結成発表から波乱が続いた「新生ラストアイドル」、改名し4名体制で新たなる出発、挑戦の現在

結成発表から波乱が続いた「新生ラストアイドル」、改名し4名体制で新たなる出発、挑戦の現在

人気アイドル「ラストアイドル」の名称を継承したグループとして、昨年始動した「新生ラストアイドル」。しかしメンバーオーディションの告知が行われるや否や、前「ラストアイドル」のファンだけでなくメンバーからも反発を受け、波乱の船出に。それでもデビュー後は着実にファンを増やし活動を続けていたものの、今年6月、メンバー3人が一挙に脱退。逆境に見舞われた中、7月にグループ名を「my fav(マイファブ)」に改名。再スタートし奮闘する彼女たちの現在を紹介します。

★オーディション告知からネットでネガティブな反応が…

AKB48グループや乃木坂46ら坂道グループなどを手掛ける秋元康氏企画のオーディション番組から生まれた「ラストアイドル」。さまざまなユニットが誕生し人気を博しましたが、2022年5月に惜しまれながら活動を終了しました。

そして2023年3月に「ラストアイドル新章」としてオーディションの告知が行われました。プロデュースは、秋元氏の意思を引き継ぎ、AKB48の番組のプロデュースにも関わってきた一ノ宮佑貴氏が手掛けることに。前「ラストアイドル」とは直接の関連性はなく、名称のみを引き継いだ形で、またテレビのオーディション番組と連動するプロジェクトではなく、7人の固定メンバーで活動するグループを想定してのスタートとなりました。

ところが、オーディションの告知が出るや否や、ネット上では前ラストアイドルのファンたちから拒否反応を示すコメントが多数出るとともに、元メンバーからも疑問や反発の声をあげる人が次々と現れ、それに共鳴したファンとともに大きなバッシングが生まれました。改めて「ラストアイドル」という存在が、活動に懸命に取り組んできて“活動終了”を断腸の思いで受け止めたメンバー、そしてファンにとって大切なものだったことを示しました。

波乱の船出の中、オーディションの継続を危ぶむ雰囲気もあったのですが、メンバーが決定し、「新生ラストアイドル」として同年9月に配信シングル『未完成スターライト』でデビュー。楽曲は新生ラストアイドルのオリジナルで、当初の予定通り、前「ラストアイドル」との関連性は持たせず、まったく新たなグループとしてスタートを切りました。12月には東京・お台場で新生ラストアイドルのお披露目ライブが行われ、ここで追加発表されたメンバーと併せ、7人体制で本格スタートしました。

今年に入って1月に初のワンマンライブを開催、以降、毎月定期公演を続けており、また新曲もコンスタントに配信リリース、メンバーのパフォーマンスも着実に成長、次第にファンが増えつつある印象でした。

★メンバー3人一挙脱退 さらにピンチに見舞われる中グループ名変更で再スタート

ところが今年6月、突如メンバー3人の契約を解除を発表。「グループの活動に相応しくない行為が見られたため」とし、それ以上の詳しい理由は明かされなかったものの、ネガティブな印象で去ることになりました。

逆風もある中でスタートしながらも、ようやく活動が軌道に乗ってきたところで、さらに痛手となりました。そして4人体制となって初めてのライブ開催のタイミングで、「新生ラストアイドル」は心機一転グループ名を「my fav(マイファブ)」に改名。6月に開催された定期公演にて、4人のメンバーとともにプロデューサーの一ノ宮氏より正式に発表されました。

my favは、「ファンの方々のお気に入りになれるようなグループになる」「メンバー自身が自分を大事にできるような、自己肯定感を持てるようなグループになる」「他のメンバーに対してリスペクトを持って、個性を尊重できるようなグループになる」といった意味が込められたグループ名になっているとのことです。

“ラストアイドル”の名前を背負ったことによって、スタートから認知度はそれなりにあったものの、一部ネガティブな反響もあり、メンバー自身が自己肯定感を持てなかったこともあったかもしれません。またアイドルファン的にも、メンバーに魅力は感じても、そのネガティブな反響に引っかかってしまう人もいたかもしれません。そういうマイナスの面をクリアできることも期待したいところです。

★伸び代しかない4人の今後に注目

新たにスタートしたmy favは、黒瀬梨花さん(19歳)、園田一花さん(17歳)、西村瑠香さん(22歳)、古松華さん(17歳)の4人で活動。楽曲やパフォーマンスは、ちょっと初期のAKB48を思い出させるような、ノスタルジックさも感じるピュアな恋愛ソング、今の彼女たちと重なるような夢に向かって頑張る姿を描いた青春ソングが目立ちます。

話題性がある中でのスタート、ただ「新生ラストアイドル」として十分にアイドルシーンの中で存在感を示すまでに至ってなかった中での改名。“ラストアイドル”の名称の重圧から解き放たれたものの、ここでいったんまっさらにして、また一から積み上げていくのは、なかなかハードな挑戦になると思います。

メンバーたちも、結成から一連の逆風の中で、つらい思いをしたこともあったと察します。でも、そこはアイドル。ネガティブな面を表で見せることはなく、健気に頑張ってきました。改名発表の際も、これまでに感じたつらい思いを吐露することもありませんでした。筆者は何度か定期公演を観させていただきましたが、スキル的にもまだまだ発展途上ながらも、一生懸命に頑張ってパフォーマンスする姿に好感を持てますし、お客さんに楽しんでもらおうという思いも伝わってきます。

現状、決して大きくはない会場で満杯になっていない状態ではありますが、重たい荷物をおろし、あとは上がっていくのみ。伸び代しかない。高いアイドル性をもった4人ですので、ここからまたステージ経験を積み重ねて、my favとして上に登っていってもらいたいと思います。

この夏にはTOKYO IDOL FESTIVAL、@JAM EXPOといった主要アイドルフェスに初出場、ここでも刺激を受け、経験を糧にして、また一つ成長することに期待したいと思います。

文/田中裕幸

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