働くうえで「お金」と「やりがい」どっちが大事?:みんなの銀行
デジタルバンク「みんなの銀行」エンプロイーサクセスグループの三浦です。みんなの銀行及び、そのバンキングシステムを開発するゼロバンク・デザインファクトリーで、人事領域を担当しています。今回は学生の皆さんによるディベートセッション『みんなで徹底討論!働くうえで「お金」と「やりがい」どっちが大事?』 の模様をレポートしていきます。
※この記事はオウンドメディア『みんなの銀行 公式note』からの転載です。
どんなことしたの?
みんなの銀行では、お金との関係をシンプルに、フレンドリーにすることを目指していますが、これから社会人になる学生の皆さんに「お金のことを考えるきっかけを提供したい」「お金の意味について改めて一緒に考えていきたい」という思いから、今回のディベートセッションを企画しました。参加者を募集したところ、全国からたくさんの応募が集まりましたので(ありがとうございます!)、抽選で参加者を決定し、午前の部・午後の部に分かれて議論してもらいました。
どんな風に議論したの?
ルールについて
ディベートでは、一般的に、ある主題に対して肯定側と否定側に分かれて議論(立論発表・質疑応答・第一反駁・第二反駁……)を行い、最終的に、第三者の判定者が勝ち負けを判定します。ただ今回は、学生の皆さんとディベートを通してお金のことを考えることを目的としているので、判定者による勝ち負けの判定は行わないことにしました。その代わりにディベート終了後、自身の考えについての投票を行うことにしました。
チーム分けについて
今回定めた主題は、『仕事は「お金」よりも「やりがい」を優先すべきである、是か非か』。この主題に対して、学生の皆さんを「肯定側(やりがい優先)」チームと「否定側(お金優先)」チームに、ランダムにチーム分けしました。
■ 主題
仕事は「お金」よりも「やりがい」を優先すべきである、是か非か
・肯定側(やりがい優先)チーム
・否定側(お金優先)チーム
ファシリテーターについて
「肯定側(やりがい優先)」チームと「否定側(お金優先)」チームで一貫性のある主張を行うには、意思疎通をはかるためのチーム内の話し合いが重要になります。決められた時間内で話し合いを円滑に進めるために、各チームにはみんなの銀行のメンバーがファシリテーター役としてつきました。議論(立論発表・質疑応答・第一反駁・第二反駁……)の間に各チームでの話し合いを挟んで、主張をブラッシュアップさせていくことを目的としています。
「お金」と「やりがい」について踏み込んだ議論ができた
オンラインでのディベートセッション当日は、全国から参加する大学生や高専生の皆さんからの多様な意見が飛び交う、活発な議論が展開されましたので、その一部を少しご紹介します。※午前の部・午後の部に出た意見をまとめて紹介しています。
各チームで意見をまとめて主張
■ 主題
仕事は「お金」よりも「やりがい」を優先すべきである、是か非か
■ 立論
否定側(お金優先):お金があれば選択肢が広がる。同じものでも質のよい高価なものを選べるし、いろんな経験ができる。肯定側(やりがい優先):お金を求めた人よりも、夢を追いかけた(やりがいを重視した)人の方が、大富豪になった割合が高いという調査結果がある。やりがいを求めれば、お金は後からついてくる。
■ 質疑
肯定側(やりがい優先):高いものが選べること=幸せということにはならないのでは? 高いものより、安くても心のこもったものが嬉しいこともある。否定側(お金優先):そんなに大きな夢を持っている人がどれだけいるのか? 大富豪になんてならなくても、そこそこのお金が得られれば十分幸せだと思う人の方が多いのではないか。
■ 反駁1
否定側(お金優先):選択肢が広がるということは、いろんな種類の幸せが得られるということ。いろんな経験が積めることかもしれないし、趣味かもしれないし、家族かもしれない。お金で得られる幸せの方が幅広い。肯定側(やりがい優先):大富豪でなくても、夢を追いかける=好きなこと・得意なこと・強みを仕事にすることで、目標への努力がしやすいはず。それが成功や自己成長につながる。
肯定側(やりがい優先):選択肢が増えることが、より幸せとは言えないのではないか。仕事にやりがいがある時の幸せと比べて、優れているかどうかは測れない。
■ 反駁2
否定側(お金優先):選択肢が広がると、自分だけでなく家族など周りの人に幸せを分けることもできる。病気などの幸せを脅かすものに備えることもできるし、時間をお金で買うこともできる。否定側(お金優先):夢を追いかけてうまくいかないほうがリスクなのではないか?
肯定側(やりがい優先):時間をお金で買えるというが、やりがいを重視した場合、そもそも人生において大部分を占める仕事の時間が楽しいものになる。仕事と睡眠以外で残った時間にお金をかけて効率を上げるよりも、人生が幸せなものになると言える。
ふむふむ。「肯定側(やりがい優先)」チームの主張では、仕事の時間は人生のうちで大きな割合を占めるから、そこが充実するということは、人生の充実にもつながるということですね。
一方「否定側(お金優先)」チームの主張では、お金があればできることの幅が広がるということですね。お金に困っている誰かを支えることができるから、お金を優先したいという人もいそうです。
お互いに意見をぶつけ合う
様々な意見とそれに対する反論、さらにその反論、さらにその……と議論を進めていく中で、
・「お金」と「やりがい」のそれぞれを大切にした時・しなかった時に、人生はどう変わるのか?
・自分らしく生きるためのお金との付き合い方って?
・周りの同世代はどう考えているの?
といったことが、少しずつ見えてきました。
ディベートを終えて、学生が選んだのは……
ディベートセッション終了後、学生の皆さんに、自分なら『「お金」と「やりがい」どっちが大事?』かについて投票してもらいました。その結果がこちら。午前の部の参加者、午後の部の参加者の間でも、投票結果に差が現れていました。
学生の皆さんに投票の理由を聞いてみると、こんな声がいくつかあがりました。
・(もともとは「お金」だと思っていたけど)議論する中で、それだと虚しいかもと思った。
・(ディベートセッションへの)参加前なら「やりがい」を選んでいたけど、「お金」の大切さを感じて意見を変えた。
自分なりの付き合い方を探そう
本来、「お金」と「やりがい」はどちらも大切で、どちらかだけを選ぶことは難しいですよね。どちらも大切にするけれども、自分に合ったバランスをとることが重要です。
タイミングや置かれた状況が変われば、考えが変わることもあります。時々立ち止まって、自分にとって何が大切で、そのためにお金とどう付き合っていくべきか、考える時間を持つことも必要かもしれません。これから社会人になる学生の皆さんが未来を選び取る時、今回のディベートセッションで考えたことが少しでも役立ってくれたら嬉しいです。
私たちみんなの銀行メンバーにとっても、お金の意味について改めて考えることができる一日になりました。参加してくれた学生の皆さん、ありがとうございました!
(執筆者: みんなの銀行)
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