9割が知らない「口内の悪玉菌が腸活を台無しにするおそれ」 →歯科医に聞く口内ケアのポイントは?

体調管理のスタンダードとして定着した「腸活」。食事に気をつけたり適度な運動をしたりして、腸内環境をより良い状態に維持しようと努める人が増えていますが、実は知らないうちに「腸に悪影響を与え得るリスク」にさらされている人も少なくないかもしれません。

口内の悪玉菌で腸活が台無しに?

Kenvueによると、2019年に欧州分子生物学研究所で行われた唾液と便の微生物研究で、採取した菌の約3割が唾液と便の両方から採取されたと発表されたとのこと。このことから、「口の中の悪玉菌が、飲み込まれ腸まで届き定着している可能性が考えられ、腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことがわかっています。

Kenvueが20代~60代の男女3000人を対象に「体調管理と口内環境に関する調査」を実施し、「口内の悪玉菌が腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことを知っていたかと聞いたところ、90.6%の人が「知らない」と回答。体調管理のために腸活を実践している人(n=347)でも80.1%の人は知らないと答え、腸活の入り口である口内の菌については、ほとんど知られていないことが判明しました。

グランプロデンタルクリニック銀座で歯科医師を務める福島一隆院長は、「腸内に善玉菌や悪玉菌がいるように、口の中にも悪玉菌がいます。口内の主な悪玉菌としては、虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病の原因となるジンジバリス菌(P.g.菌)などが挙げられます。中でも、口の中にいるP.g.菌は非常に強力な菌で、飲み込むと胃酸でも殺菌もすることができず、腸内に到達し腸内環境を乱してしまうと言われています」とコメント。

「免疫力を向上させ、食べ物の消化吸収を助けてくれると言われている腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、全身の体調バランスも崩れてしまったり、せっかく取り組んでいる腸活も台無しになってしまうおそれがあります」と、口内の悪玉菌による腸への影響を説明しています。

口内悪玉菌ケアのポイントは?

それでは、口の中の悪玉菌をカラダの中に入れないために、どのような対策が必要なのでしょうか。

福島院長は「定期的なプロケア」と同じく「毎日のホームケア」が重要だといい、自分で行うケアとして一般的な歯磨きに関して、「ブラッシングやフロスでケアできるのは歯の表面だけで、これは口の中の約25%程度」に過ぎないというデータを紹介。

「舌や歯ぐき、口腔粘膜など、通常の歯磨きだけではケアしきれない部分が、口の中に75%もあるということです。口の中の悪玉菌は歯ブラシが届かないところにもいるので、歯ブラシのケアだけでは十分でないことは明らかです」。

「歯を磨いただけでは落とせない部分も含めて、口の中全体をキレイにするためには、洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを併用することがおすすめです。マウスウォッシュは液体なので、歯ブラシやフロスでは届かない隅々にまで行き届きます。歯ブラシやフロス、マウスウォッシュを併用しながら、お口の中をケアしていくことが大切です」「(選ぶ際のポイントとして)エッセンシャルオイル成分配合のマウスウォッシュは、口内の悪玉菌が潜むバイオフィルムまで浸透し殺菌する効果が認められています」と、口内悪玉菌ケアのポイントを説明しています。

調査では、およそ3人に1人(35.7%)が洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを使用。

使用目的としては「口臭予防」(64.8%)や「虫歯予防」(59.1%)、「歯肉炎予防」(45.4%)、「口内のネバつき予防」(43.6%)といった歯や口の中のための項目が上位に並んでいます。

「自身の健康のため」(22.1%)と答えた人は約2割と少なく、「体調管理のため」(8.4%)や「胃腸のケアのため」(3.5%)に使用する人は1割以下で、全身の体調管理のためにマウスウォッシュを使用している人は全体の26.8%にとどまっています。

一方で、全身の体調管理目的でマウスウォッシュを使用している人(n=287)の効果実感は 73.2%と高く、約4人に3人はその効果を実感しているようです。

また、口内の悪玉菌に効果的といわれるエッセンシャルオイル成分配合のマウスウォッシュを使用している人(n=54)では、90.7%が「腸活の効果を実感」しているというデータも示されています。

※グラフはKenvueより提供
※トップ画像:Photo by Avrielle Suleiman on Unsplash

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