「最高の1日」を作るには、まず”朝散歩”から。人気精神科医が生活の最適行動を記した総集編

「最高の1日」を作るには、まず”朝散歩”から。人気精神科医が生活の最適行動を記した総集編

 日々の行動には、最も効果が出る時間帯やルーティンがあります。それを知ることができれば、効率よくストレスの少ない日々を送れるはず。そうした観点から、人気精神科医・樺沢紫苑さんが執筆した書籍が『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す』です。

 樺沢さんはこれまでも『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)や『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』(ダイヤモンド社)など36冊の著書を出版。YouTubeチャンネル「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」も好評で、登録者数はなんと33.6万人(2022年2月24日現在)にのぼります。

 樺沢さんはこれらの著書やYouTubeチャンネルをとおして多くの悩みを解決してきました。それでも毎日30件ほど相談メールが届き、日々の悩みや心の病気に苦しむ人は後を絶ちません。

「解決法は、過去の私のYouTubeやこれまでに出版した自著に書いてあります。しかし多くの人は、そうした『答え』に到達するのが難しいようです。文章を読む習慣がない人、あるいは検索が上手にできないために最適な答えにたどりつけない人もいると思います」(同書より)

 そこで樺沢さんは、これまでの総集編として同書を執筆。膨大な情報が50の切り口、3~4つのポイントでまとめられています。しかも第I部はイラストのみという大胆な構成。気分が落ち込んでいるときは読書好きでも長い文章を読むのがしんどいことがあるので、イラストを見るだけで最適行動がわかるのは非常にありがたいですね。

 イラストで描かれた最適行動は、第II部でエビデンスとともに詳しく解説されています。ここからは第II部の内容を少し紹介します。

 1日の中で最重要ともいえる「朝」。みなさんはどう過ごしていますか? 目が覚めても頭がボーッとしてベッドからなかなか出られない。これといったルーティンがないのでついダラダラして会社へ行く時間が近づいてきて慌てる。こんな朝を過ごしてしまっているかもしれません。

 起床直後は誰でも頭がボーッとしているものです。だからこそ事前に朝のルーティンを決めておくことを樺沢さんは推奨します。ちなみに樺沢さんの朝のルーティンは以下のとおりです。

「まず布団から出るとトイレに行ってから、パジャマを脱いで体重測定をします。コップ1杯の常温水を飲んだら、シャワーを浴び、ひげ剃りと整髪をして服を着たら、朝散歩に出かけます」(同書より)

 一見、朝が弱い人でもマネできそうなルーティンです。ただ、「朝散歩」はハードルが高そう……。

 しかし樺沢さんいわく、この「朝散歩」こそが心身の健康を整える重要な行動とのこと。同書で紹介している50項目のうち1つだけ試すなら「朝散歩」から、と樺沢さんが強くおすすめするほど、その効果は絶大なようです。

 朝散歩には3つの効果があります。1つはセロトニンを活性化する効果です。「イライラしやすい人」や「怒りっぽい人」はセロトニンが下がってきているので積極的に朝散歩をおこなうべき、と樺沢さんはいいます。また、セロトニンは食欲をコントロールするので、暴飲暴食が続いている人にもおすすめ。

 2つめは、体内時計をリセットする効果。体内時計がリセットされてから15~16時間後に眠気が出るそうで、夜に寝つきが悪い人は朝散歩をすることでぐっすり眠れるようになるとのこと。朝の行動で睡眠の質が変わるとは、目から鱗の情報です。

 3つめは、ビタミンDの活性化です。ビタミンDは日光を浴びることで生成されるため、家にこもりがちな現代人は慢性的に不足しています。朝なら人も少なく紫外線も昼ほど強くはないので、感染症対策・日焼け対策をしつつ、朝散歩をするとよいでしょう。

 樺沢さんは「起床から1時間以内に最低5分、できれば15~30分、早足でリズムよく散歩をすること」を「朝散歩」としており、最初から毎日おこなうことを目標にするとハードルが高いので、まずは週に1~2回でOKと記します。週1回5分だけでいいなら休みの日にできそうですね。

 樺沢さんが言うには、最初の1回を体験してしまえば、朝散歩の気持ちよさに気づいて、週1回5分だけではやめられなくなり、自然と朝散歩の回数が増えていくそうです。また、高齢者やメンタル疾患がある方は「5分間の日向ぼっこでもOK」としています。心が疲れていてどうにも頑張れないという人は、無理をせず日当たりのいい場所で5分だけゆっくりしてみてください。気持ちが少しラクになるかもしれません。

 同書ではほかにも、「脳のゴールデンタイムと重なる希少時間『通勤時間』の最適化」や「午後からのパフォーマンスを上げる『昼休み』の最適化」、「たった15分で絶大な効果を発揮する『就寝直前』の最適化」などなど、1日を細かく分けて非常に詳しく解説しています。この中から自分に合う最適行動をピックアップして、自分だけの「最高の1日スケジュール」を作るのも楽しそう。毎日を気持ちよく過ごしたい方は、この機会に同書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

[文・春夏冬つかさ]

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