遠隔操作 「PC使用できるのは片山氏だけ」に反論
今回は日本報道検証機構『GoHoo』からご寄稿いただきました。
遠隔操作 「PC使用できるのは片山氏だけ」に反論
【読売】2013/2/20夕刊10面「遠隔操作 米サーバーで発見のウイルス 容器者派遣先PCの情報」
【朝日】2013/2/23夕刊「PC遠隔操作、全面対決 片山容疑者、可視化求め聴取拒む 警察、間接証拠を積み重ね」
【毎日】2013/2/16朝刊29面「ネット殺人予告:遠隔操作 書き込み、片山容疑者の勤務と重なり」
【産経】2013/3/13朝刊28面「作成途中ウイルス 米サーバーで復元 遠隔操作 片山容疑者が保存か」
《注意報1》 2013/3/24 09:00
いわゆるPC遠隔操作事件で、産経新聞3月13日付朝刊など各紙が、犯行で使用されたとされる派遣先PCが「パスワードなどで管理され、片山容疑者しか使用できない状態だった」と報じています。しかし、弁護側は「片山容疑者しか使用できない状態だった」ということはないと反論しています。
弁護側によると、片山さんは、たとえば帰宅後にPCのデータを確認・使用する必要がある場合などには、職場の同僚にPCのパスワードを教えてPC内のデータを確認してもらったり、自宅宛てに送信してもらったりしており、片山氏しか使用できない状態ではなかったとのことです。
また、弁護側は、片山さんは派遣社員として勤務していたにすぎず、派遣先PCが派遣社員にすぎない片山氏の完全な管理下に置かれるはずがないし、仮に片山さんが真犯人だとすれば同僚にPCのパスワードを教えて内部を確認してもらうなどの依頼をするとも考えられない、とも指摘。その上で、片山さんは派遣先で個室を与えられているわけでもなく、左隣に他の同僚が執務し、右隣のベランダへの出口に出るために同僚の喫煙者が片山さんの後ろを通っていく状況にあり、同僚がいつでも片山さんのPC画面をのぞくことができる状態だったとも指摘しています。(2013年3月21日付東京地方検察庁宛て「弁護人意見書(2)」。)
…捜査関係者によると、米連邦捜査局(FBI)から先月提供された米国のデータ保管サービス「ドロップボックス」のサーバーに残っていた遠隔操作型ウイルス「iesys(アイシス).exe」に、片山容疑者が派遣されていた東京都港区の不動産関連会社のパソコンで作成されたことを示す情報が残っていた。
片山容疑者は一昨年11月から昨年9月まで同社に派遣されており、このパソコンを同社から貸与されて使用していた。使う際にはIDとパスワードが必要で、捜査本部は片山容疑者以外の使用は難しい状態だったとみている。(以下、略)
(読売新聞2013年2月20日付夕刊10面「遠隔操作 米サーバーで発見のウイルス 容疑者派遣先PCの情報」より一部抜粋)
4人が誤認逮捕された遠隔操作ウイルス事件で、米国のサーバーから作成途中とみられる遠隔操作ウイルスが復元されていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。このウイルスがIT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)、ハイジャック防止法違反容疑などで再逮捕=の派遣先のパソコン(PC)で作成されたことを示す情報が残っていたことも判明。警視庁などの合同捜査本部は一連のウイルスを片山容疑者が作成した有力な証拠とみている。
捜査関係者によると、合同捜査本部が米連邦捜査局(FBI)の協力で、米国のデータ保管サービスのサーバーを解析したところ、数種類のウイルスのほか、作成途中とみられるウイルスが復元された。片山容疑者が途中で保存したか、サーバーがバックアップで自動的に保存したとみられる。
作成途中のウイルスには、片山容疑者の派遣先のPCで作成されたことを示す情報があったが、このPCはパスワードなどで管理され、片山容疑者しか使用できない状態だったという。(以下、略)
(産経新聞2013年3月13日付朝刊28面「作成途中ウイルス 米サーバーで復元 遠隔操作 片山容疑者が保存か」より一部抜粋)
執筆: この記事は日本報道検証機構『GoHoo』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月02日時点のものです。
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