製造業のDXを推進する受発注プラットフォーム「CADDi」が成長中!
近年、国内の製造業においてはさまざまなDXが進んでいます。設計にはCADやCAE、製造過程にはロボット、販売にはAIやビックデータなどを活用し、コストダウンや生産性向上を実現するなか、部品調達というプロセスには大きなイノベーションが起こっていませんでした。
そこでキャディ株式会社は、産業機械メーカーやプラントメーカーと全国の加工会社をつなぐ受発注プラットフォーム「CADDi(キャディ)」を開発。メーカーの部品調達のDXを推進すると共に、バリューチェーン全体に潜む構造的な課題に対してもDXを推し進めてきました。
見積もり2時間、納品5日
「CADDi」は、主に産業装置・プラントメーカーを対象に板金・金属、樹脂切削・製缶・機器・配管・組立などの加工・組立品を一括で提供します。多品種の製品を一式で対応することにより、製品コストの低減、調達・生産管理工数の削減を実現できるようです。
同サービスでは、発注者がアップロード・送付した図面データを独自開発の原価計算アルゴリズムに則った金属加工品自動見積もりシステムを活用し、最短2時間で見積もりを完了することができます。その図面データや見積もり、希望納期などをもとに、全国600社以上の連携している加工工場の中から最適な工場に確定発注。完成した製品は検査・品質保証を経て、最短5日で納品されるとのことです。なお、ISO9001に基づく品質・納期管理体制で高いQCDを実現し、結果として良品率99.94%、納期遵守率99.98%を誇るといいます。
グローバル展開を目指す
同社は「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業における多重下請けピラミッド構造を「強み」をベースにフラットにつながる構造へと変革するために「CADDi」を開発しました。
最近では、新型コロナの影響や半導体需要増加などにより部品供給が逼迫する業界もある中、複数業界を横断して需給をリバランスできるキャディの仕組みを活かし、高品質な部品を最短で供給することで製造業の調達課題の解消に貢献。直近の受注高は昨対比約6倍に成長し、急激な案件増加に対応するため東西の品質管理センターの増床(関東は2.8倍、関西は6.6倍)を7月までに完了しています。
そしてこのたび、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、DCM Ventures、グローバル・ブレインに加え、本ラウンドより海外投資家のDST Globalのパートナー陣やArena Holdings、Minerva Growth Partners、Tybourne Capital Managementなど新たに6社を引受先とし総額80.3億円の資金調達を実施。また、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行から25億円の追加融資枠も確保したようです。なお、今冬には製造業系の企業を対象にしたエクステンションラウンドも予定しています。
このたびの資金は、グローバルも含めた人材採用や「CADDi」の開発、そして新規事業に投資する見込み。今後は、設計から製造・物流・販売までのバリューチェーン全体のDXを加速し、製造業のデジタル化におけるデファクト・スタンダードを構築することで、2030年までに1兆円規模のグローバルプラットフォームになることを目指すといいます。
(文・Higuchi)
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