「KAMU kanazawa」現代アート巡り&金沢の街歩きを楽しむ旅
こんにちは、美術ライターの明菜です。今回の列車旅は、アートと街歩きをテーマに石川県金沢市へ。現代アート美術館「KAMU kanazawa」を巡りながら、金沢の街を楽しみます。宿泊は「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA」で。ホテルにもこだわった充実の旅へ、さっそく出発しましょう!
東京駅を出発
北陸新幹線で金沢駅へ
JR東京駅から北陸新幹線で約2時間半。JR金沢駅に到着すると、雲ひとつない快晴に迎えられました。金沢への旅は「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用するのがおすすめです。新幹線と宿のセットがお得に予約できますよ。
兼六園口(東口)のバスターミナルから、城下まち金沢周遊バス【左回りルート】(土日祝のみ運行)に乗車。全国の交通系ICカードが利用できます。
バスに乗ること約10分。香林坊停留所で下車し、ここから徒歩でアート巡りを始めます!
金沢アート巡り1「KAMU Center」
マップをもらってアート巡り開始
「KAMU kanazawa」は、2020年に開館した現代アートの私設美術館。金沢市内に複数スペースを構えています。市内に点在するアートスペースを巡りながら、作品鑑賞と金沢の街歩きを両方楽しめる回遊型の美術館です。
まずは、スタート地点となる「KAMU Center」に向かいます。
広坂の百万石通りを歩いていくと、黄色いのぼりが目を引くKAMU Centerが見えてきます。
こちらでチケットを購入(※)し、アートスペースを巡るためのマップを受け取ります。
※編集部注:チケットは1日券・2日券・3日券の3種類で、現地での当日販売とオンライン販売があります。詳しくはKAMU kanazawaのホームページをご確認ください
3フロアからなるKAMU Centerは、KAMU kanazawaの中心となるアートスペースでもあります。
1階には、レアンドロ・エルリッヒ氏の作品《インフィニットステアケース》が。「無限の階段」と直訳できるとおり、永遠に階段が続いています!
しかし、KAMU Centerは3階建て。一体どこに長い階段が収まっているのかというと……ぜひ、ご自身で体感してみてください。
2階に上がると、ステファニー・クエール氏の作品《烏》のインスタレーションが。本物のカラスたちが羽を休めていると見間違えるほど、リアリティのある作品です。
カラスを形づくる粘土に残る手指の跡は、迷いのない手つきの証。粘土に命を与えているようです。
仕草の異なるカラスたちには個性があり、まるで人間のよう。私がカラスになって人間を観察しているような、不思議な気持ちになりました。
3階には、桑田卓郎さんの陶芸作品が。鮮やかな作品は、伝統的な技術を継承しつつも、現代アートとして見る者の感性を刺激します。
ひびわれ、釉薬の垂れなどは、昔ながらの器の美。メタリックな素材や鮮やかな発色といった現代的な要素を取り入れ、伝統的な美の存在がより際立っているように感じました。
和甘味 つぼみ
和の空間で甘味をいただきホッと一息
そろそろお腹が空いてきたので、甘いものを食べに行きましょう! KAMU Centerから徒歩約5分、「和甘味 つぼみ」へ。季節を映す植木が目印です。
和甘味 つぼみは、料亭「穂濤(ほなみ)」が手がける甘味処。ちょうど20年前、料亭が甘味処を運営するのはまだ珍しかった時代に誕生した老舗です。
左官屋さんの手による土壁など、内装にも歴史が詰まっています。
金沢城の石垣が見える中庭は、季節によって表情が変わるそう。取材時は緑が美しいお庭でしたが、紅葉や雪の季節も楽しみです。
和の情緒が溢れる店内でいただいたのは、「本葛きり」。奈良県の吉野産本葛粉を使用した甘味で、見た目にも涼やかです。
黒みつにつけて、さっそく一口いただくと……そのおいしさにびっくり! もちもちとした食感と、口の中に広がるほのかな甘み……初体験の風味でした。
葛は滋養になるとされ、アートと街歩きがテーマの今回の旅にもぴったりです。あたたかい加賀棒茶もいただき、しっかり休憩したら、次のアートスペースへ向かいましょう。
金沢アート巡り2「KAMU L」
森山大道が写した「唇」に囲まれたバー
同じマップを持っている人たちとすれ違いながら、歩くこと約10分。
「とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO」と書かれた提灯の下をくぐった少し先に、「KAMU L」があります。
黒いドアを開けると、店内を覆う唇の写真が目に飛び込んできました。森山大道さんのインスタレーション《Lip Bar》です。
訪れたのは日中でしたが、バーの内部は夜の雰囲気。誰もが隠し持っている欲望や欲求を、ここではさらけ出しても良いように思えます。
木・金・土曜の20〜24時はバーとしての営業も。詳しい営業日・時間は、KAMU Centerを訪れた際にご確認ください。
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
ワンランク上の旅を楽しむホテル
アートを楽しんだら今回の宿へ。金沢城公園を散策しながら歩くこと約25分。2022年にオープンした「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA」に到着しました。
近江町市場まで徒歩約1分、金沢城公園まで徒歩約3分と観光に嬉しい立地にあるこちらのホテル。金沢の伝統工芸を思わせる金色の装飾や、風情ある中庭に心がときめきます。
プレミアラウンジKANAZAWA
旅の疲れを癒やす極上の空間
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWAのお部屋はいずれも、屏風をモチーフにするなど、金沢の伝統工芸と黒を基調としたこだわりのあるインテリアで、なんとも贅沢な空間。
お部屋は「スイートツイン」。これにはある理由が……
なんとスイートルーム・クラブルーム宿泊者専用のラウンジが利用できるんです! お部屋のバスアメニティも「BVLGARI」(スイートルーム・クラブルームのみ)が採用されていて、特別感が味わえます。
お部屋でゆっくりするのはあとにして、さっそくお目当ての専用ラウンジ「プレミアラウンジKANAZAWA」に向かいました。
カフェタイム(14~17時)にはホテルメイドのスイーツなどを、カクテルタイム(17~21時)には石川県の地酒をはじめとしたアルコールや軽食などがいただけ、ゆったりとした時間を過ごせます。
カクテルタイムにいただいた金沢おでんが特においしくて……おすすめです!
お部屋に戻り、お風呂で山楽オリジナル入浴剤の香りに癒やされると、うとうと眠たくなってきました。1日目は早めに就寝します。
朝食ビュッフェ
石川名物に舌鼓を打つ朝食ビュッフェ
2日目も快晴! すっきり目覚めたら、さっそく朝食の会場へ。
朝食はビュッフェ形式。加賀野菜の天ぷら、握りたてのお寿司、いしる汁、治部煮、金沢カレー、金沢おでん、加賀棒茶粥など、石川県の名物を心ゆくまでいただきました。
朝からスイーツの種類も豊富。五郎島金時デニッシュをはじめ、どれもおいしくて大満足です。
チェックアウトまでの時間は、お部屋でお茶をいただきながらのんびり。九谷の器とともにくつろぐ、優雅なひとときでした。
金沢アート巡り3「KAMU sky」
開放的な屋上で現代アート鑑賞
ホテルをチェックアウトしたら、アート巡り2日目スタート! 「せせらぎ通り」のおしゃれな雑貨を見ながら歩くこと約30分、アートスペース「KAMU sky」がある「香林坊東急スクエア」に到着しました。
エレベーターで屋上に上がり、スタッフの方から案内を聞きます。そして、KAMU skyの展示を見に行くと……。
大きな足の作品が! 作品の青と空の青色が響き合い、清涼感のある展示です。空の下の屋上と、大地を踏みしめる足の力強さの対比が面白いですよね。
館内へ移動すると、長い螺旋階段が。ここには、潘逸舟さんの作品《ほうれん草たちが日本語で夢を見た日》(2020)の展示があり、鳥のさえずりが聞こえてきます。
鳥の言葉と、箱に詰められるほうれん草の静けさと、私たちが使う言語や日本語。世界に存在するあらゆる生の境界や違いについて意識し、ハッとさせられます。
※編集部注:「KAMU sky」の《泥足》は、毎年12月~3月は展示休止期間となります。その他、雨天時や作品メンテナンスのため、予告なく展示が休止となる場合があります。詳しくは、公式ホームページをご確認ください
金沢アート巡り4「KAMU k≐k」
時間を忘れて映像作品に没頭
KAMU skyから2分ほど歩き、商業施設「PREGO」内にあるアートスペース「KAMU k≐k」へ。
こちらにも潘逸舟さんの作品が。
映像作品《波を掃除する人》で、大きなスクリーンに映し出されるのは、岩に打ち寄せる波を箒で掃除する男性。私たちの生き方を問われているようで、今回のアート巡り旅の総括としてぴったりの作品だと感じました。
ビーズクッションにほとんど寝そべって鑑賞していたら、あっという間に帰りの新幹線の時刻に。香林坊からバスで金沢駅へ戻り、帰京します。
伝統も現代アートも息づく街・金沢には、私の知らない魅力がまだまだありそうです。今回は行けなかった「KAMU SsRg」や「KAMU Black Black」にも行ってみたいし、また訪れようと思います!
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東京駅に到着
掲載情報は2024年10月30日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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