座りすぎ社会を変える「歩き方改革」──働き方を足元から見直す

座りすぎ社会を変える「歩き方改革」──働き方を足元から見直す
現代社会において、最大の健康リスクは「働きすぎ」ではありません。
オフィスワークでの働きすぎの結果、「座りすぎ」によって健康を損なうリスクが問題になってきているのです。
長時間座り続ける生活習慣は、肥満や心血管疾患、糖尿病といった健康リスクと関連していることが、多くの研究で指摘されています。
また、座りすぎによる集中力の低下や生産性の損失、さらには腰まわりへの負担も無視できない問題です。
日本のオフィスワーカーの多くは、1日8時間以上を座った姿勢で過ごしており、「1日の半分以上を椅子に縛られている」といっても過言ではありません。
にもかかわらず、そのリスクを真剣に捉えている企業や個人は、まだ少数派です。
働き方改革や健康経営の必要性が叫ばれる中で、実際の現場では「とにかく座って業務をこなす」という慣習が根強く残っています。
座り続けるという静かな行為が、結果として体の多方面での不調やパフォーマンス低下につながっているにもかかわらず、「座ること」自体の見直しは遅れています。
さらに、リモートワークの普及により「座る時間」はむしろ増え、自宅という無意識な空間がそのリスクをさらに強めているという見方もあります。
今、私たちに必要なのは単なる警鐘ではありません。
「歩き方改革」という切り口から、座りすぎ社会への根本的なアプローチを提案したいと考えています。
「歩くこと」は、最も身近でありながら、最も見落とされている健康戦略です。
デスクワーク中に立ち上がって少し歩くことは、習慣さえつければ誰にでも実践可能です。
さらに、その「歩き方」に注目することで、体と心の整え方にまで踏み込むことができます。
たとえば、足裏の人差し指・中指・薬指に重心を意識させる新しい歩行法は、姿勢を整え、巡りを促進し、身体全体のバランスを支える助けになります。
このような足指への意識づけは、従来の親指重視の歩行とは異なり、足の構造に対してより自然な使い方を促します。
実際、この歩行を取り入れた方々からは、「夕方の脚の疲労感が軽減された」「腰まわりのハリが和らいだ」といった体感の声が寄せられています。
歩き方改革の効果は、身体の変化にとどまりません。
自分の歩き方を見直すことで、自身の姿勢、呼吸、歩幅、さらには一日の過ごし方までもが見直されていきます。
これは単なる運動習慣の改善ではなく、生活リズムそのものの再設計に近いと言えるでしょう。
歩くという行為を見直すことは、暮らしの質そのものを問い直すことでもあるのです。
こうした小さな意識改革の積み重ねが、やがて生活習慣を変え、働き方そのものを変える可能性があると考えられます。
企業にとっても、従業員の健康維持・増進によって医療費の削減や業務効率の向上が見込めるだけでなく、企業ブランディングにもつながる可能性があります。
健康経営が評価指標として注目される昨今、社員の「歩く」に投資することは、経営戦略の一環としての意味も持ちます。
たとえば、週に一度だけでも「歩き方」をテーマにした社内ワークショップを導入することや、
業務の合間に実施できる“歩行リフレッシュタイム”を制度化することも有効です。
こうした取り組みは、運動が苦手な人や意識が高くない層にも無理なく届けることができます。
企業が「歩き方」に注目し始めれば、社員の健康はもちろん、組織文化そのものにも好影響を与える可能性があります。
健康施策が単なる“福利厚生”に留まらず、日々の仕事の質を変えるきっかけとなるのです。
まずは今日、いつもの通勤路を歩くときに、自分の歩き方を一度意識してみてください。
その小さな一歩が、生活を変える第一歩になるはずです。
歩き方を変えて、自分の未来を整えていきましょう。

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