PS5本体の冷却対策で「外部ファン」を増設した結果→ 温度は下がったのか
プレイステーション5(PS5)の一部のユーザーから、「PS5が熱すぎるので冷却したい」といった声がインターネット上にあがっています。
ゲームプレイでPS5本体が高温になることも
PS5のゲーム、特に描画が高精細なゲームは、PS5本体が高温になるといわれています。実際に記者が『ファイナルファンタジーXVI』(FF16)をプレイしてPS5本体の温度を計測してみたところ、他のゲームより高温になるケースを確認しました。
高温は不具合が発生してもおかしくない状態?
PS5本体が高温になることで、高温を知らせる警告が画面に表示されることがあります。PS5本体に限った事ではありませんが、ハードウェアが過度に熱を持つのは「不具合が発生してもおかしくない状態」といえるでしょう。高クロックなPCでも排熱は恒常的な課題です。
これらに関連しているかはわかりませんが、PS5では電源が落ちる現象も一部で報告されています。これはPS5本体の高温化が原因との声も出ていますが、熱と電源落ちの直接の因果関係は不明です。
PS5本体の温度を計測
そこで今回、できるだけ高温化を防ぐため、ふたつのアイテムを購入。PS5本体に取り付けて、高温にならないよう対策をとってみました。
そして、対策時のPS5本体の温度を計測してみました。アイテムによってPS5本体の温度を下げることができるのでしょうか。
ちなみに、これらのアイテムはソニー公式ではありません。人柱として「PS5がブッ壊れても仕方ない」という覚悟で検証しているので、皆さんにアイテムの購入や使用をオススメしているわけではありません。あくまで技術的な検証ととらえてください。
今回購入した発熱防止のためのアイテムはふたつ
今回購入したのは『アンサー PS5用ホコリキャッチャー』(税込1445円)と『ElecGear PS5外部自動冷却ファン』(税込2398円)です。
『アンサー PS5用ホコリキャッチャー』は、「PS5内部にホコリがたまると高温化の原因になるかも?」との声がインターネット上にあったので、ホコリが入らないようにするために買いました。内部のクリーン化維持で発熱防止を期待します。
「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」は、PS5本体の背面にある排気口に増設するタイプのファンです。PS5の内部ファンとあわせて、より強力に熱風を吸い出すために買いました。強力な排気で過度な加熱の防止を期待します。
PS5に「アンサー PS5用ホコリキャッチャー」を設置する
「アンサー PS5用ホコリキャッチャー」は、PS5本体の吸気口の隙間に設置します。PS5本体の上部から前面にかけての両端にある隙間です。そこにメッシュ状のフィルターをはめて、ホコリが入らないようにします。
設置はとても簡単ですが、しっかりとはまっているかどうか、隙間ができていないか、よく確認しましょう。ちなみに、ホコリがたまったら、クリーニングブラシなどでホコリを取り除くとよいそうです。水洗いはできません。
PS5に「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」を設置する
「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」は、PS5本体の背面にある排気口に増設します。ファンを動かすために給電が必要で、PS5背面のUSB端子から給電します。
「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」の増設は簡単で、排気口の穴とUSB端子で固定します。PS5を起動させても自動ではファンは回らないので、手動でスイッチを押してオンにすると、ファンが回ります。ファンがまわると青く光るので、発光自体が嫌な人には向いてないと思います。
ちなみに、「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」を装着すると、PS5に付属してある横置き用の台が使えなくなります(たぶん)。「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」と台が接触してしまうためです。
FF16体験版を約30分間プレイして計測
「アンサー PS5用ホコリキャッチャー」と「ElecGear PS5外部自動冷却ファン」の設置が完了。本当に温度が下がるのか、試しにFF16体験版を約30分間プレイして、排気口あたりの温度を計測してみました。
<今回の検証の条件>
PS5本体はCFI-1200A01を使用
FF16体験版を約30分間プレイ
PS5の排気口あたりの温度を調べる
室内エアコンの設定温度は22度
冷却ファン使用時と未使用時で温度を比較
温度検証にサーモグラフィカメラFLIRを使用
PS5の排気口あたりを撮影して計測
FF16体験版を約30分間プレイして、サーモグラフィーカメラでPS5の排気口あたりを撮影して計測。ファン使用時とファン未使用時の排気口の最高温度は以下の通りです。
<PS5の排気口あたりの温度>
ファン使用時: 38.2度
ファン未使用時: 55.3度
※排気口上部あたりの温度
<注目>
サーモグラフィーカメラの画像を見てみると、最高温度の場所を示すレッドポイントは67度以上になっていますが、金属端子の温度の可能性があるため、今回は除外して計測しました。下に掲載した画像の、ナンバー1と3がファンを設置した場所なので、そこの最高温度を計測した結果となります。
<ファン使用時のサーモグラフィ>
<ファン未使用時のサーモグラフィ>
ファンによって排熱が強化された?
ファン使用時の温度のほうが、ファン未使用時より約16~17度ほど低い温度となりました。推測ではありますが、増設したファンによって排熱が強化されたため、内部の温度が低くなり、排気口あたりの温度も低くなった可能性があります。
今後、さらに計測を重ねて、精度を高め、報告していきたいと思います。
ちなみに、排気口から出てくる空気、手で感じてみると、けっこう熱い。
冷却アイテムには注意が必要である
注意が必要な点があります。今回の計測が必ずしも正解とはいえない可能性があること。そして、ファンの種類によっては「意味がなかった」「逆効果だった」との情報がインターネット上にあるということ。粗悪品のファンもあるようです。よってアイテムの購入や設置は自己責任にてお願いします。
ソニー純正の冷却ファンの発売が期待される
今後、PS5の性能をフルに使用したゲームがたくさん登場するかもしれません。そうなれば、PS5本体の高温化がより進むかもしれません。そんなとき、PS5の負担をできるだけ減らし、不具合が生じないよう、対策をとっていきたいものです。可能ならば、ソニー純正の冷却アイテムが発売されると嬉しいのですが……。今後に期待です。
https://youtu.be/DUEO3D_1u1w
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)
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