天才ゲームクリエイター飯田和敏・インタビュー「もう泣きながら作った」
8月25日、Wiiウェアとして配信される予定の新作ゲーム『ディシプリン*帝国の誕生』(発売元: マーベラスエンターテイメント)。そのゲームデザイナーであり、クールでイカすルックスが人気の飯田和敏さんを独占インタビュー! 飯田さんはゲームを作るにあたり多くの人たちに迷惑をかけたとして、8月25日(火)に贖罪記者会見を生放送するらしいが、その前にインタビューを読んで危なさっぷりを堪能しよう!
・飯田からのお願いです
飯田 僕は嬉しいです。
記者 何がでしょうか?
飯田 前のインタビューでさ、僕は業務委託でマーベラスさんと仕事しているから、ゲームが完成した今、いくらこうやってインタビュー受けようが宣伝しようがノーギャラって言ったじゃないですか。
記者 ええ。
飯田 それがプロデューサーの耳に入りまして……。
記者 ほほう。
飯田 ギャラを検討してくださるそうです!
記者 良かったですね!
飯田 5000円くらいもらえるかな? これでいつも食べてる弁当を大盛りにできる……。
記者 言ってみるものですね。
飯田 マーベラスさんの宣伝してあげたくなりました。マーベラスから今度出る『王様物語』おもしろいよ! 『王様物語』買ってあげて! ゲーム雑誌の人にお願いです。マーベラスから『王様物語』のPRメール届いても無視しないで載せてあげて! 飯田からのお願いです。
記者 (笑)。でもあくまで検討ですから確実じゃないですよね。
飯田 えっ……そんな。
記者 確定してから喜んだほうが……。
飯田 やだ……。やだよそんなの……5000円ほしい。
・鳥のゲームなんです
記者 ゲームの話をしましょうか。『ディシプリン』は構想の期間がすごく長かったそうですね。
飯田 かなり時間をかけましたね。でも、『ディシプリン』ていう題名がついてから完成までは、そんなに長くないです。
記者 なるほど。
飯田 『アクアノートの休日』(プレイステーション)を作ったときから、次は鳥のゲームを作ろうと思っていたんですよ。でも「鳥の世界ってなんだろう? なんか難しいな」って思いつつ過ごしてて、ようやく形になった感じですね。『ディシプリン』が鳥のゲームだって知ってました?
記者 以前、ほかの人がプレイしているのを見せていただきましたが、鳥が出てくるところがありますよね。ほんのわずかですけど。でもほとんど収容所の中でyouコン使って、「エイッ!エイッ!」という感じで、あとは私の嫌いな独房みたいなところに閉じ込められて……はぁー。どうみても鳥がメインのゲームには見えなかったんですけど。本当に鳥のゲームなんですか? 「インタビューしている会議室にWiiを持ってくるのはめんどくさい」と言われちゃったので確認はできませんけど。
飯田 鳥のゲームなんですよ。
開発 鳥でしたっけ?
記者 ほかの人がプレイしているのを見ましたが、鳥が出てきますよね。でもまさか、あの鳥がメインのゲームだとは思いませんでした。
開発 鳥のゲームだったかな……?
飯田 鳥が主人公だよ。
開発 いえ、主人公は違いますよ……。それに鳥のゲームでは……。
飯田 鳥が飛ぶシーン。……あ、あそこは、女子が……好きだよね。
記者 あそこはすごい好きなんですけど、鳥が。
飯田 あそこは好きですか? どこが? あそこは好きですか? どこが?
記者 ……?
飯田 ぶふふふふーー! あそこ好きなの? あそこ。
記者 何のことです?
開発 常に話をリードしてる。話をそっちへ持っていこうとしてる。
飯田 ……うへへ。
記者 シモネタですか? そういえば、『ディシプリン』の内容は80パーセントがyouコンだと言ってましたよね。でも今は鳥のゲームって言ってますよね。youコンってどう見ても鳥じゃないですよね。どういうことなのでしょう?
飯田 鳥はやっぱ松本零士ですよね。
記者 ?
飯田 例えばだけど「なんかこういうことすると気持ちいい」みたいな、うまく言えないことがあるじゃないですか、これをゲーム化できないだろうかということをずっと考えているんですよ。そういうね、小ネタがすっごくいっぱい多分あるんですよ。
記者 えっと、何の話です?
飯田 今回みたいに一つお題があって「閉鎖された空間で、知らない人と二人っきりになっちゃった」みたいな状況が決まって、それをゲームにしようとなった瞬間に「じゃあゴキブリ潰すことを遊びにしよう」とか、「鳥になりたかったということをイベントに入れよう」ということが、一気に統合化されてくる。そういうことでは、構想はもう40年ですね。
記者 構想の話に戻りましたか。
飯田 きちんとまだ意識化されていない無数のアイデアがあって、それはさながら星のようなものですよ。その中に『巨人の星』とかあるわけですよ(ニヤリ)。
記者 別にうまくシメたわけではないのでニヤリとしなくていいですよ。
飯田 いろんな星……。
記者 その星の中から次の作品がまた出てくるわけですね。
飯田 いや、一回作ると全部もう星をかき集めちゃうから、クズしか残んないですよ。もうないんですよ。
記者 出し尽くしちゃったから?
飯田 そうだね。また、路頭(ろとう)に迷うね。
記者 『ディシプリン』の開発中は迷っていたんですか。
飯田 迷ってましたよ。ずっと迷ってた。今も迷ってる。
・公園で一人、泣きました
記者 マーベラスエンターテイメントさん以外から、ゲームだしませんか? というお話はなかったんですか?
飯田 ないね。今回の動画削除騒動もそうだけど、なんかね、トラブルが起こる。僕がゲームを作ろうとすると。
記者 そうなんですか。今までの作品もですか?
飯田 まあ今までもそうだね。いや、『アクアノートの休日』作る時も、そんな目的のないゲームなんてゲームじゃないってすごく言われて、公園で泣きながら作っていました。
記者 泣いてたんですか。
飯田 泣くのを見られたくないから、公園まで移動してお弁当食べながら泣いてた。
記者 お弁当食べながら……。
飯田 当時ウォークマン聴きながら泣いてましたよ。当時はiPodとかない時代ですから、ウォークマンでテープ再生して聞きながら泣いて弁当食ってた。
記者 何のテープなんですか。
飯田 「君はできる! がんばれ!」みたいな、自己暗示のテープをね、自分で作って聴きながら。
記者 ……。
飯田 『ビニール』っていうレコード屋があって、そこに行きましたよ僕は。ニルバーナのカート・コパーンが死んだ後に何すればいいか分かんなくなっちゃって、「こりゃあ同化しなきゃいけない」と。
記者 また、同化ですか。
飯田 それでとりあえずレコード屋に行ったら、そこにはやっぱり虚ろな瞳をした同化している連中がウヨウヨいて、「このレコードは君が買えよ」みたいな、無言の会話が聞こえてくるんです。
開発 今年の清志郎の時は相当きてましたよね。
飯田 きてたねー、行ったもん、俺、青山。
開発 相当、ホントちょっと、虚ろでしたね。
飯田 うん。
記者 このインタビュー、読者おいてけぼりな内容になりそうです。
・お弁当好きです
記者 『ディシプリン』公式サイトの右上の消音ボタンを押すと、メッセージが出てきますよね。「音楽を人から奪うことはできない」というメッセージが出ますよね。
飯田 あれもさ、俺『ディシプリン』公式サイトって全然タッチしてなくて、いつ更新されるのかも聞かされていない。誰かが作ったんですよ。マーベラスの誰かが。俺も全然知らないけど。あれはマーベラスさんがやられてる広報活動で、全然ディレクションとかしてないんだけど、あれいいよね。
開発 あれ(公式サイト)、意外と(『ディシプリン』のゲーム内容をよく)分かっていますよね。
記者 ゲームを介してみんな、意志の疎通ができているという。
飯田 そうなんだよ。すごいよ。会いたいよね。作った人に。一緒にお弁当食いたいです。
記者 お弁当好きなんですね。
飯田 お弁当好きです。今度お弁当食べようよ、みんなで。今度、いい弁当屋あるんですよ。行きません? 一緒に。
記者 本日はありがとうございました。この続きはまた明日で。
みんなが待ってる(?)Wiiウェア専用ソフト『ディシプリン*帝国の誕生』は、800円(800Wiiポイント)でWii経由にて購入可能だ。8月25日より購入可能なので、さっそく今から注目だ!
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