魚のエラや内臓をホルモン刺しにして食べるよー! 捨てる部位だけど実は食べられるし、牛ホルモン並みに美味しいよ!

先日行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)にお邪魔したところ

大量のカサゴが泳いでいました。
カサゴは煮つけにすると最高にウマいんだよね! ってことで田中店長に活締め&血抜きをお願いし、購入してきました!
カサゴ
印象派の絵画のような鮮やかな色彩がとても美しいカサゴちゃん。

煮ても焼いても唐揚げにしても、どんな料理でも美味しく食べられる優秀なお魚です。
「カサゴなら内臓を生で食べてもウマいんじゃね?」と思い、今回は本来捨てる部位である内臓をホルモン刺しにして食べてみたいと思います。
※身は煮つけにして頂きました。やはり絶品でした。
魚のエラと内臓料理
魚のホルモン料理と聞くと「えっ?」って感じですが、郷土料理でエラを食べる地域もありますし、肝や浮き袋もさっと湯通しして食べる人が多いことを考えると、魚ホルモンは思っている以上にメジャーな料理かもしれませんね。
でも詳しい部位の説明や食べ方などは、ネットを検索してもあまり出てこなかったので、なんとなーくの勘で調理していきます。
※以後、内臓の画像が多く出てきます。苦手な方はご注意くださいませ。
魚のエラと内臓の下処理
まずはエラを処理します。エラをくり抜いて洗ったら

酒と塩を溶いた水に漬けます。塩の量は舐めて海を感じる程度、酒も味がするぐらいと、かなりアバウトな分量です。塩は粒が見えなくなるまでしっかりと溶きます。
他の内臓も洗ったら全てこの水に漬けます。

続いて内臓です。今回食べる内臓は肝、浮き袋、胃、腸、そしてなんなのか不明なか所です。心臓は潰してしまって跡形もなくなってしまったので今回は食べません(;-ω-)

意外にも立派で美味しそうな肝してますね!

浮き袋と胃は開いて中もブラシでしっかりと洗います。

▼カサゴの胃袋(たぶん)


小さいけど腸も開いてゴシゴシ洗います。結構脂がついてて美味しそうですね!

問題はコイツ。なんだこの黒い部位は。胆のうかしら? にしては大きすぎるので違う気がする……とりあえず中を開いてみます。

ギャ────∑(゚Д゚; )────ァァッ!!!!!!
なんか黒いミミズみたいなのがいっぱい出てきたΣΣヾ(;′ω`)ノ !!!!!!

▲さすがにグロいので、ミミズみたいなやつは1本だけを残して写真を撮りました。
血でできたミミズみたいなコレはなに!?!?!?!? 赤黒い色をしていたのはコイツが詰まっていたからで、皮自体は透明ですね。
レバーなど血の味がする食品が大の苦手な私には、コイツはゲロまずそうに見えるので、ミミズさんは食べずにサヨナラします。透明の皮のほうだけを食べます。
しかしこのミミズもどきはなんだったんでしょうか? ご存じの方がいたら教えてください。
全ての内臓を水に漬け、水が濁ったら入れ替えます。血や汚れがとれ、漬け水が濁らなくなったら下処理完了です。

だいたい数時間~半日ぐらいで下処理は完了します。
魚のホルモン刺しを作る
水は濁らなくなりましたが、めんどくさく立て込んでいて調理する時間がなく、冷蔵庫で放置したまま2日経ってしまいました。
しかもカサゴと同日に購入したタカノハダイで手をケガしてしまい、実はカサゴの内臓処理をしたのは締めた当日ではなく、1日経ってから。
魚の内臓って当日以外は生で食べないほうが良いって聞くよね……う~ん……どうしよう (-ω-;)
まぁ、何かあっても腹壊すぐらいだろうし、いいや! 食べちゃえ! 私お腹スーパー強いし。
ということでホルモン刺しを作っていきます。
まずは漬けていた水の中で揉み洗いをし、最後の汚れ落としを行います。

水が白く濁りました。けっこう汚れがついていたみたいですねぇ。
そしたら生臭ささをとるために10秒ぐらいサッと湯通しし、すぐ冷水にとります。

湯通ししたら「刺し」じゃないんじゃない? という疑問が頭をよぎりましたが、肝を割ったら中から血が流れ出てきましたので、中は十分に生です。なので刺しと呼んで差し支えないと判断します。
エラは骨をはずし

他の部位はぶつ切りや細切りにして完成です!

▲幽門は胃の出口部分にある、十二指腸の入口です。
カサゴのホルモン刺しを食べる
まずは肝、エラ、胃を頂きます。醤油につけて食べます。

カサゴの肝
まぁ、肝は間違いないですよね。ちょっとだけ磯の風味がありますが、予想通り美味しいです!
予想外だったのはウニのような味がすること! この味の肝は初めて食べたかも? 磯の風味もウニ味とマッチして良きですね。
ただ惜しむらくは中に走る血管の血が全く抜けておらず、少々生臭さがあること。
カサゴの肝は楊枝でプスプスしてから塩水に漬けたほうが良いですね。
カサゴのエラ
エラは輪っか状ののど軟骨と、まつ毛のようなバサバサ部分に分けてあります。
バサバサ部分は歯みたいなトゲトゲをはずして、まつ毛みたいやつを食べます。

まつ毛うっっっま!!
クニュクニュしてるけど歯切れが良く柔らかい食感で、うま味たっぷりです! これは何の味に似てるかなぁ? クセが皆無でかなりさっぱりしたカニミソが近いかなぁ? 個人的には肝よりもまつ毛のほうが好きです!
のどの軟骨(輪っか状だった部分)はキクラゲとイカを合わせたような食感で、歯を押し返してくるしっかりとした弾力があり、プリプリコリコリサクサクした歯ごたえで、食感が非常に良いです!!
味はないのでこれは食感を楽しむものですね。好みのタレで食べるのが良いと思います。
ちなみに、歯みたいなトゲトゲ部分は、砂やタコの吸盤のようにジャリジャリしてて美味しくないです。唐揚げにしたら食べられますが、それでもジャリジャリ感が残って口当たりがイマイチです。
カサゴの胃
牛センマイとほぼ同じですね。弾力マックスの焼きイカみたいな食感です。
これも味そのものはなく、食感を楽しむ食材ですね。美味しいです!
続いては浮き袋、幽門と腸、そして赤黒ミミズが出てきたよく分かんない「?」な部位を食べてみたいと思います。

カサゴの浮き袋
もの凄く柔らかいトコロテンや葛餅みたい。柔らかく吸いつくような感触が楽しいものの、味はないので、これも食感を楽しむ系の食材ですね。鍋の具にしたい感じ。
幽門と腸
まずは幽門(十二指腸の入口)から頂きます。おっ! エラのまつ毛と似た味と食感ですね!
こっちはカニミソ系の風味がちょっとあって、海鮮のうま味を感じて美味しいです!!
脂がのっていてコクがあるのも良き!
腸のほうは……基本的には幽門と同じ味・食感です。が、ところどころワカメやヒジキのような強い磯の香りがするので、苦手な人には辛く、気にならない人には美味しい、好き嫌いが分かれる味ですねぇ。
私はちょっとダメでした(‘A`)
?
最後はたくさんのミミズが出てきた、なんだかよく分からない部位です。
どんな味がするんでしょうか(。・н・。)パクッ
おっ! 弾力がすごいぞ! ゴムというか極薄切りにしたスルメイカというか、とにかく弾力があります!!
これも特に味はないので、好みのタレをつけて、噛むのを楽しむ食材ですね。
カサゴのホルモン刺しの感想
カサゴを締めてから3日ほど経った内臓(しかも内臓は即日処理していない)だったので、お腹を壊さないか心配でしたが、特に何もなかったです。味も特に落ちていないんじゃないかと思います。
「思ったよりも魚の内臓は長持ちするのかもしれない」と思いつつ、私のお腹が強いだけの可能性もあるので、できる限り締めたその日に食べるのが良いかとは思います。
味は全体的にイカ焼きや牛ホルモンが好きな人には刺さるだろうな、という印象です。私はすごく美味しいと思いました!!
特にエラのまつ毛と胃、幽門がうましです!!!!
カサゴのような小さめの魚だと小人料理を作るみたいで大変だけど、ホルモン刺しにする価値は全然あると思います!!
美味しいし珍味なので、おつまみにもピッタリだと思います!
今度は大きい魚で試したり、モツ煮などにも挑戦してみたいです!
※画像は全て筆者撮影
海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]
(執筆者: ゆずくん)

- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。