【京都府福知山市】漫画家・こうの史代の画業の全てが分かる展覧会「こうの史代展」開催!


京都府福知山市が、漫画家生活30周年を迎えた、同市在住の漫画家・こうの史代さんの過去最大規模の展覧会「こうの史代展」を、6月8日(日)~7月27日(日)の期間、福知山市佐藤太清記念美術館にて開催する。

漫画家・こうの史代さんについて

制作風景 展示予定の動画より(撮影:白井茜)

漫画家・こうのさんは、1968年広島市生まれ。

『街角花だより』1995年 ⓒこうの史代/コアミックス

1995年に『街角花だより』の連載で漫画家デビューし、

『ぴっぴら帳(ノート)』1巻カバーイラスト、2000年 ⓒこうの史代/コアミックス

インコとの日常を描く4コマ漫画『ぴっぴら帳(ノート)』で人気を博した。

ニワトリと少女のユニークな日々をつづったショートストーリー漫画『こっこさん』、子どもの心を見開きページに釘付けにしたカラー漫画『かっぱのねね子』も同時期に連載。

『長い道』2001年 ⓒこうの史代/コアミックス

夫婦の気ままでコミカルな永遠の1日を捉えた『長い道』や、こうのさん自身より年齢が上の主人公を初めて描いたドタバタ二世帯喜劇『さんさん録』でさらなる新境地を開く。

原爆の被害とその後に続く“終わっていない”日々を真摯に紡いだ『夕凪の街 桜の国』を発表し、話題に。同作で第9回手塚治虫文化賞新生賞、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、映画化やドラマ化もされた。

『この世界の片隅に』2006年 ⓒこうの史代/コアミックス

広島の軍都・呉の戦災を描く『この世界の片隅に』は、戦前から戦後まで、個人の時間を奪う戦争の惨禍の全てを、日常の低い視点から力強く描いた作品。同作は第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、アニメーション映画(片渕須直監督)がロングラン大ヒットを記録し、こうのさんにとっても集大成的な作品になったという。

『日の鳥』2巻表紙イラスト、2016年 ⓒこうの史代/日本文芸社

その後も漫画という表現に対する好奇心は尽きず、『平凡倶楽部』『ぼおるぺん古事記』『日の鳥』、

『ギガタウン 漫符図譜』2016年 ⓒこうの史代/朝日新聞出版

『ギガタウン 漫符図譜』『百一 hyakuich』など、ひとつとして似ていない作品を続々と発表。

『空色心経』カバーイラスト、2025年 ⓒこうの史代/朝日新聞出版

最新作『空色心経』では、般若心経とコロナ禍の日々を2色の糸で撚り合わせるように重ね、時空を超えた世界と日常を結んでみせた。

こうのさんと福知山市の関わり

そんなこうのさんは、2016年に福知山市に移住。福知山ゆかりの武将・明智光秀が主人公の大河ドラマ放送終了後、福知山城公式サイト立ち上げに合わせて、同市からの依頼でイラスト『麒麟のいる街』を描きおろした。イラストは、福知山市役所職員の名刺や、福知山ファンクラブの市外会員証などでも使用されている。

今年は、福知山市立図書館開設100周年を記念し、「こうの史代『荒神絵巻』作品展」を開催。

福知山市内唯一の映画館「福知山シネマ」は、こうのさんイラストの懸垂幕を掲げるほか、過去にこうのさんのトークショーや原作映画『この世界の片隅に』上映とパネル展示を実施し、最新作『空色心経』では、福知山を舞台に由良川の河川敷などが細やかに描かれている。

こうのさんの画業の全てが分かる展覧会

「こうの史代展」メインビジュアル『描く人』2024年

今回開催される「こうの史代展」では、大ヒット作品『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』をはじめ、福知山市が舞台の最新作『空色心経』など500枚以上の漫画原画、絵本原画、作品のコンテやメモ、ブログ「こうのの日々」に登場するスケッチブック、制作風景を記録した初公開の映像を展示。

WEEKLY漫画アクション新人賞募集イラスト、1992年 ⓒこうの史代

デビュー前の原稿や、高校生の頃に制作された漫画の原画も展示される。こうのさんのデビューから現在までを網羅した大規模な回顧展は、同展が初めてとのこと。こうのさんの画業の全てが分かる展覧会となっている。

『かっぱのねね子』その5、2001年 ⓒこうの史代/朝日新聞出版

なお、連載作品の場合は1話単位、短編は全ページを基本に原画を展示。こうのさんが構成したストーリーを分断せず、制作しているその時の「漫画家の気持ち」を体感することができる。各単行本のカバーのカラー原画も必見だ。

『星月夜』:「太田川」表紙、広島太田川ライオンズクラブ、1996年 ⓒこうの史代

また、こうのさんは、初期からアシスタントを起用せず、原稿を全て1人で描いているそう。着彩も本人が行っており、一部を除いて、スクリーントーンをほとんど使用していないという。

原画で見ることができるのは、こうのさん自身の手によって描かれた線。「1枚の絵」として、その線の躍動する魅力、新鮮な色彩の力を感じることができそうだ。

さらに、会期中のどこかで、こうのさん本人によるライブペインティングを実施。日時等詳細は5月中旬頃に発表される。

「こうの史代展」は、現在開催中の金沢21世紀美術館からスタートし、福知山にて開催後、全国巡回展示をする予定。デビューから現在までを網羅した、こうのさんの画業の全てが分かる展覧会「こうの史代展」に足を運んでみては。

■こうの史代展
会期:6月8日(日)~7月27日(日)
※会期中、前期・後期で展示替えを実施
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場:福知山市佐藤太清記念美術
住所:京都府福知山市字岡ノ32-64
入館料:大人720円/子ども350円 ※通常料金と異なる
HP:https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/7/74944.html

※作品キャプションは全て掲載初出年ないしは制作年を記載

(佐藤ゆり)

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