解析の根拠も示すAIを活用。日立と神戸大学、市民38万人の要介護リスク予測の共同研究開始
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株式会社日立製作所(以下、日立)は、国立大学法人神戸大学 大学院医学研究科地域社会医学・健康科学講座 AI・デジタルヘルス科学分野(以下、神戸大学)の榑林陽一特命教授らと共に、神戸市民38万人の要介護リスク個別予測モデル開発へ向けた共同研究を開始。
同モデルを開発することで、自治体が取り組む“高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施”を推進するとともに、デジタル上の健康医療情報を分析し、健康増進や病気の予防に活用しようという政府の「データヘルス政策」に貢献できると期待されています。
複数年分のビッグデータを解析、予測根拠も提示
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この健康・医療ビッグデータを日立のAIで解析し、住民一人ひとりに対する要介護リスクを予測。そして、独自技術(説明可能なAI技術)によって予測の根拠までも提示します。
研究成果の要介護リスク個別予測モデルは神戸大学から神戸市に提供され、神戸市の保健・介護政策づくりに活用される見込みです。
なお、神戸市からのデータ提供は2024年度まで継続し、最終的に計10年間の連結データセットが提供される予定。データは、神戸市において個人・住所が特定されないよう匿名化され、神戸大学において希少疾患などから個人が特定されないよう同じ特徴を持つ人が10人以下のデータ項目を削除するという再匿名化が実施されます。
説明可能なAIとは?
同研究で活用するAIは、顧客データから価値を創出する日立のソリューション・サービス・テクノロジー「Lumada(ルマーダ)」で展開する技術のひとつ。
大きな特徴は、高精度な予測モデルを構築するための深層学習において従来は困難だった「予測に寄与する要因の抽出」を実行できる点でしょう。また、特許取得済みの日立独自の「根拠データ管理技術」により、予測要因を生成した根拠データまでさかのぼることができるのも特徴です。つまり、高精度の予測結果と、なぜその結果に至ったのかを提示するということですね。
AIを活用するうえで、その“判断の過程”はブラックボックス化しているケースが多く、人がその結果の理由を理解できないため、人命や財産に関わる重要な意思決定にはAIの適用が難しいとされることもあるといいます。同AIを活用することで、AIのブラックボックス化を防ぎ、活用の幅を広げることができるかもしれません。
(文・Higuchi)
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