[なすの栄養]天ぷらや炒め物など調理法でこんなに違う!?
なすは、炒めたり揚げたりと、さまざまな料理に使われる野菜。生、茹で、炒め、天ぷら、漬け物の5つ調理法で、栄養素がどのように変化するか解説します(可食部100gあたり)。
なすの栄養は調理法でどう変わる?
茹で、油炒め、天ぷらにした場合と、漬け物にした場合の栄養の変化を比べました。
●茹で、油炒め、天ぷらにした場合
カリウム、β-カロテン、ビタミンKの含有量を比較しました(可食部100gあたり)。
カリウムは水に流れやすい成分のため、生で220mgだったのが茹でると180mgに減少します。
β-カロテンは生で100µg(マイクログラム)、茹でで98µg、またビタミンKは、生も茹でも10µgです。生と茹でた場合でほぼ同じですが、油炒めにするとβ-カロテンが190µg(マイクログラム)、天ぷらにするとビタミンKが22µgと約2倍に増えました。油炒めや天ぷらは植物油を使用しており、油に含まれる成分などが増加の理由のひとつと考えられます。脂溶性ビタミンのβ-カロテンとビタミンKは、油に溶けやすい性質があるため、油炒めや揚げ物にすると吸収率が良くなります。ただし油を吸うため、エネルギーは茹でた場合の17kcalに対して油炒めで73kcal、天ぷらで165kcalと、大きく増えます。
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●漬け物にした場合
なすは漬け物でもよく食べられます。漬け物の種類によって栄養がどう変わるのか、ナトリウム、β-カロテン、ビタミンKの量を比較しました。
漬け物は、塩や砂糖などを加えることで保存性を高めた食品です。そのため、塩分(ナトリウム)が大きく増加します。また、砂糖を加えるので、エネルギーはこうじ漬け87kcal、からし漬け127kcalなど、5種すべての漬け物で増えます。
β-カロテン、ビタミンKはしば漬けで大きく増えます。しば漬けはなすを主体にみょうが、とうがらし、きゅうりなどを刻んで塩漬けにしたもので、主にとうがらしに含まれるβ‐カロテン、ビタミンKが増加の理由のひとつとも考えられます(※)。
参考:とうがらし(葉・果実)でβ‐カロテン5,100μg、ビタミンK230μg含有(生、可食部100gあたり)。
最後に
調理法や漬け物の種類によるなすの栄養素の違いを知って、料理に役立ててください。
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深みのある鮮やかな皮の色が「茄子紺」と呼ばれるように、日本では昔から親しまれ、地域ごとにさまざまな品種が発達しました。
どんな調味料ともマッチするのは、味にクセがないことと、果肉に細かい空気の隙間があるスポンジ状のため。油や調味料、だしをよく含み、おいしくなります。
最終更新:2022.11.18
文:アーク・コミュニケーションズ
監修:カゴメ
出典:
文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」
第1章(調理方法の概要)、第3章(なすの調理法、漬け物について)
第2章(なすの調理法、漬け物の種類による栄養素)
独立行政法人農畜産業振興機構「漬け物づくりと砂糖」(漬け物に使われる砂糖の役割)
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