日台情報セキュリティ交流セミナー2024 で台湾ベンダー10社がプレゼン、日本SC3 と 台湾 工業技術研究院が産業協力意向書に署名し日台連携強化を加速
事実、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)が2023年に観測したサイバー攻撃関連通信数は、約6,197億パケット。9年前の2014年 約241億パケットと比較し、25.7倍、2022年と比較しても1.2倍に―――。
年々増加する日本国内へのサイバー攻撃に対し「いまや日本国民誰しもがサイバー攻撃の標的になっている。サイバーセキュリティ対策・人材の育成と確保が喫緊の課題だ」と提唱し、東京で6月24日に開催されたのが、「日台情報セキュリティ交流セミナー2024 -Taiwan Security Solution Day in Tokyo -」。
主催は、台湾情報セキュリティ協会、工業技術研究院。ITコンサルティングなどを手がける古舘商事(横浜市)が間に入り、台湾デジタル発展部 デジタル産業署の後援、台湾国家科学技術委員会(TACC)、台湾サイバーセキュリティ同盟(TWCSA)、台湾情報セキュリティ産業開発協会 (TW-CSIDA)、台湾E化情報安全分析管理協会の協力を得て開催。
台湾情報セキュリティ協会(TWISA)は、100を超える台湾の情報セキュリティ企業を会員として有し、国際情報セキュリティ市場の拡大を支援。2022年以来、2年連続で日本の CEATEC 国際情報セキュリティ展に参加。2023年6月に東京で「Taiwan Security Solution Day in Tokyo 〜日台情報セキュリティ交流セミナー2023」を初開催した。
NICT 中尾康二 主任研究員らが講演
「日台情報セキュリティ交流セミナー2024 -Taiwan Security Solution Day in Tokyo -」(6/24 @東京・大手町)では、冒頭に情報通信研究機構(NICT)中尾康二 主管研究員が登壇。「日本で観測されるサイバー脅威と日本におけるサイバーセキュリティ対策の動向」と題した基調講演でスタート。
続いて、国立台湾科技大学 鄧惟中 教授が、「TACCプロジェクト:台湾におけるアカデミック サイバーセキュリティ研究の戦略的枠組み」について語った。
台湾セキュリティベンダー10社がプレゼン
また、台湾からグローバル展開をめざす台湾セキュリティベンダー10社がプレゼンし、日本国内セキュリティ担当者をはじめとした来場者たちが注目した。
◆全景ソフトウェア「サプライチェーンにおけるデジタル信頼の構築:セキュリティコンプライアンスとEU CRA規制遵守」
◆N-Partner「ビッグデータ分析テクノロジーを使用して、 ITシステムの保守.運用管理の簡素化を実現」
◆CHTセキュリティ「企業向けセキュリティの現状と支援策」
◆KeyXentic Inc.「ID/Passwordからの脱却」
◆UPAS Information Security Corp.「UPASネットワークセキュリティソリューション 単一プラットフォーム上に多角的なセキュリティ配置 ゼロトラストセキュリティネットワークの構築」
◆ルクセテ「多様化された自動化演習により、セキュリティ投資の成果と保護の弾力性を容易に評価します」
◆Authme Co., Ltd「デジタルアイデンティティを守る:AIによる革新的な本人認証及びアンチフロード戦略」
◆Lydsec Digital Technology Japan「ゼロトラスト構築の為の多要素認証ソリューション (MFA for build-up Zero Trust)」
◆Sharetech Information「IoT新時代に向けて スマート製造のネットワークセキュリティを強化する」
◆Janus「Janus-ゼロトラストエコシステムの役割」
日台セキュリティ産業協力意向書に署名
また、今回の日台情報セキュリティ交流セミナー2024 では、日本側のサプライチェーン・サイバーセキュリティー・コンソーシアム(SC3)梶浦敏範 運営委員会議長(日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会 代表理事 兼 上席研究員)と、台湾側の工業技術研究院(ITRI) インフォメーションコミュニケーションチーム チーム長 Division Director アレス・チョ 博士が、「日台セキュリティ産業協力意向書」に署名。
2023年1月から産業セキュリティについて、クロスボーダーワーキンググループの形成を促進してきた両者が、製品安全やセキュリティ評価方法など、双方向の産業セキュリティ発展について影響を与える議題を対象に、さらに日台間で協力し合っていくという。
古舘商事 古館侑樹 代表は、「日本は1万人未満の企業において91.8%、1万人以上の企業において90.9%がセキュリティ人材の不足に直面している」と伝え、今後もこうしたイベントを取り持つ役を担っていくという。
「これまで以上に、国際機関や他国とのサイバーセキュリティにおける連携や協力関係を強化し、共同でサイバーセキュリティの脅威に対処す
る必要がある。
今回の日台情報セキュリティ交流セミナーが、日本と台湾におけるサイバーセキュリティの啓発と連携強化に向けた“商機” “交流拠点”となった。今後も定期的に開催し、さらにサイバーセキュリティ啓発・連携強化を促進していきたい」
古舘商事 古館侑樹 代表 と 台湾情報セキュリティ協会(TWISA)洪伯岳 秘書長
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