節電するという人9割超!住宅に自然の力を取り入れ省エネできる「パッシブデザイン」への関心も過半数超える

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自宅で節電に取り組む人が増加!?理由は電気代のほか、脱炭素社会を意識した自然の力の再認識も

LIXIL住宅研究所では、異例の早さの梅雨明けとなった6月末に、全国の一戸建て居住者を対象に「今夏の家庭での節電」などについて調査を実施した。その報告書を見ると、節電に取り組むのは、電気料金の高騰が大きな理由となっているが、節電を社会的な課題を解決するために必要なことと見ていることもうかがえる。“パッシブデザイン”への関心度も調査しているので、結果を詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」を公表/LIXIL住宅研究所

電気代や電力不足は気になるが、節電はそれだけの理由ではない?

猛暑が続くと、エアコンなどの冷房を使わざるを得ない。となると、電気料金の高騰も気になるところだ。LIXIL住宅研究所の調査結果によると、「今年の夏、電気料金の高騰は、自宅の家計費に影響があると思うか」という問いに、あるという回答が84.7%(深刻な影響がある:34.0%+若干影響がある:50.7%)だった。

次に、「今年の夏、自宅での節電に取り組もうと思うか」を聞くと、93.4%(徹底的に:11.9%+できるだけ:54.8%+最低限は:26.7%)が取り組もうと思うと回答した。では、取り組もうと思った人たちが、節電に取り組む理由は何だろう? その理由は次の通りだ。

出典:LIXIL住宅研究所「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」

出典:LIXIL住宅研究所「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」

電気代の負担減や電力不足への懸念などが理由として挙がる一方で、「節電に協力すべき」「無駄なことはしたくない」「脱炭素社会の実現のため」など、家計や生活へ支障があるからということだけではなく、社会のために必要なこととして節電に取り組む前向きな姿も浮かび上がってくる。

エアコンの効率的利用のほかに、日差しや風を意識した節電対策も

では、自宅で節電に取り組もうと思っている人たちは、どんな節電対策を考えているのだろうか?

「扇風機を使用する(買う・増やす)」(55.1%)や、「冷房の設定温度を高めに設定する」(49.8%)、「家族が集うリビングなどを集中的にエアコンで冷やす」(30.3%)、「省エネタイプの家電(エアコンや照明器具など)に買い替える」(18.3%)といった対策が、上位に入っている。これらの対策は、一般的によく言わることだが、筆者は別の項目に注目してみた。

出典:LIXIL住宅研究所「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」

出典:LIXIL住宅研究所「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」

「日差しが直接部屋に差し込まないように、すだれやよしずを置く」(34.6%)
「窓際やベランダなどに水盆をおいたり打ち水して、温度が下がった風が入ってこさせる」(13.6%)
「植物による緑のカーテンを育てて日差しを和らげる」(12.0%)

これらに共通するのは、夏の暑い日差しを遮ったり、涼しい風を室内に通したりと、自然のエネルギーを上手にコントロールして、節電しようとする取り組みだ。

さて、今回の調査結果で興味深いのは、「省エネ性に優れたパッシブデザインの住宅(一戸建て住宅)について興味があるか」と聞いている点だ。どうやら興味があるという人が多いようだ。
「既にパッシブデザインの住宅に住んでいる」(4.7%)
「パッシブデザインの住宅にとても興味がある」(13.6%)
「どちらかというと興味がある」(40.7%)

「パッシブデザインの住宅」ってどんな住宅?

では、そもそも「パッシブデザイン」とは何だろう?

パッシブ(passive)とは英語で「受動的」という意味で、反対は「積極的、能動的」のアクティブ(active)となる。「アクティブデザイン」を先に説明すると、太陽光発電や冷暖房機器などの最新の設備を効率的に組み合わせることで、快適な居住空間を確保することを目指す設計手法のことだ。

これに対して、「パッシブデザイン」は自然エネルギーを有効に利用して、快適な居住空間を確保することを目指す設計手法だ。いずれの場合も、住宅の断熱性や気密性を高くして、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくくするという点は共通する考え方だ。

パッシブデザインを具体的に見ていこう。夏涼しくするには、熱を遮り、室内に風を通すことが重要になる。かたや冬暖かくするには、冷気を遮断したうえで、熱を取り込んで蓄えることが重要になる。そのためには、主に次のような設計上の工夫が求められる。

○日差しを遮蔽する
夏の日差しは室内の温度を上げてしまうので、深い軒をつくって遮ったり、夏は葉を茂らせ冬は葉を落とす落葉樹を窓のそばに植えたりすることが有効になる。

○日差しを採り入れる
夏は太陽の位置が高いので深い軒が日差しを遮ってくれるが、冬は太陽の位置が低いので室内に日差しが届き、熱や光を室内に採り入れることができる。熱を壁や床にためることで蓄熱され、暖かさを保つこともできる。

軒

※軒とは:屋根の下部の突き出している部分のこと。屋根の延長上にある軒によって、雨や強い日差しから建物を守ることができる。(写真/PIXTA)

○風を取り込む
窓から風を取り込むことは、換気のためだけでなく、室内の熱を外に出す効果もある。暖かい空気は天井近くに上昇し、涼しい空気は床近くに留まるという特性があるので、高窓などから暖かい空気を外に出し、住宅の下の方にある窓から空気を取り込んで、住宅内に風の流れをつくることができる。

このほかにも、いろいろな設計上の工夫があるが、自然エネルギーを利用するには、日照時間や日差しの入る角度、窓の向きや大きさ・配置、その地域の風の通り道や時間帯の風の変化など、さまざまな設計上の計算が必要となる。

さて、もともと日本の住宅は、深い軒や庇(ひさし)、多くの窓、吹き抜けなどを上手に使って、夏涼しい家になるよう工夫していた。パッシブデザインは、以前から研究されてきたものなのだが、最近は、オフィスの設計手法として注目されている、「バイオフィリックデザイン」というものも登場している。

バイオフィリックデザインとは、植物や木材、自然光や自然音など、自然を感じさせる要素を採り入れることによって、そこで働く人の幸福度や生産性などを高めようとするものだ。日本でも、いくつかの企業が取り組んでいるほか、実証実験を行っている自治体もあり、職員のオフィスに対する満足度や主観的な作業効率の向上などを調べているという。

四季のある日本では、気候の変化に対応しなければならないのだが、自然の変化を身近に感じることもできる。自然と上手に付き合ってきた我々なので、節電についてもできる範囲で、自然エネルギーを活用したいものだ。

●関連サイト
LIXIL住宅研究所「今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書」

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