【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.20「やり切れない気持ちを奥底まで昇華させてくれる大阪のロックバンドphalanx」

【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.20「やり切れない気持ちを奥底まで昇華させてくれる大阪のロックバンドphalanx」

こんにちは。神戸在住の音楽キュレーター、遊津場(ゆつば)です。普段は邦ロック系インディーズアーティスト情報をSNS、メディア寄稿、自主イベント開催など、様々な手法で発信する活動をしています。

そして今回、OTOTOYで私のメインの活動地域である関西エリアで活躍する若手アーティストの様々なトピックを発信する機会をいただきました。 これを読めば、関西邦ロックシーンの最前線が分かります。どうぞ、ご贔屓に。

「やり切れない気持ちを奥底まで昇華させてくれる大阪のロックバンドphalanx」

皆さん、この夏はどのようなライヴに行かれましたでしょうか。私は以前こちらでも取り上げた神戸でのサーキットイベント・開国ロックに行ったり、降之鳥が出演した京都のイベント・ナノボロに行ったりしました。共通しているのは、とても若いオルタナティブロックバンドの出演が多く、その音を浴びまくって自分の趣味を再確認しているような気分になっています。その中でまたライヴを見た1組、大阪のオルタナティブロックバンドphalanxを紹介します。

本格的な活動は昨年からの4人組ですが、精力的にライヴを重ねて、若いライヴハウスリスナーの心を着々と掴んでおり、4曲入りCD「閏音」は7月にタワーレコード梅田NU茶屋町店の未流通CDを扱うランキングで鉄風東京やトンボコープを抑えて1位を獲得しています。

【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.20「やり切れない気持ちを奥底まで昇華させてくれる大阪のロックバンドphalanx」

楽曲は衝動的な轟音かつ透き通ったバンドサウンドが軸。目を引く松岡(Gt.Cho)のギタープレイに加え、宮楠(Ba)、寺前(Dr)のリズム隊の演奏も破壊力満点。こういったバンドは轟音一辺倒になりがちですが、クリティカルな音の重なりも持ち合わせているため、冗長的にならず、洗練されて透き通ったものを感じています。濱田(Gt.Vo)の歌声は芯があり、大人をも圧倒するサウンドの中に、等身大の伝えたいことがしっかり刺さってきます。歌詞は「心海深層少女」「チャプター1」といった楽曲のように、考えても果てのない世界や感情へのやり切れない気持ちを抱えながらも、心の奥底に溶け込ませてくれて、次に歩いていく力を与えます。その深みのあるライヴの様子はInstagramやXにアップされている動画でも確認できます。

3月にコンテストライヴにて初めてライヴを見たのですが、その時はとにかく激しいステージングと強い音で他の出演者を圧倒したという印象でした。しかしこの前の開国ロックで見た際は、自然体のままでも、その強いグルーヴが発されていました。もちろんブーストする時はシャウトも交えてブーストして空間を掌握しており、4月から環境が変わった中でも独自のバンドサウンドを進化させているように感じました。ただメンバーのXを見ると、悔しさもあって、まだまだ良くなると決意も新たにしていました。もちろん今後もライヴがありますし、9月29日には初東京ライヴも控えています。まだMVもない関西の新星を今のうちにチェックしておいてください。

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・遊津場SNS
X:https://x.com/sakidori_yutuba?t=R1J43f6okqiZ7g2bqGn7PQ&s=09

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