Amazon Alexaの標準化は、生活すべてを囲い込む序章か!?【いまどき・これからの車学】
遂に始まる音声UIの覇権争い
もはやこれだけ生活に根付いているテクノロジー&サービスも珍しい。発話することで個人が要求するタスクやサービスを実行できる「AIアシスタント」のことだ。
専門的に言うより、各IT企業が展開する音声認識サービスと言った方がわかりやすい。
「Siri」「Googleアシスタント」「Alexa」など個人が使う携帯電話、また連携するスマートスピーカー(デバイス)によってユーザーの利用目的や頻度は異なるが、確実に日々の生活に浸透していることは誰の目にも明らかだ。
一方で自動車に特化したサービスといえば、スマホと最近話題のDA(ディスプレイオーディオ)を接続させることでインストールしたカーナビアプリや音楽、SNSなどが使える規格、アップルの「Apple CarPlay」やグーグルの「Android Auto」がメジャーと言える。
さて、昨今この領域に参入してきたのが前述したアマゾンの「Alexa」である。前2社と大きく異なるのがDAとの連携によるカーナビなどの利用は想定していない点にある。
元々Alexaは「スキル」と呼ばれるAPI(プログラム)をインストールすることで音声でHA(ホームオートメーション)やアマゾンのサイトでの買い物ができる点にウエイトを置いている。
一方でサブスクリプションも含めた音楽配信、ニュースやSNSなどのサービスは大枠では他社と同質のサービスとなる。
実は北米などでは2016年頃からAlexaの専用アプリをインストールすれば前述したサービス自体は使えていた。アマゾンのHPによればレクサスやトヨタも2019年から対応していることもわかる。
では日本ではどうか?
実際、日産がBEVであるリーフに早い時期からAlexa対応を行っており、いわゆる「コネクテッドカーのスキル」をインストールすることで、家の中にいながらバッテリー残量の確認やリモート充電を可能にした点は先見の明ありと言える。
先般発表された日産 アリアや9月に発売を開始するアウディe-tronも最初からAlexaを組み込み済み。アウディに関してはどのようなスキルが設定されるか未定だが、利便性を向上させるものであることは間違いないはずだ。
また、市販カーオーディオの世界でもカロッツェリア(パイオニア)やJVCケンウッドがAlexa搭載モデルを次々と市場に投入、それぞれがもつスキルにより音声による独自の調整機能などを活用することができる。
要はこのスキル次第で商品力を大きく高めることができ、これまで可能だった「(家に着く前に)エアコンのスイッチを入れて」「いつものピザを注文!」に留まらず、外出先(車内)からも生活全体を管理できるようになっていくはずだ。
AIエージェントではLINEもトヨタと提携しているが、400以上のスキルをもつアマゾンに追いつくのは当面は難しいと感じている。
気がつけばAlexaが生活のすべてを包括して連携・管理しているという時代を迎える日はそう遠くはない。
文/高山正寛、写真/アウディジャパン※カーセンサーEDGE 2020年10月号(2020年8月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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