意識高い系マウントから解放される中国発コーヒーチェーン(辛酸なめ子)

中国のコーヒーチェーンの勢いはすごいです。昨年10月に中国で一店舗目をオープンしてから、今年8月末に世界で5000店舗を達成したというCOTTI COFFEE。5月末には3000店舗になっていたので、そこから3か月で2000店も増えています。1000単位で驚異的なスピードですが、3158店舗目とか間も全部認識しているのでしょうか……。

COTTI COFFEEはスタバ超えを狙っているそうで、先日ついに日本へ進出。池袋西口に直営店がオーブンし、話題になっています。

中国語表記だと「庫迪珈琲」、COTTI COFFEE(コッティ コーヒー)はガチ中華で賑わう池袋西口にオープンしました。フランチャイズ店は本郷三丁目にあるそうで、池袋西口に集まる中国人と、影響力ありそうな東大生をターゲットにしているのでしょうか。

お店の周りにはZ世代っぽい若者が集まっていて、30分待ちの貼り紙が。ネットでは店員の接客態度について文句が書かれているのを見かけましたが、見た感じ忙しすぎて愛想良く接客している場合ではなさそうです。とにかく注文をさばこうと一生懸命なことは伝わってきました。

メニュー表記はなぜか二重に値段が描かれています。「アメリカーノ 450円」と書かれた下に100円、「ココナッツラテ 570円」の下に300円、「スターダストオーツミルクラテ 630円」の下に300円、「抹茶とジャスミンのスムージー 630円」が300円、など。いきなり値引きされている表示でテンションが高まります。アメリカーノ100円はコンビニ並みです。

さらに行った時は新店舗オープン記念で、300円表記のドリンクが全て180円に。もとは600円台のドリンクだとしたらかなりの割引です。これも行列ができる一因でしょう。割引がなくなったあとが勝負です。

メニュー写真を見るとブルーで映えるドリンクもあります。「パンパブルー」という言葉が名前に入っていますが、ブルーのお茶「バタフライピー 」みたいなものでしょうか。また「スターダスト」というのはタピオカをおしゃれに表現しているようです。

せっかくなのでパンパブルーのココナッツラテを180円で購入(元の価格は570円)。30分待ちですが、とくにネットで番号を通知してくれるサービスなどはないようで、周辺で時間をつぶしました。ガチ中華のスーパーやテイクアウトにお客が流れて、同じ中華系の商売にも恩恵が。

時間が近づいたのでCOTTI COFFEEに戻り、ドリンクを受け取って2階へ。約20席のカウンターとテーブルが並んでいて、時間によっては満席になりました。COTTI COFFEEがスポンサーをしているサッカーアルゼンチン代表の写真が貼られていました。景気の良さが伝わってきます。

内装は、窓際に飾られている造花やおしゃれすぎない椅子やテーブルなどにエモさが漂い、適度なチープ感でリラックスできます。リラックスしすぎて中華料理店でテイクアウトした小龍包を持ち込んで食べている女性もいました。階段の「足元注意!」のピクトグラム入りプレートなど中国っぽいです。電源もありました。

ドリンクの味は、ちょっと薄めで粉っぽさもあり……でも180円なら安いです。今のところフード関係がないのが物足りないですが、ストイックにドリンクに集中するお店のようです。

何よりこの空間が心地良いのは、意識高い系の客がほとんどいないことです。池袋をブラブラして立ち寄った若いお客さんや中国の人がほとんどで、MacBookを広げて仕事している人などは見当たりません。たまには意識の高さマウントや仕事から解放されて、カフェでひとときの休憩をしたい……そんな都会に疲れ気味の大人におすすめのコーヒーチェーンです。

(イラスト・文:辛酸なめ子)

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