国内外から注目を集め「いま、もっとも新作が待たれる」監督のひとり 清原惟監督。映画館での初の特集上映企画が開催決定




Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にて、国内外で非常に高い評価を受け る若手映画監督・清原惟の監督作特集上映の開催が決定。


清原惟監督は 1992 年生まれの映画監督、映像作家。東京藝術大学大学院の修了制作作品で、PFF アワードのグ ランプリを受賞した劇場デビュー作『わたしたちの家』(2017)と、続く長編作となった『すべての夜を思いだす』 (2022)が 2作連続でベルリン国際映画祭フォーラム部門への出品、そしてMoMAとリンカーンセンターが共催し、これまでにテオ・アンゲロプロスやケリー・ライカート、濱口竜介らの作品をいち早く紹介してきたニューヨークの映画祭「New Directors/New Films」への連続選出を果たすなど、国内外から注目を集める存在となった。


今回 Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にて開催となる特集上映企画「七つの合図、夢のなかで」は、そんな「いま、もっとも新作が待たれる作家のひとり」である清原監督の、映画館で初の特集上映企画。


上映となるのは、昨年公開され絶賛された兵藤公美、大場みなみ、見上愛の3人が主演の『すべての夜を思いだす』、驚愕を持って迎え入れられた劇場デビュー作『わたしたちの家』をはじめ、これまで上映機会が限られてきた貴重な短編を含む全7作品・計4プログラム。積り重なる記憶、息づく街の声、そして、誰かの心をかすかに、しかしたしかに灯す合図──清原監督の作品に焼き付けられた、見えなくともそこにあるはずのそれらは、映画を観る私たちにも、まるでなにかの合図のように共鳴する。

清原惟監督 コメント
このたび、これまでの過去作を含めた7つの監督作品をまとめて上映いたします。ふと考えてみると、大学の卒業制 作として撮った『ひとつのバガテル』は、もう10年も前の作品となっていました。作品が作られたそれぞれの時に 考えていたことの多くは、変わってしまっていると思います。でも、映画の中にはそれらが残されている気がして、自分自身でも振り返る時間を持てること、それと同時に、観にきてくださる方々の新しい視線にふれることが、とても楽しみです。
清原惟

清原惟監督特集 七つの合図、夢のなかで
2025年1月17日(金)~1月30日(木) Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にて開催
会場:Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 1-24-12 渋谷東映プラザ 7F・9F
TEL: 050-6875-5280
HP: https://www.bunkamura.co.jp/cinema_miyashita/

長編3作品
ひとつのバガテル 2015年/72 分 わたしたちの家 2017年/80分 すべての夜を思いだす 2022年/116分
短編4作品
波 2017年/5分
網目をとおる すんでいる 2018年/15分 これが星の歩きかた 2020年/26分 三月の光 2022年/26分


※長編は各1作品ずつ、短編は4作品を1つのプログラムとして上映予定 ※上映スケジュールは決定次第劇場HPにて発表



監督プロフィール:清原惟 / Yui Kiyohara
映画監督、映像作家。1992年生まれ、東京藝術大学大学院の修了制作作品となった初長
編作品『わたしたちの家』(17)が PFFアワードでグランプリを受賞、ベルリン国際映画 祭フォーラム部門に出品された。その後いくつかの短編を手がけた後『すべての夜を思 いだす』(22)を発表。再びベルリン映画祭フォーラム部門に選出されたほか、釜山や北京など各国国際映画祭、そしてNYリンカーンセンター「New Directors/New Films 2023」でも上映される。ほかの活動として5th floorで展覧会「ユートピアのテーブル」を企画するなど、映画にとどまらず土地やひとびとの記憶についてリサーチを元にした映像作品の制作も行う。
監督写真クレジット:©黑田菜月

上映作品/長編



ひとつのバガテル
2015年/72分 監督・脚本・撮影・編集:清原惟 出演:青木悠里、原浩子、加藤周生
第37回 ぴあフィルムフェスティバル(PFFアワード)入選
団地でピアノのある部屋を間借りして暮らしているあき。ある時、一通の差出人不明の手紙を受け取る。手紙に示された場所を探し団地を歩くが、それは存在しない番地だった。部屋に残された音の記憶をた よりに、あきは自分の音楽をみつけようとする。音楽の調べを辿りながら、世界や記憶の断片を拾い集めるように紡いだ、後の作品への予感と新鮮な驚きにあふれる、武蔵野美術大学映像学科卒業制作。



わたしたちの家
2017年/80 分 監督・脚本:清原惟 脚本:加藤法子 出演:河西和香、安野由記子、大沢まりを、藤原芽生、菊沢将憲、古屋利雄、吉田明 花音、北村海歩、平川玲奈、 大石貴也、小田篤、律子、伏見陵、タカラマハヤ ©東京藝術大学大学院映像研究科
東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了作品
第39回ぴあフィルムフェスティバル(PFFアワード)グランプリ
第68回ベルリン国際映画祭 フォーラム部門 正式出品
もうすぐ14歳になるセリは父親が失踪して以来、母親とふたりで暮らしている。ある日、目覚めると記憶をなくしていた女・さなは乗っていたフェリーで透子という女と出会い彼女の家に住まわせてもらうことになる。ある一軒の家のなかにふたつの時間が流れていた。誰も観たことがなく、誰にも撮られたことがなかった、映画を観る歓びに満たされる、驚愕の劇場 デビュー作。



すべての夜を思いだす
2022年/116分 監督・脚本:清原惟
出演:兵藤公美、大場みなみ、見上 愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野 匡 配給:一般社団法人 PFF
©2022 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF 第73回ベルリン国際映画祭 フォーラム部門 正式出品
第13回北京国際映画祭 フォワード・フューチャー部門 審査員特別賞受賞
多摩ニュータウンに住む三人の女性たちの、ありふれた、けれども特別な一日を描く。友人からの引越しハガキを頼りにニュータウンを歩き回る知珠。早朝から行方不明になった老人を捜すガス検針員の早苗。亡き友人が撮った写真の引換券を持ってその母へ会いに行く大学生の夏。それぞれが街に積もり重なる記憶に触れ、そこにいない誰かへの思いを巡らせる。忘れがたい余韻に包まれる、特別な傑作。


上映作品/短編




2017年/5分 監督・撮影・録音・編集:清原惟 出演:青木悠里、福地脩平
女は男に尾けられている。男の姿は離れず、波の音はまだ聴こえない。セリフの無いたった5分間に、物語、運動、そして主題である音楽が、寄せる波のようにあますことなく届けられる。屋久島で撮影された、とても短い映画。



網目をとおる すんでいる
2018年/15分 監督:清原惟 脚本と物語:青木悠里、清原惟、坂藤加菜、中島あかね、よだまりえ 出演:坂藤加菜、よだまりえ
河原に散歩に出かけたある日、そこに住んでいる「誰か」の家を見つける。ある日の出来事を思い出すこと、そこにいない人のことを想像すること。重層的に語られる時間のなかで、物語が立ち上がる瞬間を描く。状況だけを作り、脚本を使わずに即興的に撮ることで、物語のはじまりを見届ける実験的な作品。



これが星の歩きかた
2020年/26分 監督・脚本:清原惟 出演:村上由規乃、石倉来輝、青木悠里、菊沢将憲
2020年のとある日、太陽フレアによって電波障害が発生。その影響 で早めに閉店したデパートに取り残されてしまった木下花は、かつての同級生・渉と偶然再会する。スマホも使えず、閉ざされたデパートで過ごすふたり。音と光の数々が重なり夜闇をほのかに照らす、小さくも優しい一晩の物語。



三月の光
2022年/26分 監督・構成・編集:清原惟 出演:小山薫子 石倉来輝
高校を卒業したばかりの莉奈は川辺に佇む。同級生の男がやってきて莉奈にしつこく付き纏うのだが、莉奈は相手にする気もない。「海に行きたい」と莉奈は言う。やってきたバイクに乗せてもらった莉奈は海に行けるのだろうか。2022年公開のオムニバス映画『MADE IN YAMATO』に収められた作品。

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