カンロ、2024年度過去最高売上高を達成 グミ工場増築と米国参入で更なる成長目指す
カンロ飴やピュレグミなどでおなじみのカンロ株式会社は、2025年2月7日に「2024年12月期決算・中期経営計画2030発表会」を実施した。2024年度の決算概要と2025年の業績予想、さらに新たに策定したビジョン「Kanro Vision2.0」の実現に向けた長期的な成長戦略「中期経営計画2030」について発表した。
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はじめに、カンロ株式会社 取締役常務執行役員CFO 阿部一博氏より、2024年度の決算概要を発表した。
カンロは国内キャンディ市場シェアナンバーワン
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キャンディ市場の動向は、小売販売金額は全カテゴリーで拡大し、グミ市場規模は1千億円超えと好調。飴(ハードキャンディ)はコロナ過以降、セルフケアによるのど飴需要が高まり前年比11.1%の増加。市場を牽引し続けているグミは、高い成長を維持し前年比17.1%の拡大となっている。そのような市場の中、カンロの市場シェアは、飴(ハードキャンディ)は19.4%で前年比1.4ポイント減少したものの、グミは前年比から0.2ポイント上昇のシェア15.9%。キャンディ市場全体のメーカーシェアは12.1%で、国内キャンディ市場で5年連続シェアナンバーワンとなっている。
カンロの2024年の事業状況としては、原材料価格の高騰を受け、2月以降主力商品の価格改定等を実施。また、4月に同社直営・常設店の2店舗目として「ヒトツブカンロ原宿店」をオープン。9月には2拠点ある工場のうち、長野県・松本工場のグミ棟拡張を完了し、グミの生産能力を拡大させている。
2024年度は売上高・利益ともに過去最高を達成
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カンロの2024年度の売上高は約317億7800万円で、前年比9.5%増加。営業利益は42億8400万円で前年比26.4%と、ともに過去最高を更新した。その要因として、グミ(ピュレグミプレミアム等)や飴(のど飴・じゅるる等)の予想数値を上回る売上高の伸長をあげる。将来に向けた施策経費よりも増収が上回った。前年との比較では、生産体制整備によりのど飴需要の増加に対応したことや、「金のミルク」等の価格改定により飴は前年比5.1%増収。グミは、主力ブランドである「ピュレグミ」や「カンデミーナグミ」が堅調に推移し、前年比14.5%の増収となっている。尚、マシュマロのような新食感グミ「マロッシュ」は前年比減収となったが、主力商品の3番目となるべくWebCMとのプロモーションを実施。また、好評を博している「グミッツェル」は、直営店舗での整理券販売を継続している状況だ。
2025年度の業績予測
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業績予想数値として、売上高は約18億円増収の336億円、営業利益は43億2000万、経常利益43億4000万円、当期純利益は前年同額の32億6000万円と予想。売上高は過去最高を更新し、利益項目についても過去最高益である昨年度を上回る、また同水準となる見込みだ。松本工場のグミ棟拡張の通年稼働と人員増強による生産体制の整備、既存ブランドの売上を最大化させる戦略を取り、過去最高売上高の更新が予想された。
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次に、カンロ株式会社 代表取締役社長CEO 村田哲也氏が登壇し、「中期経営計画2030」と2025年の経営方針を発表した。
新たなビジョン「Kanro Vision2.0」を策定
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まず、「中期経営計画2024」の対象期間(2022年12月期~2024年12月期まで)は、グミを成長エンジンに過去最高売上を更新し、財務指標は目標を大きく上回ったと振り返った。一方で、グミ市場の拡大が続く中、国内シェア拡大に向けた生産能力の増強と、更なる成長に向けた事業戦略の推進・人材戦略の遂行が課題だとした。
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これら同社の現状と課題、事業環境の変化を受けて新たに策定したビジョンが「Kanro Vision2.0」。「Kanro Vision2.0」は、企業パーパス「Sweeten the Future心がひとつぶ、大きくなる」の下、「Sweetな瞬間を創り続けることで人々と社会に笑顔を。」を新たなビジョンとし、その実現に向けた4つのバリュー「Sweetな瞬間を創造する」「事業基盤を変革する」「未来へ紡ぐ」「創発的な組織の更なる進化」が示されている。
「中期経営計画2030」
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2025年12月期~2030年12月期までの6年を対象とする「中期経営計画2030」は、「Kanro Vision2.0」の4つのバリューに沿って事業戦略を進行。事業戦略骨子は、①国内グミ事業で更なる成長を実現、②商品開発強化と機能性付加による高価値化で国内飴・グミ事業を拡充、③グローバル事業の拡大、④マルチチャネル・D to C化の促進の4つ。中でも成長ドライバーとなるのが、新たなグミ工場の増築と、米国への本格参入だ。
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長野県東筑摩郡朝日村にある朝日工場を増築し、新たなグミの製造ラインを新設する。これまでの2ラインから3ライン体制にすることで、生産能力を約5割増強させるという。生産開始時期は2027年7月予定。また、グローバル事業の拡大として、大きなグミ市場規模を有する米国に本格参入し、「ピュレグミ」の輸出により売り上げ拡大を目指す。他にもブランド基軸の差別化戦略の強化やデジタル事業の促進により、国内における周辺市場の取り込みを行っていく。2030年の目標は売上高500億円以上、営業利益率は13%以上とのこと。
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2025年の取り組みとして、すでに2025年1月に米国向けのサイト公開や展示会出展を実施し、アプローチを開始。今後は米国輸出に向けた原料対応や現地法人の設立、展示会への出展を予定している。
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また、「カンロひとつぶ研究所」プロジェクトを始動し、顧客との接点を増やすことでCX向上を目指す。具体的な内容は、パーパスビジュアルの刷新やコミュニティサイトのオープン、東急プラザ原宿「ハラカド」にあるKanroPOCKeTラボのリニューアル、ポッドキャスト配信を予定している。
グミ人気の高まりに並走した様々な企業戦略により、過去最高の売上高と利益をともに達成したカンロ。工場を増築し、需要の増加に対応できるよう生産体制が強化され、今後さらなる売上増が期待できる。今後も成長を続けるカンロに注目だ。
■カンロ株式会社
URL:https://www.kanro.co.jp
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