2023年OTOTOYで聴かれたアーティスト、1位は──OTOTOY年間アーティスト・チャート

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2023年OTOTOYで聴かれたアーティスト、1位は──OTOTOY年間アーティスト・チャート

いよいよ2023年も残り数日となった。2023年、OTOTOY利用者の間で多く聴かれていたのはどんなアーティストだろう。

かつては音楽配信サービスのなかでも大いに癖のあるサイトだと言われていたOTOTOY。しかしこの数年でメジャー・レーベルのタイトルも概ね取り扱いを開始し、品揃えの面では徐々に「普通の」配信サービスに近づいてきた。一方でOTOTOYは、ダウンロード形式で楽曲を販売するサービスであり (サブスクリプションではない)、ロスレス/ハイレゾでの配信を基本としている。ダウンロード販売とロスレス/ハイレゾという2つの要素。さらにOTOTOYのもうひとつの顔である、アーティスト・インタビュー作品レヴュー音楽ニュースなどを掲載する音楽メディアとしての側面。これらはチャートにどのような影響をおよぼしているのだろうか?

あらためてOTOTOYの年間チャートをふりかえってみたところ、やはり一癖も二癖もある結果となった。以下、チャート・インしたアーティストをいくつかピックアップするとともに、2023年のOTOTOY年間アーティスト・チャートを紹介する。

(この記事における年間チャートとは2022年12月28日から2023年12月27日までの売上を集計したものです。)

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OTOTOY年間アーティスト・チャート1位の座を制したのは、アーティスト集団、Sound Horizonだ。サウンド・クリエイター、Revoが主宰するSound Horizonは、選択式音楽ストーリー『絵馬に願ひを! 』のプロローグ・エディションを2021年1月に、フル・エディションを2023年6月にそれぞれBlu-rayディスクでリリース。そして2023年9月に同作のダウンロード配信をスタートさせるやいなや、瞬く間にヒットを記録した。「リスナーが物語を “選択” できる仕掛け」が搭載されたBlu-rayディスクに基づき、ダウンロード配信では異なるストーリー16種の配信を展開。リリース後の約1ヶ月はOTOTOY内のアルバム・チャートが『絵馬に願ひを!』一色になっていたことも記憶に新しい。

2位には〈ホロライブプロダクション〉所属のアイドルVTuber、星街すいせいがチャート・イン。今年1月にリリースされたセカンド・アルバム『Specter』はリリース後、OTOTOY週間アルバム・チャートにおいて3週間に渡って上位3位内をキープした。また、星街すいせいと年間アーティスト・チャート16位に位置するサウンド・プロデューサーTAKU INOUEによる音楽プロジェクトMidnight Grand Orchestraが17位を獲得している。

3位は、今年の1曲に挙げる人も多いであろう「アイドル」(TVアニメ『【推しの子】』のオープニング曲) をリリースしたYOASOBI。ストリーミング数、動画再生数、ダウンロード数と多数の記録を打ち立てた「アイドル」は、OTOTOY年間シングル・チャートにおいても堂々の1位を獲得した。また昨年リリースされた「祝福」がOTOTOY年間シングル・チャートの2位に、今年10月にリリースさた『THE BOOK 3』がOTOTOY年間アルバム・チャートの5位となっている。

4位にはTVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中バンド、結束バンドがチャート・イン。後藤ひとり、伊地知虹夏、山田リョウ、喜多郁代からなるバンド・ユニットで、各キャラクターの声はそれぞれ青山吉能、鈴代紗弓、水野朔、長谷川育美が演じた。ファースト・アルバムの『結束バンド』には、樋口愛、音羽-otoha-、中嶋イッキュウ (tricot / ジェニーハイ)、谷口鮪 (KANA-BOON)、草野華余子、北澤ゆうほ (Q.I.S. / the peggies)、ZAQらが楽曲を提供。2022年12月に先行配信が開始され以降、1年を通して常に上位圏ランクインをキープし続け、OTOTOY年間アルバム・チャートも堂々の1位を獲得した。

ダウンロード配信をするOTOTOYの特性とマッチしたバンドもチャート・インしている。たとえば6位にいるTHE COLLECTORS。彼らはサブスクリプション・サービス優位な昨今の音楽の聴かれかたに警鐘を鳴らし、音楽に対価を払うこと、すなわち “音楽を買う” というシステムを取り戻すことを提唱している。2023年のTHE COLLECTORSは〈日曜日が待ち遠しい!SUNDAY ON MY MIND〉という、12ヶ月連続のマンスリー・ライヴ企画を打ちたて、見事に遂行。各公演後にはZAIKOにて映像配信したのち、すべての公演をライヴ・アルバムとしてダウンロード販売している。各ライヴ・アルバムはリリースされるたびにOTOTOY週間アルバム・チャート上位にランクイン。初回の1月公演のライヴ・アルバムはOTOTOY年間アルバム・チャートにおいて46位を記録し、100位以内に3枚のアルバムをチャート・インさせている。
関連インタヴュー :
聴きたいなら買う。そんなことが失われていく現代へ──THE COLLECTORS、ライヴ・アルバム連続リリースの真意とは (2023年5月10日公開)

7位には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ゾンビ・デ・ダンス」テーマソング「唱」や、TVアニメ「『SPY×FAMILY』Season 2」のオープニング主題歌「クラクラ」など、数々のタイアップ曲をリリースするたびにヒットを飛ばしたAdoがチャート・イン。今月12月にリリースしたばかりの『Adoの歌ってみたアルバム』もすでに2023年の年間アルバム・チャートにおいて20位を獲得している。

8位は今年3月に訃報が伝えられた坂本龍一。訃報を機に過去作を聴きなおしたリスナーも少なくないはずだ。病床にありながらも制作の手を止めることなく、今年1月には日記を書くように制作したオリジナル・アルバム『12』をリリースし、5月には生前携わった是枝裕和監督映画『怪物』のサウンドトラックが発表された。『12』はOTOTOY年間アルバム・チャートにおいて27位を記録している。

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YOASOBI、Adoなど幅広く聴かれたアーティストが上位にチャート・インするとともに、結束バンドを筆頭に近年の大きな流れでもあるアニメと音楽の結びつきの強さが垣間見えたOTOTOY年間アーティスト・チャート。VTuberやゲーム音楽の存在の大きさも印象的だ。そんななかロスレス/ハイレゾ・ベースのダウンロード配信サービスであることが大きく影響したのが、Sound HorizonとTHE COLLECTORSの上位チャート・インだと言える。とても興味深い年間アーティスト・チャートとなったのではないだろうか。

今年1年、音楽を愛する多くの皆さまからOTOTOYへのご愛顧をいただき、心より感謝申し上げます。

OTOTOY年間アーティスト・チャート

1. Sound Horizon
2. 星街すいせい
3. YOASOBI
4. 結束バンド
5. 電音部
6. THE COLLECTORS
7. Ado
8. 坂本龍一
9. 祖堅 正慶
10. 植松 伸夫
11. ヨルシカ
12. Aimer
13. HACHI
14. Falcom Sound Team jdk
15. ずっと真夜中でいいのに。
16. TAKU INOUE
17. Midnight Grand Orchestra
18. 宇多田ヒカル
19. 花譜
20. Mori Calliope

21位以降はこちらからご覧ください。
2023年OTOTOY年間アーティスト・チャート

アルバムとシングル/EPのチャートはこちらからご覧ください。
2023年OTOTOY年間アルバム・チャート
2023年OTOTOY年間シングル/EP・チャート

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