寝室は夫婦・パートナー同室、別室?実態とそれぞれのメリット
積水ハウス 住生活研究所では、“いい夫婦の日”に向けて、「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」を実施した。この調査では、全国の20~60代既婚男女に、配偶者やパートナーと一緒に寝ているかどうかを聞いている。いわゆる夫婦同室・別室問題だが、その結果はどうなったのだろう?
【今週の住活トピック】
「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」結果を報告/積水ハウス 住生活研究所
55歳以上の夫婦になると寝室は別々で寝ている。その理由は…
自宅において夫婦で最も長く過ごすのは、実は寝ている時間だ。もちろん、夫婦で生活時間が異なるという場合もあるだろうが、夜のほぼ同じ時間帯で寝ているという場合が多いだろう。では、そのときにどのように寝ているのだろうか?
今回の調査では、「ふだん配偶者・パートナーとどのように寝ているか」を聞いており、下のグラフのような結果になった。ダブルベッドかシングルベッドかなどの違いはあっても、「同じ部屋で寝る」という回答は年代によって大きく異なることがわかった。
出典:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」より転載
55歳以上では、「別々の部屋で寝る」という回答が過半数を占めるが、20~54歳までは「同じ部屋」で寝る回答のほうが多い。なかでも、20~24歳については、ラブラブだからなのかわからないが、「一つの寝具で寝る」という回答が56.1%と極めて高くなっている。
ではなぜ、55歳以上になると寝室を別にする人が多くなるのだろうか?
別室で寝ている人に「別々に寝ることになった理由としてあてはまるもの」を聞いたところ、「相手のいびきや歯ぎしり、寝言などがうるさいから」(29.6%)、「お互いの生活時間がずれているから」(28.1%)、「配偶者・パートナーと最適な環境(温度設定など)が違うから」(24.5%)といった、快適に寝るための現実的な理由が挙がった。ほかにも、「1人の時間を持ちたいから」(27.6%)や「お互いのライフスタイルが違っているから」(27.0%)など、それぞれ個人の時間を尊重する理由も見られた。
出典:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」より転載
やっぱり夫婦は同じ部屋で寝るべき!?
睡眠時間をしっかり確保することは日々の生活で大切なことだが、別室で寝ている人に「配偶者・パートナーと同じ寝室で寝たいか」と聞くと、16.3%は「同じ寝室で寝たい」と回答した。
出典:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」より転載
「同じ寝室で寝たいと思いながら別室で寝ている人も意外といるのか」と、この結果に筆者は驚いた。そこで、その人たちの「同じ寝室で寝たい理由」を見ると、「夫婦だから」「特に離れる理由がないから」がいずれも34.4%で最多となった。夫婦は一緒にいるべきという考え方が根強いようだ。
出典:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」より転載
次に多い理由は、「同じ寝室で寝るほうが経済的・省エネだから」(28.1%)という合理的なもの。「比較的年配の世代ならではだ」と思ったのは、別室で寝ていると自分や配偶者の健康面での異常に気づきにくいことなど、健康面の安心や見守りができる点なども一定の人が理由に挙げていることだ。
寝室が同室のほうが夫婦の仲が良い!?
同研究所で調査結果を分析したところ、「仲が良いと認識している人は、一緒の部屋で寝ている割合がより高くなる」という。そうはいっても、夫婦の仲の良さは、寝室が同室か別室かとは、直接的には関係はないと考える。
夫婦同室で寝ているところに、「別室で寝たい」というのは、いびきや冷暖房設定の違いで熟睡できないといった理由でもないと言い出しづらい、ということもあるかもしれない。ほかにも、家の部屋数や広さによって、それぞれに寝室が割り当てられないといった事情で同室にしているといったこともあるだろう。
このように、夫婦の寝室が同室か別室かは、さまざまな事情が重なって決まると考えられる。睡眠という心身ともに重要な活動の鍵を握る寝室だけに、互いが納得していればどちらでもよいのではないだろうか。
同室・別室、それぞれのメリットや工夫点
そうはいっても、寝室を同室にするか別室にするかで、それぞれにメリットがある。メリットの例を挙げてみよう。
●夫婦の寝室が「同室」のメリット
・スキンシップが増える
・一緒にいることで、会話が増えたり安心感を得られたりする
・相手の健康上の異常に気づきやすい
●夫婦の寝室が「別室」のメリット
・相手の影響を受けずに安眠を確保できる
・自分一人の時間を持てる
・ケンカの後などの気分をリセットできる
どのメリットを大きく感じるかは、それぞれの組み合わせで違ってくるだろう。正解は特にないのだ。ただ、希望通りにはいかないという場合もある。別室でスキンシップを持ちたいなら、時々同室の時間を持ったり、同室でもプライバシーを保ちたいなら、寝室を家具やパーテーションで仕切ったりといった工夫をする方法もある。
寝室をどうしたら互いが快適に眠れるか、ざっくばらんに話し合ってみるとよいだろう。「別室にしたい」と相手が言い出したからといって、相手への愛情が薄れたとは限らないのだ。
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