【ライヴレポート】「今の日向坂46にもう迷いはありません」──日向坂46「5回目のひな誕祭」
2024年4月6日、7日の2日間に渡り、
この「5回目のひな誕祭」は、日向坂46の結成5周年をお祝いする、特別な周年ライヴ。メンバーもファンも日向坂46の5歳の誕生日を祝うべく、開演前から気合い十分の様子だった。定刻を迎え、ライヴのスタートを告げる“Overture”のあとは、大きな風船を持ったメンバーが、メインステージや花道、スタンド席内に用意されたサブステージに出現。セットリストの1曲目は“HEY!OHISAMA!”。クレーンの乗ったメンバーも上昇するステージにいるメンバーの姿も見られ、序盤から一気に会場を駆け回り、元気な日向坂46の姿を印象つけた。メンバーはメインステージへ移動し、日向坂46屈指のぶち上げチューン“キツネ”をパフォーマンス。間奏では、ブロックごとに分かれたダンスパートも見られ、ライヴならではの演出で盛り上げた。そして、次に披露されたのは、けやき坂46時代から大事に歌い継いできた名曲“ハッピーオーラ”。いつもはライヴ終盤に披露されることが多いだけに、会場からは驚きの声が漏れていた。
ここで挨拶を挟み、キャプテン佐々木久美が「伝説のライヴにするんだ!」と叫び、ライヴはここからさらにヒートアップ。佐々木美玲のソロ・ダンスから“アザトカワイイ”、そして上村ひなのの中華風のソロ・ダンスから“Am I ready”を続け様に披露。曲中には、会場である横浜スタジアムを本拠地とする球団、横浜DeNAベイスターズの公式マスコットであるDB.スターマンとDB.キララも登場。曲終わりには、横浜ベイスターズからのメッセージも届き、会場を大いに盛り上げた。
続いてのセクションは期別曲を披露。まずは4期生がスタンド席近くのステージに2手に分かれて、“シーラカンス”をパフォーマンス。4期生のフレッシュな空気に負けじとスタジャンに身を包んだ3期生がフロートに乗り込んで登場。“青春ポップコーン”で弾ける魅力を爆発させた。後輩たちの熱気に呼応するように、1期生は“愛はこっちのものだ”でオトナな色気を振りまく。そして、驚きの声が上がったのは、次の曲。2期生は、けやき坂46時代の楽曲“未熟な怒り”をパフォーマンスしたのである。会場は、けやき坂のチームカラーでもある黄緑のサイリウムに彩られ、過去を背負い未来へと繋げていく意志がその姿からは感じられた。
3期生による個性豊かなMCでのトークパートを挟んで、“声の足跡”、“思いがけないダブルレインボー”では、フロートに乗り込み観客席のすぐそばを回遊しながら、声を届けた。そして続いてのMCのブロックでは、ライヴ前に流れるSE“Overture”のコーラス部分を、今日来ているおひさまの声で録音するという試みも見られた。ちなみに、今日録音した声は、これから1年間ライヴの“Overture”として正式に使っていくとのこと。これらの演出は、おひさまと共にこれからも進んでいく思いがあってのことだろう。それに応えるように、広い横浜スタジアムにはおひさまの大きな大きな声がこだました。
ライヴはさらにヒートアップ。小坂菜緒のソロ・ダンスから“僕なんか”、そして佐々木久美センターの“君は0から1になれ”を2曲連続で披露。その気迫溢れるパフォーマンスに、多くのおひさまが心を掴まれていた。4期生の平岡海月と山下葉留花がアナウンス室からお届けするほのぼのとしたMCを挟み、続いてはユニット曲リクエストのコーナーへ。
1曲目は、佐々木美玲と濱岸ひよりによる“三輪車に乗りたい”。この曲はけやき坂46時代に佐々木美玲と、卒業した柿崎芽実のふたり歌っていた楽曲だが、柿崎のパートを濱岸が引き継ぎ、やさしさを感じさせる歌声で会場中を包み込んだ。続いて披露されたのは、加藤史帆、上村ひなの、小西夏菜実による“やさしさが邪魔をする”。こちらは卒業した渡邉美穂のパートを4期生に小西が担当。楽曲に新たな彩りを加えていた。こういった楽曲の継承が行われていくのも、日向坂46という歴史を重ねてきたグループが見せる醍醐味だろう。
ユニット楽曲コーナーはさらに、金村美玖と小坂菜緒のなおみくコンビによる“See Through”がクールに魅せ、富田鈴花と松田好花のギター・デュオの“花ちゃんズが“飛行機雲ができる理由”をアコースティック・アレンジで披露。黄色のサイリウムの光に包まれ、温かな旋律が聴く者の心を打った。
ここからは後半戦。続いて披露されたのは、先日卒業した齊藤京子がセンターを務めていた楽曲“月と星が踊るMidnight”を、小西夏菜実をセンターに据え、4期生が引き継ぎパフォーマンス。卒業コンサートで多くの人を感動させたこの楽曲が、さらに進化した瞬間を見た気がした。
ライヴはそこからノンストップで進行。セカンド・シングル“ドレミソラシド”、“恋は逃げ足が早い”を立て続けに披露すると、今度は4期生が登場し“見たことない魔物”でフレッシュな笑顔を見せていく。おひさまもそこからギアが一段あがり、次の“好きということは…”では会場全員でタオルを振り回す。さらに、天才・森本茉莉の「全員で行くぞー!」という掛け声からスタートした“NO WAR in the future 2020(Remix ver.)”では、この日いちばんの大きな歓声が会場中に轟いていた。
本編最後は、最新シングル“君はハニーデュー”を披露。客席はセンターを務める4期生、正源司陽子のサイリウムカラーであるオレンジとレッドの2色に輝く中、日向坂46の持ち味である、エネルギッシュでハッピーな空気が会場を包んだ。
大きな大きなアンコールの声に導かれ、メンバーが再び登場。そこで大きな発表がある旨を伝えると、スクリーンには「すべてはここからはじまった」の文字。さらに「日向坂で会いましょう」の名シーン(高本彩花の「空が上にあって」、丹生明里の「タルタルチキン」、富田鈴花とチンパンジーとのバトル)が流れ、宮崎での「ひなたフェス」の開催が発表された。これまでの軌跡が身を結んだ結果となり、夢が叶った瞬間だった。
アンコールでは、日向坂46にとって大切な楽曲、“誰よりも高く跳べ!2020”、“JOYFUL LOVE”をパフォーマンス。客席が虹色に彩られるなか、曲の最後には、4期生の正源司陽子、3期生の髙橋未来虹、2期生の小坂菜緒、1期生の佐々木久美が、いまの思いそして、これからの日向坂46について赤裸々に語る。
最後にマイクを握った佐々木久美は、「日向坂46はたくさんの夢を持っています。個人の夢だったり、グループの夢だったり。自分たちには大きすぎる夢も持っています。夢を持つことはときには無理だって言われたり笑われたり、そんなときもあるかもしれません。でも私たちは自分たちのことを信じています。そしておひさまのみなさんも、私たちのことを信じてくれてるんだなって、いつも感じています。だから、夢を見続けられます。今の日向坂46にもう迷いはありません。みんなで、手を繋いで、横一列になって、これからもずっと、歩き続けていきます。そして、おひさまのみなさんと一緒に、大きな夢をたくさんたくさん、叶えていきたいです。そんな未来が、絶対に待っていると信じて、日向坂46は歩き続けていきます」とスピーチ。その言葉には、まだまだ前へと進んでいくという力強い意志が確かに感じられた。
ダブルアンコールでは、彼女たちの「もう一度、東京ドームに立つ」という夢を歌った楽曲”約束の卵”を全力でパフォーマンス。笑顔を振り撒くその姿には、これから泥臭く努力をして「イマニミテイロ」と這い上がるための、大きな決意が感じられた。これから6年目を迎え、一歩ずつのあゆみを大切に進み始めた日向坂46。まだまだ彼女たちの心は燃えている。
取材&文:西田健
写真:上山陽介
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日向坂46「5回目のひな誕祭」DAY2セットリスト
M1HEY!OHISAMA!
M2キツネ
M3ハッピーオーラ
M4アザトカワイイ
M5Am I ready?
M6シーラカンス
M7青春ポップコーン
M8愛はこっちのものだ
M9未熟な怒り
M10声の足跡
M11思いがけないダブルレインボー
M12僕なんか
M13君は0から1になれ
M14三輪車に乗りたい
M15やさしさが邪魔をする
M16See Through
M17飛行機雲ができる理由
M18月と星が踊るMidnight
M19ドレミソラシド
M20恋は逃げ足が早い
M21見たことない魔物
M22好きということは・・・
M23NO WAR in the future 2020
M24君はハニーデュー
EN1誰よりも高く跳べ!2020
EN2JOYFUL LOVE
WEN 約束の卵2020

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