「連載漫画って勝手に公開していいの?」――権利のお話
今回はRebis(れびす)さんのブログ『あにめたまえ! 一人で連載ブログ』からご寄稿いただきました。
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「連載漫画って勝手に公開していいの?」――権利のお話
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今回の独自連載を始めるにあたって「連載してた漫画って、勝手に公開していいの?」というような、疑問のお声をちらほらお聞きしました。
そこで今回のエントリーでは、『あにめたまえ!天声の巫女』作品の権利関係を簡単にご紹介しちゃおうと思います。もちろんRebisは法律の専門家ではございませんので、業界の端っこにいる者から見た素人説明であることをご了承ください。
(ご指導や補足など歓迎いたします!)
まず、原稿そのものの権利について――
漫画原稿の権利は著者である漫画家に属し、雑誌に掲載しても出版社に権利が移ることはありません。
そのため、出版契約等を結ぶ前に権利を引き上げた『あにめたまえ!天声の巫女』の場合、問題なく自分で原稿を使っていくことができます。
漫画業界では、雑誌連載にあたっても契約書を交わさないことが多く、単行本化にあたって初めて出版契約書を作ることもしばしばと聞きます。
今回のコンプエース連載でも、連載にあたっての契約書はありません。
単行本化――にまで至らなかったので仔細は分かりませんが、おそらくその際に出版契約を結ぶことになったのではないでしょうか。
(以前Rebisが成人向け漫画で単行本を出させていただいた際には、出版契約書を取り交わしました。細かい文面の調整などにも応じて下さり、大変良い経験になりました)
連載の時点で、「雑誌掲載に関する執筆契約書」を交わそう……という動きは、佐藤秀峰先生がしていらっしゃいますね。
「漫画家・佐藤秀峰氏「雑誌掲載に関する執筆契約書」」 2011年06月16日 『togetter』
http://togetter.com/li/150109
いずれ、契約書を交わすのが一般的になる時代も来るかもしれません。
今回の僕の行動については、契約書を交わさない慣例ゆえに出来たことでもあるので、なかなか自分の意見は主張しづらいところです…!
写植について
漫画原稿そのものの権利は漫画家にありますが、入稿後、原稿のセリフ部分には「写植」が打たれます。
写植については出版社が指定や発注をしているので、漫画家が原稿引き上げ後に自由に使うことはできません。(たぶん……)
では、セリフの写植はどうすればいいのでしょうか?
実は、意外と簡単なことです。
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マンガ制作のデジタル化が進むにつれ、多くの作家さんは、自分で写植に似た文字を打ち込むことができるようになっています。
Rebisの『あにめたまえ!天声の巫女』の場合でも・・・
原稿データにはセリフがフォントとして打ち込まれています。
それを担当さんが一度テキストファイルに起こし、写植指定を出す・・・という行程が踏まれていたようです。
(実際に見ていたわけではありませんが、やり取りの中から推測したものです。また、もしかして出版社ごとに流れの差はあるかもしれません)
原稿データには、もともと印刷に耐えうる文字が載っていますので……
これを調整すれば、自分で公開するためのデータが完成です。
ただ、出版に使われるフォントには高価なものなども多いので、全く同じには再現できないのが難点かもしれませんね。
ロゴについて
ロゴの権利についてだけは、『あにめたまえ!天声の巫女』では特別なやり取りが行われています。
ご存知の方もいる通り、雑誌掲載時と同じタイトルロゴが使われているのです!
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ロゴは出版社がデザイナーさんに発注して作成してもらいますので、漫画家に権利はありません。
しかし――
今回は角川書店側と相談のうえ
「ロゴの権利については、一度角川書店側で放棄する。 その後、Rebisがデザイナーさんから許諾をいただき、作品で使い続けることができるようにする」
という、特例的な措置をしていただきました。
連載を共にした愛着のあるロゴでしたので、角川書店さんにもデザイナーさんにも、大変に感謝しております。
ありがとうございます!
というわけで、ひとまず簡単に、連載漫画の権利に関するお話でした。
『あにめたまえ!天声の巫女』の独自連載が、権利を侵害することはしていない…というご説明にもなっていれば幸いです!
執筆: この記事はRebis(れびす)さんのブログ『あにめたまえ! 一人で連載ブログ』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月19日時点のものです。
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