【日本酒★新発見】外国人の友人もびっくり!つくだ煮を使った洋風料理と日本酒のペアリングコース!進化する老舗つくだ煮店「新橋玉木屋」

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同伴したお客さんはアメリカ人とイギリス人。つくだ煮をじっくり味わうの
は今回が初めて

外国人にも人気の話題のつくだ煮専門店があると聞いて東京・新橋にやってきました。新橋駅から徒歩6分の場所にある「新橋玉木屋」。1782年から続く老舗つくだ煮店の内に入ると、物販ブースの脇に3席だけのイートインスペースもあります。

平日はこの3席で、外国人向けのおにぎりワークショップか、つくだ煮を使った料理のペアリングコースを提供しています。両方とも英語での外国人接客が可能。ペアリングコースはおにぎりワークショップの予約がない日に利用できます(要事前予約)

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新橋玉木屋の店。食事の前後にお買い物も楽しめる
同伴の外国人2名はアメリカ人とイギリス人。二人とも日本在住歴はそれなりに長いですが、つくだ煮の定義があいまい。私たちが席に付くと、さっそくお店のスタッフさんが英語で「つくだ煮とは、醤油などで野菜や小魚などを煮込んだもので、保存が効くものです…」と丁寧に説明してくれました。

日本人の私も初めて知りましたが、江戸時代の参勤交代で、江戸から地方への手土産として人気を博したのが新橋玉木屋のつくだ煮なのだとか。

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料理に使われているつくだ煮8種がまず運ばれてくる
お料理をいただく前に、お料理に使われているつくだ煮、全8種がまず運ばれてきます。つくだ煮の本来のおいしさを確認してから、それがどんなふうに料理でアレンジされているのかをよく理解できる仕組み。

全8品からなるペアリングコースは税込6,980円(サービス料込み)。日本酒の他にワインでもペアリングが可能です。今回は全員が日本酒をセレクトしました。

“あみのつくだ煮+バター”のおつまみがついに商品化!10月末に発売

最初に提供された前菜3品は、えびつくだ煮とナッツのキャラメリゼ、あみバター、味道楽とカマンベール 杏子ジャム添え。つくだ煮=和食のイメージでいましたが、意外にも洋風メニューなので驚き。食ジャーナリストのマッキー牧元さんが監修し、料理研究家のうすいはなこさんがレシピ開発された料理なのだとか。

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アペタイザー3品と日本酒からスタート。左端があみバター
これに合わせる日本酒は関西を代表する有名ブランド、菊正宗のきもと造りの日本酒。「きもと造りとは、日本の伝統的な手間ひまかけた製法のことで、自然界の乳酸菌の働きに任せて、時間をかけて作られた日本酒のことです。旨味が強いことと、チーズのような乳酸の香り・味がするのが特徴です」とスタッフさん。外国人の友人たちも興味津々でお酒を味わいます。

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評判が良く、ついに10月30日に商品化された「あみバター」
前菜で特に注目なのは”あみ”のつくだ煮にバターやレモン汁、香草などを加えて作った「あみバター」というおつまみ。なんとも言えない香ばしいコクで、お酒も一緒に口の中で広がると、もうとまらないおいしさ。

このクセになるおいしさが口コミで話題になり、2023年10月30日にはついに商品化されました。価格は税込3,240円(1個160g 要冷蔵 賞味期限1週間)。お店の物販コーナーの他に、「新橋玉木屋」のオンラインショップでも販売されています。

外国人客がびっくり!目の付いたニシンの頭を丸ごと食べる? 

4品目は姫ニシンのつくだ煮をザワークラフトやサワークリームとともに味わいます。外国人の友人たちは提供された途端、目の付いた魚の頭を丸ごと食べるということにとても驚き、目を大きく見開きました。小魚でさえ、目が付いているとちょっと抵抗があるのだそう。

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ニシンの北欧風つくだ煮。菊正宗の日本酒と
最初は恐る恐るでしたが、私が平然と食べている光景を見て、彼らもいざ!トライ。魚の頭とはいえ、つくだ煮なので意外にやわらかく、旨みが濃厚なので日本酒によく合います。斬新な食体験に二人とも興奮した様子でした。

ニシンのつくだ煮と日本酒だけでも最高に美味しいのですが、ザワークラフトの酸味や、リンゴのフレッシュ感、サワークリームのまろやかさが加わると、味わいに深みが増し、よりお酒が進みます。

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秋刀魚ゲランド塩とオレンジのコンフィ
次はミネラル豊富なゲランドの塩が、今が旬の秋刀魚の旨味を引き出しているつくだ煮。オレンジのコンフィと、菊正宗の日本酒が旨みに深みを与えています。

後半は秋田県の高清水という甘酸っぱい日本酒も提供され、こちらとも合わせてみました。日本酒が加わることで、1+1が2ではなく10くらいの美味しさに膨らむのが感動的。「グラスワインで美味しい日本酒アワード2022」を受賞した注目のお酒なのだそう。

日本酒のデザート酒とにごり酒。新しいペアリングが続々と!

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ヘルシーな「木耳レモンと鶏肉のシュウマイ レモン醤油を添えて」
次のつくだ煮はキクラゲをレモンで爽やかに煮込んだもの。これに鶏肉を加えた自家製シューマイをタレに付けていただきます。高清水のお酒は金色のスタイリッシュなラベルで日本酒らしくない見た目ですが、味も白ワインのように甘酸っぱく、ちょっと珍しい新感覚の日本酒。酸味も効いているのでシューマイのお酢のような役目も果たします。

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「牛肉しょうが煮のタイ風レッドカレー」にはにごり酒
お食事にはレッドカレーが出てきてみんなで驚きました。まさか牛肉のつくだ煮がカレーになるとは。しかもそのスパイシーさをやさしく包み込むような、シルキーでやさしい味のにごり酒と合わせるとは。外国人客たちは、こんな白い日本酒もあるの?と興味津々です。

岐阜県の三輪酒造といえばにごり酒の「白川郷」が有名ですが、その姉妹版の「白川にごり マイルド」をペアリング。「通常、できあがった日本酒はタンクから瓶詰めする際に、フィルターで濾過(ろか)されるのですが、そのフィルターの目が粗いと、こういうにごった酒ができあがるのです」とスタッフさんが製造工程を英語で説明してくれました。

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「ベトナムの伝統デザート、豆とバナナの温かいチェー」
最後はお店の看板メニューの煮豆、とら豆を使った、甘さ控えめのスイーツ。こちらにもにごり酒がよく合い、ほっこりとした気分で食事を終えました。外国人にはお豆はサラダなど食事の素材というイメージが強いようで、スイーツにお豆が使われていることに少し驚いた様子でした。甘いあんこにも少し違和感があるのだとか。

コースを振り返ってみると、洋風あみバターやキャラメリゼの前菜から始まり、北欧風の姫ニシンの料理、フレンチのような秋刀魚のコンフィ、中華風のキクラゲシューマイ、最後はレッドカレーやベトナムスイーツといったエスニック。まるでつくだ煮とともに世界一周したかのような不思議な感覚。つくだ煮が国境を超えて、こんなふうに生まれ変わるとは!既成概念がガラリと変わりました。

最後にコース料理のレシピまでもらえるので、気になったつくだ煮をいくつか購入して帰りました。気に入ったら自宅で再現できるのもいいですね。またご希望のお客さんは、店のハッピ姿で記念撮影もできるそう。100年以上は経つ年季の入った木の看板がカウンター内に設置されているので、日本の伝統文化が感じられるショットも撮影できます。

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希望者は新橋玉木屋のハッピを着て記念撮影もできる 画像提供:新橋玉木屋
つくだ煮の新しい魅力を外国人の方と一緒に深掘りする食体験は、日本人にとっても新しく、とても勉強になりました。これからますます増える訪日外国人や、外国人のビジネスパートナーなどと出かけてみてはいかがでしょうか?英語と日本語の両方で接客してくれますよ。

※12月からは同じコース料理の中で少しだけ季節の食材に変更になるようです。

≪筆者プロフィール≫
▪滝口智子

滝口差し替え画像

国際きき酒師&サケエキスパート
飲食ライター歴20年の食いしん坊バンザイ!記者&PRプランナー。
日本酒やワインなどもこよなく愛す。
テレビ番組などにも出演中。

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