『鋼の錬金術師 完結編』栗山千明インタビュー「いちファンとしてオリヴィエに向き合う」「人間の芯をついた作品」
二部作連続公開される映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(5月20日より公開中)と映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』。シリーズの完結作である『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』が遂に6月24日より公開しました。
連載開始20周年新プロジェクトとして発表された実写完結編二部作は、エドとアル兄弟の物語を、原作の最終話まで映像化することにこだわった国家錬金術師の抹殺を誓う男スカーとの対決を描く『復讐者スカー』と、国家を揺るがす巨大な陰謀に導かれ物語の壮大なラストを描く『最後の錬成』で完結を迎えます。
本作で、アレックス・ルイ・アームストロング少佐の姉で“氷の女王”の異名を持つオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将を演じる栗山千明さんにお話を伺いました!
――オリヴィエ役に栗山さんが決定した時は、ファンの間でも「ピッタリだ」と話題になりました!
そう言っていただけるのは本当に光栄なのですが、映画を観ていただくのはちょっと恐いです! オリヴィエって登場シーンがそこまで多くないにも関わらずすごく人気のあるキャラクターだと思うので、その分恐さはありますね。「弟が山本耕史さんなのに?!」と思われる方もいらっしゃるでしょうし(笑)。
――映画拝見しまして、とても素敵なオリヴィエでした。演じる上でどの様な部分を意識しましたか?
ありがとうございます。原作が好きでアニメも楽しませていただいた、いちファンですので、自分の中に“オリヴィエ像”というものがありました。それの通りに演じられていたかどうか不安ではあるのですが…。オリヴィエは、本当はすごく仲間思いで愛情深い人であるのに、それを周りに一切見せないプロだなと思います。我が道を行くカッコ良さという所が魅力の一つだと思い、それをお芝居でも見せられる様に頑張りました。
声優さんも大好きなので、どうしたらあのオリヴィエのカッコ良い感じを出せるだろうと思いながら、声も低めに出そうと意識しました。完成した映画を観ると、もっと低く声が出せたかなと、自分では思ってしまうんですけど。
――栗山さんがハガレンファンだからこそのこだわりですね。
(原作のキャラクターに)寄せようとはもちろんしますが、生身の自分が演じている時点で別物ではあると思うので。現場にコミックがあったので、コマを見ながら、体勢やポーズなどもなるべく真似するのですが、再現しきれない部分もあるので。不自然にならない様に意識はしていました。
――ちなみに、栗山さんと『鋼の錬金術師』の出会いはどんなことだったのでしょうか?改めて感じる魅力も教えてください。
高校生くらいの問いに、クラスの漫画好きのお友達に勧められて読み始めたのだと思います。アニメも音楽がすごくカッコ良くて、「消してー!」(ASIAN KUNG-FU GENERATION 『リライト』)と映像のマッチ具合とかたまらないですよね。
人間の芯を突いている作品だなと改めて感じます。7つの大罪含め、人間の業の部分が描かれつつ、身近な家族だったり友情だったり、たくさんの愛がつまっていて。考えさせられる部分と、楽しませてくれる部分にあふれている作品だな、凄すぎる作品だなと思います。
――劇場版一作目をご覧になっていて、出演してみたいというお気持ちがあったそうですね。その頃からオリヴィエを演じてみたいという気持ちがあったのでしょうか?
劇場版を拝見した時に、キャストの皆さんがあの世界観に入り込んでいるのがとても素敵だなと感じていました。そうですね、オリヴィエ一推しだったかもしれません。私はコミックやアニメを見る時に、マスコット的なキャラクターに惹かれることが多くて、「シャオメイ」とかそういった子に目が行きがちなのですが、人間キャラクターでいうとオリヴィエが一番好きです。どのキャラクターも魅力的なので、本当に迷うのですが。
――実際に撮影現場に入ってみて印象的だったことはありますか?
分かってはいたものの、ここまでCGなんだなという事に驚きました。ロケをされている皆さんもいますが、私はずっとセットでの撮影だったので、自分の想像が追いつくのかなという気持ちはありました。監督を信じて、「監督がOKならOKなんだ」と思いながら、そこにいない敵と戦っていました。
――そんなご苦労されたと思えないほどカッコいい戦闘シーンでした。アクションシーンの練習もされたのでしょうか。
10代の時にアクション作品に出演することが多かったので、出来ると思われがちなのですが、全然出来ないので。この作品は、2と3をごちゃ混ぜに撮っていて、私は連続して出番という感じでは無かったんです。撮影して、次は1ヶ月後、と時間が空く事もあって、アクションの撮影は最後の方だったので少しずつ教えていただきました。皆さんの様に「はい、やって」「出来ます!」というタイプでは無いので、本当に少しずつ覚えていって。私は“全力の右利き”なので、右にサーベル、左に銃を持つシーンは苦労しました。
――曽利監督や、主演の山田涼介さんとのお仕事はいかがでしたか?
監督は褒めて伸ばすタイプというか、衣装のフィッティングの時から「いや〜、似合っています!」と言ってくださって。こういう作品だからこそ、恥ずかしがらずに全力でなりきる事が必要だと思うんです。監督の言葉にはたくさん勇気をいただきました。山田(涼介)さんも、座長という立場で周りにたくさん気を遣ってくださって。年齢的には私よりも下にはなるのですが、尊敬出来る部分が多い方です。お芝居の技術はもちろん、チームワークを作ってくださる人柄の良さも、「プロ」の一つだなと感じました。
――今日(取材時)、試写をご覧になったばかりなのですよね。ご覧になっていかがでしたか?
そうなんです!あとで写真を撮っていただく時に申し訳ないのですが、若干目が腫れています(笑)。腫らさない様に、なるべく触らない様に涙を流していたので、マスクがびしょびしょで冷たかったです。自分が出ているシーンは、ソワッとしてしまうのですが、他のシーンではもう涙が。原作も全て読んでいますし、本作の脚本ももちろん読んでいて、お話の展開を知っているはずなのに、やっぱり泣けてしまうんですよね。
先ほど、自分が出てくるシーンは恥ずかしいと言いましたが、他の作品に比べて(自分のシーンも)客観的に観れたと思います。そういう意味では、この世界の一員になれていたのかなと少し安心しました。
――たくさんあると思いますが、好きなシーンや展開はどこですか?
本当に迷いますね…!! アクションがみんな素晴らしいですよね、本当にカッコ良かった!
本作で、内野聖陽さんが1人2役をやられていて、渡邊さんもリンとグリードの演じ分けをされていて、どちらも本当に凄かったです。漫画やアニメだと、そのガラッと変わる感じが分かりやすい部分があると思うのですが、実写でも全然違う表情を見せていたので素晴らしかったです。
――『復讐者スカー』と『最後の錬成』はまさに神展開の連続というか、エンターテイメントとして楽しみながらも、色々な事を考えさせられますよね。
舘ひろしさんが演じるキング・ブラッドレイも、情が見えるシーンがあるわけではないのに、最後の最後でグッときますし。エド側、オリヴィエ側からすると敵となるキャラクターたちにもそれぞれの正義があるので、完璧な悪っていないんじゃないかなって。みんなの想いが詰まっているので。
――最後に、最近ハマっているコミックやアニメはありますか?
ミーハーな回答になってしまうのですが、『SPY×FAMILY』です!マスコット的なキャラクターが大好きな私としては、アーニャの可愛さはたまらないです。
――私も大好きです!表情がコロコロ変わって面白いですよね。今日は本当に素敵なお話をありがとうございました!
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https://getnews.jp/archives/3299452
撮影:オサダコウジ
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』
国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件が起きる中央(セントラル)を訪れたエドとアル。犯人は正体不明ながら、額に十字傷を持つことから”傷の男(スカー)”と呼ばれていた。兄弟も命を狙われ応戦するものの、圧倒的な強さの前に機械鎧(オートメイル)を破壊され、絶体絶命となる。果たして二人はこの危機を乗り越え、元の身体を取り戻すことができるのだろうか。隠されたこの国の秘密と”約束の日”、そしてエドとアルの父親の過去。幾重にも重なる謎と真実が解き明かされ、物語は圧巻のフィナーレへ。
最後に兄弟が出した答えとは…?
原作の最終話まで描き切った”完結編”―伝説は二部作で完結する。
5月20日(金)、「復讐者スカー」
6月24日(金)、「最後の錬成」
完結編二部作連続公開!!
原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦 脚本:曽利文彦 宮本武史
出演:山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ
蓮佛美沙子 本郷奏多 / 黒島結菜 渡邊圭祐
寺田 心 内山信二 大貫勇輔 ロン・モンロウ 水石亜飛夢
奥貫 薫 高橋 努 堀内敬子 丸山智己 遼河はるひ 平岡祐太
山田裕貴 麿 赤兒 大和田伸也
舘 ひろし(特別出演)
藤木直人 / 山本耕史 / 筧 利夫
杉本哲太 栗山千明 風吹ジュン
佐藤隆太 仲間由紀恵 ・ 新田真剣佑
内野聖陽
製作:映画「鋼の錬金術師 2&3」製作委員会 企画・制作プロダクション:OXYBOT 配給:ワーナー・ブラザース
映画オフィシャルサイト:hagarenmovie.jp
オフィシャル Twitter:@hagarenmovie #ハガレン完結編
(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師 2&3」製作委員会
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