公明党・民主党の党代表者にユーザーが質問 投開票日直前特番 全文書き起こし(2/4)
衆議院議員総選挙の投開票日(2012年12月16日)を目前にした13日夜、niconicoで主要政党の代表者がユーザーの質問に答える番組が生放送された。
・[ニコニコニュース]各党代表者にユーザーが質問 全文書き起こし(1/4)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw460993
ユーザーの質問に答えた党代表者は以下の通り。(番組出演順)
・日本維新の会 水戸将史・選挙対策委員長
・日本共産党 小池晃・政策委員長
・公明党 西田実仁・広報局長
・民主党 鈴木寛・政策調査会副会長
・自民党 林芳正・幹事長特別補佐
・日本未来の党 森ゆうこ・副代表
・社会民主党 福島みずほ・党首
・みんなの党 小野次郎・国会対策委員長代理
この記事では本番組のうち、「公明党 西田実仁・広報局長」および「民主党 鈴木寛・政策調査会副会長」出演部分の内容を全文書き起こして紹介する。(発言者敬称略、聞き手・角谷浩一)
■公明党 西田実仁・広報局長
・[ニコニコ生放送]公明党 西田実仁・広報局長の出演から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv118479358?po=newsgetnews&ref=news#55:03
角谷:続いては、公明党の西田実仁広報局長です。よろしくお願いします。
西田:よろしくお願いします。
角谷:本当に、今日は、選挙も大詰めになっていますけれども、直接スタジオに来ていただきありがとうございます。
西田:こちらこそ、よろしくお願いいたします。
角谷:さて、まずは終盤情勢の手応えを伺おうと思っていますけど、どうですかね、公明党は。
西田:今回の衆議院総選挙は、小選挙区9、そして比例区25以上と、あわせて34議席以上取るというのが我々の目標なんですけれども。3年3ヶ月前に比べますと、情勢はずいぶん変わってきていると思いますが、どの小選挙区もぎりぎりの戦いをしております。また比例区におきましても、議席確保、さらには上積みをするというところで、最後の攻防戦をしておりまして、大変な激戦であると。最後まで本当に気を抜くことができない、激戦だなというふうに感じております。
角谷:はい。それではそれぞれの政策を伺って参ります。よろしくお願いします。まずはですね、各党に伺っております、消費税についてですけれども、これについては、3党合意をしているということもあります。それを前提にご説明をいただけますか。
西田:はい。消費税につきましては、やはり社会保障にすべてを充てるということで。年金、医療、介護、さらには子育て支援、これを今後充実もさせなきゃいけないし、維持もしなきゃいけないという点で、消費税の引き上げということを、ご負担をお願いをするという立場でございます。ただ、法律にもありますように、また我々が与党時代に法律の中にも織り込ませていただきましたように、まず消費税を上げる前には、経済をやはり好転をさせなければならないということを大前提にしております。その上で、消費税、特に所得の少ない方々に負担がきてしまう、逆進性というのがやはりありますから、これを軽減するための、私たちは軽減税率というのを、8パーセントに引き上げる2015年4月の段階から導入すべきであるという主張をして、これは選挙後、税制調査会、実務者協議等を通じまして、我々の主張をまたさらに強く申し上げたいと思ってます。
角谷:はい。TPPですけど、これはどうでしょう。
西田:TPPにつきましては、やはりもともと情報公開というものがしっかりと政府からなされなければならないし、また、それによってどういう影響があるのかということが、きちんと議論を尽くさなければならないとい思ってます。さらには、政府のほうからの説得力のある話がないと、特に国益が何なのかということについてですね、きちんと示されなければならないというんで。いまのこの政府がやってきたTPPの進め方ということについては、このままではOKというわけにはいかないという立場であります。
角谷:続いて、震災復興ですけども、これはどうでしょう。
西田:震災復興につきましては、やはりこれをもっと加速しなければならないというのが、私たちの基本的な立場であります。特に高台移転事業でありますとか、復興まちづくりの計画等が、まだまだなかなかできていないと。これをもっと加速させるにはどうするかというんで、たとえば専門家がですね、市町村が主体となる事業の場合、不足しているということがよく言われます。これをもっと手厚くするということが大事だと思います。
私も、被災地に何度も参りますと、やはり、仮に住宅があっても仕事がないと、そこになかなか居つかないと。逆に仕事があって、住宅は仮設で仮だったとしても、仕事があればその地域に居続けることができるという話もよく聞くわけで。そういう意味で、我々公明党はですね、野党でありましたけれども、自民党のみなさんと一緒に、たとえば被災地の中小企業の二重ローンを解消するための法律というのを議員立法いたしまして、参議院で成立をさせました。
そして、衆議院で民主党、与党との修正協議によって成立をさせておりますけれども、たとえばこの中小企業の二重ローンの解消をもっと加速するということによって、被災地にもともとあった中小企業が立ち上がって、そこで雇用が生まれて仕事が生まれて、それが町に居続けることができる。しかし、その二重ローンの問題がまだなかなか解決していない、あるいは再スタートがなかなかできないひとつの理由は、復興まちづくりそのもの、土地の利用計画が、ここで工場建てて良いのか、商店やって良いのか、そこがまだなかなかできないというのがネックであるという話も、現地でよくお聞きする話でありまして。そういう意味からも、復興まちづくり事業というものをより進めていくというための、専門家の派遣等が必要だなというふうに思います。
角谷:それは復興基本法を少しいじるんでしょうか。それとも、別の予算だってできるんでしょうかね。
西田:法律というよりも、予算措置によって、全国から、もちろんいまも公務員の方が協力いただいていますけど、それだけではなくて、専門家というのは民間にもいますから、そこは法律事項でなくともできると思います。
角谷:つまり予算措置で、もっとそれを早くやるというということですね。
西田:そうですね、はい。
角谷:さて、原発の問題ですけど、これはどうでしょう。
西田:原発につきましては、公明党はまず、新しい、新規に着工はしないと。それから、運転の40年というのを厳しく運用するということを前提としておりまして、全体としては、原発ゼロの社会をつくるという方向に行くべきであると。再稼働につきましても、原子力規制委員会によって、新しい安全基準というのができた上で、それを厳しく適用するとともに、地元の理解が当然必要になるということになりますので。黙っていても40年経てばそういう意味では廃炉になるわけではありますけど、それを1年でも5年でも10年でも早く、原子力発電をゼロにする社会をつくるというために、再生可能エネルギーの開発もあわせてやって、前倒しをするということを狙ってるわけです。
角谷:そうすると、目標としては40年を前倒しにするための努力を、別のエネルギー政策を見つけることによって行うということですね。
西田:そういうことですね、ええ。ただ、もちろん、一方で産業界のことも考えないといけない。中小企業というようなところは特に痛手を受けるわけでありますから、そうした中長期的な工程表とともにですね、安い天然ガスを日本に入れてく、そうした外交交渉、輸入交渉というものもアメリカとはしなければならないと思います。同時に、もうちょっと中長期で申し上げると、日本は燃料コストがアップすることによって、貿易赤字にもう4ヶ月なっているわけで。赤字の3、4割は燃料コストの増ですよね。たとえば1970年代のイギリス、これは国家財政が破綻しかけたときに、北海油田の開発というのに、戦略的に取り組みました。また、アメリカも1985年にヤングレポートが出て、その後2004年にパルミサーノレポートという、IBMの会長が出した、産業競争力強化のためのレポートが出て、そこでシェールガスを開発するという、そういう資源を集中させる戦略を立てたわけですね。
ですから、日本もいま、まさにそういう意味での、資源開発のための戦略をきちんと立てていく必要があると思っておりまして。公明党としては、そうしたことを、仮称ですけども「経済戦略会議」というようなところで立案をして、そして中長期的なエネルギーに、安心できるように、安定できるように、そういうようなことも一方ではやらなければならないと思ってます。
角谷:はい。そして、共通項目の質問ですけども、アジア外交についての考え方について、昨今の緊迫している状況を踏まえて、アジア外交についてどうお考えかと。
西田:基本的にはまず日米関係を深化させ発展されるというのが、我が公明党の考え方。その上で、東アジア、アジア外交について、いま、たとえば尖閣の問題にしろ竹島の問題にしろ、これをやはり我が国の固有の領土であるということを、広報外交ももっとしなければならないと思いますし、また、実効支配をきちんとさせるためにも、警備の強化とかいうこともさらにしなければならないというふうに思ってます。
角谷:はい。公明、自民両党とも連立を前提としていますけれども、公明党は、自民党の掲げる憲法改正と国防軍への変更などについて同意するんでしょうか、という質問ですけども。
西田:憲法につきましては、我が公明党は、加憲、憲法に加えるという立場です。したがって、時代の変化にあわせて、いまの憲法で足らざるところはそれを加えていくという考え方をしております。いま話題になっているような、たとえばその国防軍という名称の問題、これはいまの自衛隊というとろころを、あえてすぐさま変える必要がないんではないかというふうに思っております。また、さまざまな過去の国会での議論というのが、積み重ねがありますから。集団的自衛権の行使という問題についても、これはやはり、これまでの国会での議論の積み重ねをきちんと踏まえた上で、慎重に対処していかなればならないんじゃないかというふうに思います。
角谷:はい。移民政策と外国人参政権についての質問です。本格的な少子高齢化社会を迎えようとしている現在、労働力市場の規模縮小が懸念されています。長期的に見れば、少子化対策で対処することになると思いますが、新生児が労働力になるまでの過渡期間において、移民政策を実施することのメリットもあるのではないでしょうか。それについてはいかがかと。それから外国人の労働者、働いてもらう上で義務と権利の保障も問題になるでしょう。その点についてもいかがですかと。
西田:公明党は、永住外国人の方々の地方参政権については認めるべきであると、常にこれまでも申し上げてきた通りでありまして。一方で、いまのお話は、人口が、労働力、人口減少のときにどうするのかという問題も指摘されたんだと思います。基本は、まず人口減少社会にどう立ち向かうのかというときには、第一にやらなければいけないのは、やはり技術革新ということをもっと加速させると。
そのために政府も力を入れなければならないということがあると思いますし、一方でその労働力を、海外の労働力をどう活用するのかという手段のひとつとしては、移民もあるかもしれませんけども、もう一方で海外に直接投資をして、そこにある労働力を活用していくというやり方ももちろんあるし、いまもやってるわけですね。そういうことも考えなければならないんで、単純に、人口が少なくなるから移民であるという、なかなかその受け入れる体制をきちんとしないと、かえって大変なことに。
角谷:義務と権利の保障の問題もあるでしょうというふうなことは、まさにそこの問題があるから、単純な移民政策ということで労働力をまかなうべきではないという考え方ですね。
西田:はい。
角谷:ネットと選挙についてはどうお考えかと。
西田:これはあの、今回の重点政策の中にも、ネット選挙を解禁すべきであると、もっと言えば18歳まで年齢を引き下げるべきということも書き込んでおりますけれども。これはネット選挙だけが言われますけども、もう一方で公選法全体をですね、いまのこの、何はしてはいけないというふうにべからず集になっているところを、抜本的に変えていくと。その中には当然、個別訪問の解禁というのも、世界のごく普通のことですから、そういったところも含めて、検討しなければならないというふうに思います。
角谷:はい。そうすると、ネット選挙も含めた公選法の改正については、ただちに議論が始まると、タイミングさえ上手くいけばですね、来年の参議院選挙までには…
西田:そうです。もちろん、前に私も加わってましたけれども、ネット選挙を解禁すべしと。
角谷:あれは直前でダメになりましたからね。あと2日ぐらいのところでしたからね。
西田:直前までいって、そうなんです。勉強会、民間の臨調でやってましたんで。ぜひそこは実現をしていきたいなというふうに思っております。
角谷:はい。さて、公明党への質問がきています。自民党との連立にあたって、もっと違う政策、調整が必要と考える政策は何かありますかと。さっきはたぶん、国防軍の部分や憲法改正の部分もいまストレートに同じではないですよね。
西田:そうですね。連立ということになれば、そこで当然、政策協議というのを行うと思います。大きな方向は、たとえば防災減災、我々はニューディール政策というのを掲げて、防災減災投資ということをやるべきだということでは一致しているでしょうし。あるいは景気経済対策についても、大胆な金融緩和と新たな需要の創出の両輪で行くべきであるという点でも、これはまた一致していると思いますので。その他で言えば、たぶん外交、というかまあ、安全保障の問題とか、憲法の問題なのかもしれません。しかしそこは、自由民主党という政党は非常に幅が広い考え方をお持ちのところでもありますので、過去10年やってきたことも含めて、十分協議ができるんではないかというふうに思います。
角谷:それに関係しています。少子化政策についてお考えをお聞きしたい。また、公明党の考える経済対策をもう少し教えて欲しい。公明党は単独で政権を取る考えはないのか、という質問がきています。
西田:少子化対策、先ほど人口減少社会にどう対応するのかと、技術革新をしなければいけないという話をしました。日本として、先ほど申し上げた、アメリカのですね、パルミサーノレポートに匹敵するような、産業競争力を強化していくための戦略というものをもう一度立て直す必要があると思います。特に、よくいろんな成長戦略という話をされますけど、ただひとつだけそれを挙げろと言われれば、私はやっぱりいまの超円高の是正というものを行って、製造業を再生強化するというところに踏み込まないと、日本は立ち行かないのではないかと思います。OECDの購買力平価は107円、いま、多少円安に振れても83円であります。
これではやはり、どんなにがんばってもなかなか競争力は生まれてこないわけで、そこはやはり通貨外交ということをきちっとやっていかなきゃいけないし、TPPの問題、先ほどありましたけども、貿易、あるいは通商政策というのは、TPPやFTA、EPA等の貿易ルールをいかに決めるのかという問題は確かにひとつの柱です。しかしもう一方の柱が実はあって、ここがいまの政権に抜け落ちていて、それは通貨政策なわけですね。貿易ルールと通貨政策っていうのが相まってはじめて、通商政策というふうに形づくられるわけでありまして。この超円高ということに対して無策であるということ自体が最大の問題だというふうに思います。
角谷:はい。少し時間が窮屈になってきました。若者の雇用問題に関してはどうお考えかと。
西田:はい。私どもは今回の重点政策で、若者雇用500万人というのを掲げさせていただいております。特に若者の雇用を担当する専任の大臣、これを置くべきであるということも重点政策の中に入れさせていただいておりまして。若者の雇用を生み出すための、専門的に責任を持つ、そういう大臣、そういう体制でいくべきであると。
特にいま、中小企業の方々の魅力というものをもっと知っていただくことが必要でありますので、たとえば中小企業の社長さん、あるいは技術者の方が、高校中学、あるいは大学とかにもっと出向いて行って、そしてその魅力を語ると、言っていただくと。で、学生さんもそれを知るということによって、学生さんと中小企業のマッチングということをもっと進めやすくする。こんなようなことも重点政策の中に盛り込ませていただいております。
角谷:なるほど。これはちょっと、政治家に対してだと思いますけれども、世襲制についてはどうお考えかと。
西田:私どもは世襲というのはいないわけでありますけれども。この世襲そのもので、何か、何も努力しないで議席を取っていくというのは、やはりおかしいというふうには思うと思いますが。しかし、じゃあ世襲と言われるひとが全部そうかと言われれば、必ずしもそうではないと思いますので、そこはやはり、有権者のみなさまが賢明に見極めていくべき問題ではないかというふうに思います。
角谷:はい、分かりました。では残り3分になりましたので、公明党が、最後これだけはユーザーのみなさんに分かってもらいたいということがあればどうぞ。カメラはこっちかな。はい、こちらにどうぞ。
西田:はい。公明党が、今回の衆議院マニフェスト、重点政策に盛り込ませていただいている最大のテーマは、やっぱり、防災減災ニューディール政策というものであります。防災減災ということは誰もが言っておりますけども、私どもは公明党は既に参議院のほうで防災減災ニューディール推進基本法という法律を出して、地域で防災減災総点検を行なって積み上げることによって、無駄のない防災減災投資を行うことができるというように主張しております。ソフトとハードと両方相まっての施策であります。これは結果的に、副次的に、景気経済対策ということにもなります。
そして、消費税については軽減税率を導入すべきということを主張しておりまして、自民党のみなさんも、最近ではそのようなことをおっしゃっておられるようであります。ま、私たち公明党の最大の特徴は、チーム3000というふうに私どもは申し上げておるんですけども、全国に、みなさまの生活に一番近いところに地方議員が3000名いただいておりまして。一番、そういう意味では、一人ひとりの国民のみなさまの生活に寄り添って、お声をいただいて、それを市政県政、国政へとネットワークで反映することができる、そういう政党であると、50年間、私どもは、生命、生存、生活を尊重する人道主義、人間主義というものの政党に、考慮に入れておりまして。それがまさに公明党の言う、中道ということであります。
角谷:はい、ありがとうございます。連立を組んでいた自民党との関係が今後どうなっていくのかというのは、まだ選挙中ですから何とも言えないでしょうけれども、過去の例と、それから与党に対しての政策の違いなども考えると、今後の政策の方向性というのは、いまのお話のようなものが出てくるんだと思います。問題は、そこから、次の枠組みのときに、公明党がどういう役割を示すかというのが、多分これからの大きなポイントになるんだと思いますけどもね。
西田:参議院は、私いま国対委員長をやらせていただいてますけれでも、自公だけでは足りないわけですから、いずれにしても政策ごとに、各党とよく協議をしていかなければならないと思います。
角谷:はい、分かりました。今日は公明党の西田実仁広報局長にお話を伺いました。最後に、いろいろなお話を伺いましたけれども、今日はお忙しい中どうもありがとうございました。
西田:ありがとうございました。
角谷:がんばってください。
西田:ありがとうございました。
■民主党 鈴木寛・政策調査会副会長
・[ニコニコ生放送]民主党 鈴木寛・政策調査会副会長の出演から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv118479358?po=newsgetnews&ref=news#1:20:01
角谷:つづいては民主党の鈴木寛政調副会長にお越しいただきました。こんばんは。よろしくお願いします。
鈴木:よろしくお願いします。
角谷:もう選挙戦終盤なのに、本当にお忙しなかありがとうございます。
鈴木:よろしくお願いします。
角谷:さて、その手応えですけど、どうですか。
鈴木:これまでの3年間の我々の実績、これはなかなか、これまで、まあ与党ということもあってですね、十分伝わらないこともございました。ただ我々ですね、きちっと、数字は嘘をつきませんので。たとえば公共事業予算、32%カットさせていただいて。しかもですね、学校の耐震化などを67%から90%に増やすことによって、建設業の雇用は減らしてないんですね。その上で公共事業、無駄なものは切って、32%カットして、そして社会保障費は16%増やした。あるいは教育予算も9%増やしたと。
子ども予算にしてもですね、いろいろなご批判ありますけれども、1.7兆円だった子ども予算を3.6兆円、2倍以上ですね。こうした、まさにひとを大切にすると、子ども、そして教育政策、そして医療政策と。このことによって、10年ぶりに医療予算も14%ぐらい増やしてますので、実績としては、病院では8割増収、あるいは外科と産科と小児科救急、こういうことをやっている大きな病院はですね、たとえば大学病院なんかで申し上げると14%ぐらい増収になってるわけですね。そのことでいま産科と小児科と外科のお医者さんは戻ってるということでですね、医療崩壊が立て直ってると。
それから倒産件数なんかもですね、24年22%下がって、そして、このことによって、20年間で倒産件数最小になっています。それから医療、コンクリートから人へということで、医療介護で85万人、教育学習支援で23万人、あわせて108万人の雇用が増えています。このことで失業率も5.4%から4.2%と。我々はですね、倒産件数をひとつでも減らしていく、失業をひとりでも減らしていくと。こういうことで、おかげさまでですね、自殺者の数も今年は15年振りに3万人を切ったと。これはもちろん最終的にゼロにしていかなければいけませんけども。
こうした、我々が地道に、目立たないかもしれないけど、我々は大事だと思うこの、人を大切にする政治ということが、みなさま方から政権交代させていただいたおかげ。たとえば、文部科学省の予算が国土交通省の予算を上回っているわけですね。これはもう絶対、自民党政権、事務次官会議が日本の予算配分を決めてたときにはできなかったわけで。こうしたことを事実に即して、数字は嘘をつきませんから、ひとつひとつお話をしていくとですね、こういうネットはやっぱり、ネット選挙は解禁しなきゃいけないと思うんですけども、本当にですね、事実に基づいてダイレクトにみなさんと対話できるということは本当に良かったなというふうに思うんですけれども。そういったことをひとつひとつ、フェイス・トゥ・フェイスで丹念にご説明申し上げているということのなかで、直接お会いできる方は、直接コミュニケーションできる方はですね、ネットも通じてですけど、非常に手応えは良いんですけど、一方でそういう我々の肌感覚とは別に、いろいろなマスコミ等々が調査をされてる数字は大変厳しいなかで、最後までがんばっていきたいと、こういうふうに思っております。
角谷:はい。では少し順番に伺っていきます。まずは消費税ですけども、これは3党合意で。
鈴木:はい。そうですね。
角谷:民主党はその中心にいたわけですけども、このことについて少し、いま説明できる仕方っていうのはどういうふうになりますか。
鈴木:はい。これはですね、3党合意でも議論をしましたけども、とにかく医療と介護、私たちこの2200億円、毎年減らしていくのを変えてですね、医療の水準というものをきちっと上げていく、あるいは介護、年金の水準と維持していくということになりますと、中身の立て直しプラス自然増ということでですね、16%、社会保障費が増えてるわけですね。これから特に、この高齢化がさらに進んでいきます。そうすると、少なくとも現行の医療、介護といったことを守っていくためには、やはり財源というものが必要だということで。まさに社会保障を守るために、これは3党のみなさんときっと議論を重ねながら、消費税をあてさせていただくと。
結局ですね、所得税を払うひとが、納税者の方が減っちゃうわけですよね、そうすると、消費能力のある高齢者の方にもやはり納税者になっていただくということが、消費税の導入、こういうことでもございますので、そこはぜひご理解をいただきたいと。要するに、次の世代に少しでも負担を減らすと。高齢化社会でかかっている費用というものは、高齢者のみなさんにも、裕福な方には支えていただくと、こういうことでご説明をさせていただいてます。
角谷:もうひとつはTPPなんですけど、これはどうでしょう。
鈴木:これもですね、もちろん交渉ごとですから、いまからやるとかやらないとかってことですが、基本的にはやります。やりますけれども、国益を最大限、その交渉の中で勝ち取るという前提のなかで、TPPについては前向きに考えると。基本的に我々は開かれた経済というか、貿易でもって、公共事業依存型じゃなくてですね、貿易拡大で日本の国を成長させていくと。これから、たとえばインフラ輸出、鉄道とか新幹線とか、あるいは場合によればこれから医療イノベーションとか、あるいはグリーン・イノベーションっていうことをやってます。日本の素晴らしい技術、あるいは人材と、こうしたものをどんどんどんどん世界に出していくということが、やっぱり経済成長の基本だというふうに思っていますので、これはですね、TPP前向きに。ただ、もちろん、国内に対する影響を最小限に抑えながら、これについては積極的にやっていくと。こういうことで臨んでいきたいというふうにと思っています。
角谷:続いて、震災復興ですけども、これも政権ですから、復興大臣も民主党から出ています。予算の問題があったり、いろいろなことが言われてますけど、各党出してますけれども、いま、震災復興の問題については何を一番訴えたいですか。
鈴木:これはいまだに本当に厳しい状況です。私も引き続き、教育関係が中心ですけれども、東北に伺っております。教育でもしっかりやらなければいけない。それからもちろん、がれき処理の問題、それから除染の問題、そして健康管理。ホールボディカウンターできちっとモニタリングしてくと。もう、ありとあらゆることをですね、引き続ききちっとやっていかなければいけませんが、そのなかで、やはり健康の問題を守りながら、雇用っていうんですかね、生活の生業をどうやってたてていくのかというところをですね、そのしっかり確保していかなければなりません。
これから、まさに復興住宅からですね、さらに、その次のステップというところを、いかに、手当をしていくのかということと、福島についてはですね、まだまだ非常に厳しい、まだそういったプロセスも見えない。まさに、どこを住まいとしていくのかということを、まだ決められない方々が数10万人いらっしゃるわけで、10万人近くいらっしゃるわけですね。この方々の人生の設計ということを、きちっとたてていかなければいけないと、こういったことをしっかりとやっていかなければならないと、こういうふうに思っております。
角谷:はい。これはなお強化していくというふうに考えれば良い…
鈴木:はい、もちろんそうです。
角谷:さて原発です。これについても、与党としての判断というのがあると思いますけれども、規制委員会の判断と、活断層の話が出てきたりしてます。このへんを含めて、どんなふうにお考えですか。
鈴木:活断層の話は、まさにこれ、民主党政権下でつくられた、こうした制度下でなければあのような結論は出てこなかったと思うんですね。そのことだけをもってもですね、やはり、より透明な政策形成過程と、そして、本当に専門家が自分の信念にもとづいて意見表明ができると、こういうことができたということは良かったなと思ってます。私たちは、2030年代に原発ゼロを目指して、あらゆることを総動員するということを申し上げていますけども、まずやはりですね、2030年代にゼロにするってことをしっかり決めていくと。それに対してはいろいろなアプローチが考えられると思います。
再生エネルギーなどもそうですけれども、日本の省エネの技術、蓄電池も含めてですね。それからいま送電ロスがものすごくあります。結局、発電されてから、都内に届くときには4割ぐらいになってしまうわけですね。こうしたものをやっぱり技術革新によってなくしていくと。それから、発電っていうのはピーク需要にあわせているわけで、このいわゆる需要というものを、いかにこの波を減らしていくかということが重要です。
たとえば、2011年の3.11以降ですね、東京で一番電気を使う事業所っていうのは東京大学なんですけども、スマートメーターを使い、そしてそれぞれの研究室、部屋ごとにリアルタイムでどれだけの電力を消費しているかと、こういうことをフィードバックする、そういったことを導入されましたところ、15%が目標値だったんですけども、25%達成できているわけですね。ですから、いまどれだけの電力を使っているかっていうことをフィードバックスすると、こういうシステムを導入するだけでですね、いわゆる省エネマインド、そしてそうしたライフスタイルということを、2030年に向かって本当に合わせ技で、日本の技術をトータルで考えて、総動員していくと。こういうことだと思います。
角谷:はい。続いてですね、北朝鮮のミサイル問題などもあって、アジア周辺各国との関係がいろいろ言われています。こういったなかの東アジア外交についてどんなお考えでしょう。
鈴木:いまはですね、まさに北朝鮮が非常に大問題であります。これは国連の枠組みの中でしっかりとやっていかなければいけません。そういうなかで、一番求められるのは、アメリカと日本とそして韓国、中国、ロシア、こうした国々がしっかりと連絡を密にして、そして北朝鮮に対して国際的な圧力というものをしっかりとかけていくということに尽きると思います。そういうなかで、まさに北朝鮮包囲網をしっかりと敷いていくというためにも、アジアの国々、もちろん日米安保を基軸としながら、これをしっかりと協調関係をつくっていくということが非常に大事だと思います。
角谷:はい。続いてはですね、こういう質問です。自民党の安倍総裁は、日本の教育は、民主党とその支持団体によって歪められてきたと発言しているが、この批判にどう答えるかと。
鈴木:これは現場を見ていただければお分かりになると思います。ごく一部の、北海道の一部においてご指摘の点もあるかとは思います。逆に言えば、私、文部科学副大臣のときにですね、7000人の処分ということは、逆にやらせていだきました。これは自民党時代にはむしろできなかったことであります。ただ、他はですね、いわゆるそうした問題は、確かに10年前はあったかもしれませんけども、そうした方々はもう70歳とか75歳になっておられて。私は熟議ということで、教育の現場を本当に毎週のようにまわって参りました。まわってみますとね、本当に教育の現場の問題というのは複雑で、多様です。そして、何かそういった悪者探しをしてですね、その責任にだけ押し付けていて、教育現場が良くなるんであればそれで良いんですけど、そんなに教育現場ってういのは簡単な問題じゃなくてですね、そのいじめの問題でもですね、ひとつひとつやっぱり理由があります。背景があります。
こうしたことを、私たちは、地域の総ぐるみでですね、コミュニティ・スクールっていうのは私提案して、いま1083校になってます。あるいは学校ボランティアの方々が647万人になりました。やはり学校をオープンにすると、そして世間の風をちゃんと入れていくということ、ここにおいてはですね、おそらく全ての政党が同意をされると思いますけど、そのことを着実にやってきました、超党派でですね。こういうことをしっかりと積み重ねていくことで、透明な学校運営ということ、そこに逆に647万人の方は本当にボランティアで学校を支えていただいているわけですね。こうした方々の努力を応援をしていくと。こういうことを着実にやっていくということが、学力の向上にも、あるいは教育の健全化にもプラスになるんだというふうに思います。ですから、具体的な個別の改善する策をですね、前向きに議論を積み重ねていきたいなというふうに思います。
角谷:はい。続いて、これも各党への共通項目です。移民政策と外国人参政権についての質問ですと。また、少子化の過渡期において移民政策を実施するメリットがあるのではないかという考え方があるけどどうかということですが、どうですか。
鈴木:これは本当に大事なポイントだと思います。結局ですね、いまは経済がトータルとして、特にGDPなどが少なくなってる。このベースは、やっぱり人口減ということだと思います。その上で、結局経済成長っていうのは、人口の増減と、そしてイノベーションの関数ですから。そうすると、人口が減ってるっていうことは、それだけですね、ほっとけば経済は右下がりというなかで、いまは非常に経済政策をどうするのかということでいろんな意見があるわけであります。
そういうなかで、アメリカの場合は、あるいはドイツにしてもそうですけど、移民ということに踏み込んでですね、そして経済成長を維持してきたと。ただまあ、これはいろんな議論がありまして、本当にきちっと議論をしていかなければいけませんけども、やはり日本においてですね、移民をアメリカのように受け入れるということは、やっぱり相当な困難といいますかね、いろいろな課題ということを抱えざるを得ないと。そういったことと、まさにこれ、天秤にかけながらですね、本当に我々が何を大事にするのかという順番を、政治っていうのは、どれも大変、もちろん経済成長も大変だと、だけれどもどれを大事にするのかという順番を、微妙な問題ですけど、あえて順番をつけていくと。その議論がですね、今回の選挙戦も通じて、みなさんにいろいろ考えていただいているというふうに思います。議論が深まるっていうことは良いことだと思います。
角谷:ネットと選挙について、いま事実上解禁と言われてますけども、これについては鈴木さんご専門だと思いますけども、いかがですか。
鈴木:これはですね、なし崩し的にこういう事態になる前に、なんとかしようということで、超党派の若手議員を中心に、私も議員になる前から、自民党の若いみなさんもですね、このことについては一緒にやってまいりました。しかしながら、いろいろな、鳩山政権があと10日続いていれば成立したっていうこともあるんですけど、それはあのときにああいうことでですね、残念ながらできませんでした。まあ、いままでにも何度かそういう試みをしましたけども。ただ残念なのはですね、今年の夏も、我々ネット選挙を進める超党派の議員と、そしてネットのみなさんとでいろんな運動をしたんですけど、結局なかなかネット署名もですね、必ずしも国会を動かすほどの数が集まらなかったっていうことは事実なんですね。
話は変わりますけど、たとえば、民主党政権の中でですね、コンクリート予算を削って人の予算を増やすと、これは2年目でできたんですけど、文部科学省の予算が国土交通省の予算を上回りました。このときにですね、政策コンテストに寄せられたメールの総数は33万通あったんですね。うちですね、60%ぐらいが、やはり教育予算を増やせと、奨学金予算を増やせと。これぐらいのインパクトがあると大きく国政っていうのは変わるんですけども、やはり、そういう意味では我々もさらにがんばりますけども、やはりこの、ネット界のみなさんもですね、ぜひそうした声を、見える形でですね、我々を応援していただければと。残念ながら、まだ、720人いる国会議員のなかで、このことに真剣に取り組み、またそのことを応援してくれるひとっていうのは1割ぐらいっていうのが正直なところです。ですから、今回の選挙、党派を超えてですね、ネット選挙に非常に前向きなひとをそれぞれが見極めていただいて、それぞれの選挙区で応援をしていただくっていうことが、この問題については非常に重要かなというふうに思います。
角谷:はい。いろいろ、まだ民主党には質問がきてるんですけども、最後になりましたので、2分半ぐらいございますけれども、民主党の最後の訴えを、こちらのカメラに、じゃあどうぞ。
鈴木:ある意味でですね、今回の選挙、非常に論点が明確になってきつつあるのかなというふうに思います。税金の使い方を、引き続きですね、私たちは、何度も繰り返してますけれども、社会保障費16%増やしました、教育予算9%増やしました。こういう、子育ての予算はですね、2.3倍にしました。子育てとか教育とか、あるいは医療とか介護とか、こういうことに使い続けていくのか。で、まずこの事実を知っていただいてですね、その上で、いやそれは違うよというのか、それをさらに深めていけというのか。まずこれが1点ですね。
それからですね、2つ目はですね、やっぱり安全保障政策だというふうに思います。自民党政権は国防軍、これもひとつのお考え、きちっと議論をされてまいりました。私たちはやはり、自衛隊による専守防衛。特に、日本国憲法の3大原則の平和主義。我々、統治機構などについてですね、憲法改正することについては、全然議論はいとわないわけですけど、やはり憲法の3大原則は守っていきたいと。専守防衛は守っていきたいと。こういう考え方であります。これもいろいろとお考えがあろうかと思いますけども、こういうことを選んでる。
あとは原発問題についてですね。これも、原発を2030年でやめるということと、それから、原発は維持すると。これも大きな、国の選択肢だと思います。それぞれの、みなさま方が、何が重要な課題なのかということと、少なくとも私たちはですね、コンクリートから人への、予算配分を劇的に変えるということはさせていただきました。その事実はきちっと知っていただいた上で、その上でですね、これから5年10年、大変大事な判断だと思いますし、私たちはやはり倒産を1件でも減らして、雇用を1人でも確保していくと、失業っていうものを避けると。ある意味で、菅さんも、雇用、雇用、雇用ということを言ってきました。そして、すべてのひとにですね、学ぶ権利と医療を受ける権利と、こういった、これもひとつの考え方、立場でありますけども、こうしたことをですね、ぜひ、みなさま方ご判断の上で、こうしたことを支持していただければなというふうに思っております。
角谷:はい、ありがとうございました。鈴木寛政調副会長でした。ありがとうございました。
鈴木:はい、ありがとうございました。
・[ニコニコニュース]各党代表者にユーザーが質問 全文書き起こし(3/4)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw461685
◇関連サイト
・衆議院議員総選挙2012 – 特設ページ
http://ch.nicovideo.jp/channel/sousenkyo
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