時代を彩った“構成的ポスター”が、20世紀 を通じて織りなした図像と文字の風景。東京都庭園美術館「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーション は可能か?」展
ウォルフガング・ワインガルト《スイス・ポスター 1900–1983/ビルクホイザー出版社》 1983年 ⓒWolfgang Weingart
「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーション は可能か?」展が東京都庭園美術館にて開催。
1910~20年代のヨーロッパで生じ、芸術・デザインに革新をもたらした“構成主義”は、特にビジュアルデザインの領域において、図像と文字を幾何学的・ 抽象的な融和のもとに構成しようとする特徴的な表現様式をもたらした。 エル・リシツキー、ヤン・チヒョルト、マックス・ビル、ヨゼフ・ミューラー゠ブロックマンなど、数々のアーティスト/デザイナーが時代を超えて共有したこの様式は、広くビジュアルデザインの可能性を拡張する試みとして発展を重ね、今日のビジュアルデザインの基盤を形成する。本展は、この潮流のもとに世に送り出され、時代を彩った“構成的ポスター”が、20世紀を通じて織りなした図像と文字の風景を、竹尾ポスターコレクション(多摩美術大学寄託)により辿る。
本展は全体で3章からなり、構成的ポスターが20世紀を通じて遂げた発展と変容のプロセスを、130点のポスターを通じて辿る。
ヤン・チヒョルト《構成主義者展/クンストハレ・バーゼル》 1937年 ⓒTschichold family
1/図像と文字の幾何学(15作家・52点)
戦後のビジュアルコミュニケーションのあり方を導く歴史的役割を果たしたスイス派、ウルム派に代表される構成的ポスター=インターナショナル・スタイルの継承と展開をたどる。
出展デザイナー: エルンスト・ケラー、ヴァルター・ケッヒ、リヒャル ト・パウル・ローゼ、ハンス・ノイブルク、ヨゼフ・ミューラー゠ブロックマン、カルロ・ヴィヴァレリ、ロベルト・ビューヒラー、エミール・ルーダー、アルミン・ホフマン、パウル・グレディンガー、カール・ゲルストナー、マックス・ビル、アルミール・マヴィニエ、メアリー・ヴィエイラ、オトル・アイヒャー
オイゲン・エーマン《ドイツ・グラフィック展/チューリッヒ・ヴォルフスベルク美術サロン》 1921年
2/歴史的ダイナミズム(11作家・18点)
インターナショナル・スタイルのルーツともいうべき、第二次世界大戦以前に登場したロシア構成主義、バウハウス、ニュータイポグラフィを象徴するポスターを展示。
出展デザイナー: オイゲン・エーマン、ヘルベルト・バイヤー、ベルナー ル・フランシス、カール・オットー・ミューラー、テオ・バルマー、エル・リシツキー、シュテンベルク兄弟、ワレンチーナ・クラーギナ、ヘルマン・アイデンベンツ、ヤン・チヒョルト、ジャック・ナタン゠ギャラモン
ジャン゠ブノワ・レヴィ《マルクトブラット/無料広告新聞》 1989年 ⓒJean-Benoit Levy (AGI/AIGA), Studio AND (www.and.ch), Photo : Alexandre Genoud
3/コミュニケーションのありか(10作家・60点)
1970年代以降、インターナショナル・スタイルを背景に登場したニュー・ウェイヴ、ポストモダンデザインと称される潮流を、10名のデザイナー/60点のポスターを通じて辿る。
出展デザイナー: ウォルフガング・ワインガルト、ウィリィ・クンツ、キャサリン・マッコイ、ウィリアム・ロングハウザー、エイプリル・グレイマン、ジョルジオ・カムッフォ、ジャン゠ブノワ・レヴィ、スコロス゠ウェデル、オクタヴォ、ザイアン
展示される個々のポスターが示す鮮やかな創造力、そしてそれらのポスターが総体として示す歴史的な継承と発展のプロセスを、ぜひその目で。
「20世紀のポスター[図像と文字の風景] ―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」
会 期 : 2021年1月30日(土)-4月11日(日)
会 場 : 東京都庭園美術館 本館+新館
開館時間 : 10:00–18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 : 2月10日・24日、3月10日・24日、4月5日 ※2021年4月より、休館日が毎週月曜日に変更となります。
入館料 : 一般=1,100(880)円/大学生(専修・各種専門学校含)=880(700)円 /中・高校生=550(440)円/65歳以上=550(440)円
※( )内は20名以上の団体料金
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