ゴジラの甥っ子が出るとの噂もあった!?『ゴジラvsコング』

ハリウッド版ゴジラの3作目『ゴジラvsコング』のブルーレイが発売されました。

本作は劇場公開時には、この2匹(2頭?)以外に怪獣が出ることは伏せられていました。従って公開時のレビューには書けなかったのですが、メカゴジラ等、魅力的な怪獣が複数登場します。

中でも僕が気に入っているのは地下空洞世界(地底世界)でコングを襲うワーバット/WARBATと呼ばれる怪獣。羽を持った空飛ぶ大蛇です。
この怪獣は過去のキングコング映画に対するオマージュです。1933年版の『キング・コング』(中グロ表記です)の見せ場の一つにコングと翼竜の戦いがありました。そして1976年版の『キングコング』(中グロ無し表記です)でコングと戦うのは大蛇です。さらに33年版のリメイクであるピーター・ジャクソン版の『キング・コング』(05)では翼竜を巨大な蝙蝠に変えて群れでコングを襲うというシーンが登場しました。
そう、このワーバットは歴代コングを苦しめた翼竜+大蛇+蝙蝠を合わせた特長を持っていたのです。

さてこのワーバットについては面白い話がありました。
映画が公開される前に国際的な玩具の見本市があって、そこに『ゴジラvsコング』関連のおもちゃが見本展示されていた。『ゴジラvsコング』に登場する怪獣のほとんどが人形化され並べられている。当然ワーバットの人形もある。それを見た関係者の間から「今度の『ゴジラvsコング』には飛膜のある怪獣が出てくる」との情報が流れた。またこの時『ゴジラvsコング』にはNOZUKIという怪獣が登場するという噂もあった。

この2つのネタが結びつき<飛膜怪獣NOZUKI>の存在がファンの間で話題になりました。
結論から言うとNOZUKIというのはワーバットの初期のネーミング案だったようでこの話は正しかったわけですが、その一方ですごい噂も生まれました。<飛膜怪獣NOZUKI>とはゴジラの甥っ子のことではないかと!

実はゴジラは1978年にアメリカで子ども向けTVアニメ番組になったことがあります。そこに両脇に飛膜のあるGODZOOKYという愛らしい怪獣が出てくる。そしてGODZOOKYはなんとゴジラの甥という設定でした。
GODZOOKYとNOZUKI、なんとなく響きがにているし飛膜がある。NOZUKIとはGODZOOKYをアレンジしたキャラだろうというわけです。さらに93年の日本映画『ゴジラvsメカゴジラ』にはベビーゴジラが出てくるので、メカゴジラが出てくるお話であればゴジラの同族幼体が出てきてもおかしくないだろうと。

蓋をあけてみればワーバットはゴジラの甥でも親族でもなく、先にも書いたように、むしろコング伝説とリンクしたクリチャーだったのですね。(ワーバットを見て幻のガメラ映画怪獣ガラシャープを思い出したマニアもいるのでは?)
というわけでワーバットの暴れっぷりもぜひ楽しんでください。

ところで『ゴジラvsコング』は劇場公開時にはMAN WITH A MISSIONがタイアップ曲を提供。ゴジラと狼人間のコラボビジュアルが印象的でしたが、かつて『狼男対ゴジラ』という有名な自主映画があったことをお伝えしておきます。

(文/杉山すぴ豊)

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