防水でしたが、今回のG-SHOCK nanoではG-SHOCKブランドとしての品質基準を満たすため、通常モデルと同じ20気圧防水を実現しています。
特に苦労したのは、サイドボタンの防水構造です。20気圧防水ではサイドボタン部分からの浸水が最大のリスクとなるため、通常のG-SHOCKでも二重パッキン構造を採用しています。しかし、これを極小サイズで実現するのは本当にできるのかと思うほど技術的に難しかったです。
さらに、従来モデルの約10分の1という超小型サイズでは、設計概念そのものを根本から見直す必要がありました。小型化特有の構造課題に対応した新たな評価基準の策定、液晶の最薄化技術の開発、基板設計の最適化、そして極小サイズでありながら高い耐衝撃性を実現するケース構造の新規開発など、多岐にわたる技術革新が求められました。
このように単なる小型化ではなく、極小サイズならではの新しい設計思想に基づいた技術開発を行った結果、G-SHOCK nanoの製品化を実現することができました。
ーーどこで購入可能なの?
小島:販売経路は、G-SHOCK STORE、G-SHOCK取り扱い店舗、公式オンラインストアです。本モデルは定番モデルになります。
 
ーーどういう人が指輪サイズの時計を購入するの?
小島:まだG-SHOCK nanoは発売していないためCRW-001の購入者層になりますが、カシオのコレクターの方々はもちろん、ファッションに敏感な若者層にも個性的なアクセサリーとして人気です。特に他の時計製品と比べても年齢を問わず購入されており、超小型という話題性が世代を超えて評価されているようです。
嬉しいことに、新規のお客様にも多数ご購入いただき、新たな顧客層の開拓にもつながっています。従来の時計の枠を超えた製品として、多様なお客様に受け入れられていることを大変嬉しく思っております。
ーー手首に普通サイズの腕時計、指に指輪サイズの時計を同時に装着するトレンドを仕掛けようとしています?
小島:現時点では、さまざまなスタイルの選択肢を提供し、お客様には自由に楽しんでいただければ嬉しいです。手首の腕時計と指のリングウオッチの同時着用が自然に広まり、新たなトレンドになるならメーカーとして大変光栄です。
海外のアーティストやインフルエンサーの採用によってグローバルに広がる可能性も考え、私たちはお客様の自由な発想を尊重しつつ、積極的にコラボや情報発信でこのG-SHOCK nanoの広がりを支援してまいります。
ーーありがとうございました。
 
 
時、分、秒の表示、カレンダー、LEDバックライト、ストップウオッチ、2つの異なる時刻を表示できるデュアルタイムなどの機能を備えたG-SHOCK nanoのカラーは、ブラック、レッド、イエローの3色。
 
価格はそれぞれ税込1万4300円で、発売日は11月8日です。Gマークをかたどったディスプレイスタンドも同梱となっています。
カシオ公式オンラインストア
https://www.casio.com/jp/watches/gshock/product.DWN-5600-1/[リンク]
※画像提供:カシオ計算機株式会社
(執筆者: 6PAC)

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