コロナ禍で普及する在宅ワーク、あなたは個室派?LD派?

コロナ禍で普及する在宅ワーク、あなたは個室派?LD派?

旭化成ホームズのくらしノベーション研究所が、在宅ワークにおけるくらしの現状について調査を行った。在宅ワークを行う場所は、一戸建て(持ち家)では個室派が5割強、集合住宅(賃貸)ではLD派が約7割となり、自宅のどこで仕事をするかが分かれたという。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】

「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」を公表/旭化成ホームズ

くらし方モデルが「令和在宅ワークモデル」へ移行

くらしノベーション研究所では、令和の現在は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大への対策として在宅ワークが急速に普及しており、「令和在宅ワークモデル」が求められると見ている。過去の「戦後昭和専業主婦モデル」から「平成共働きモデル」へと移行し、在宅ワークが普及する令和は、「職住融合」の暮らし方に変化を遂げつつあるという。

時代と共に変化してきたくらし方モデル(出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

時代と共に変化してきたくらし方モデル(出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

同研究所では、コロナ禍終息後も在宅ワークが一定数定着すると見て、在宅ワークスペースの現状と暮らしの在り方を探る目的で、2020年4月に週7時間以上働く男女で、在宅ワーク実施者・希望者に調査を行った。

「家族時間」や「自分時間」が増加し、子どもとの夕食開始時間が早まった

一般的に「テレワーク」は、自宅のほかに通勤中やサードプレイスで仕事をすることも含むが、この調査では家で仕事をする行為を「在宅ワーク」と定義している。

まず、在宅ワークによる暮らしの変化を聞いたところ、一戸建て(持ち家)では「家族と過ごす時間が増えた」(79%)、「子どもと過ごす時間が増えた」(72%)、「家族とのコミュニケーションが増えた」(64%)と家族との交流に関する項目が上位に挙がった。

次いで、「自分の自由に使える時間が増えた」(51%)、「睡眠時間が増えた」(44%)など、個人の時間の増加も上位に挙がっている。

また、小学生以下の子どもがいる世帯では、オフィス通勤のときと比べると在宅ワークによって夕食(開始)時間が74分も早まり、夕食時間の平均は19時19分となった。ちなみに、就寝時間はあまり変わっていない。

仕事をする場所は、一戸建てで個室派が5割強、集合住宅でLD派が7割

次に、在宅ワークをする場所について、個室派(家族共用個室含む)か、LD派(ダイニングテーブル、LDのカウンターやローテブル等を含む)かの結果を見よう。一戸建て(持ち家)では、個室派が54%と過半数に達し、LD派は41%だった。一方、集合住宅(賃貸)では、LD派が71%に達し、個室派は27%に留まった。

時代と共に変化してきたくらし方モデル(出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

時代と共に変化してきたくらし方モデル(出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

この違いは、一戸建てか集合住宅かによるものというより、広さや間取りの影響を受けると考えられる。一般的に広さや部屋数が確保しやすい一戸建て(持ち家)では、間取りを4LDK以下に限るとLD派が増加し、賃貸集合住宅でも、個室数が少ないほどLD派が増加するという。つまり、仕事用に個室が確保しやすいかどうか、確保できる個室で仕事ができるかどうか、がカギになるのだろう。納戸のような窓のない、あるいは窓の小さい個室だと仕事がしづらいといったことがあるだろう。

一方で、個室の確保の有無に限らず、「キッチンなどと近く家事と両立しやすい」「家族とコミュニケーションが取れて育児と両立できる」「開放的な空間だから」といった理由で、LDで仕事をする人もいる。特に、一戸建て(持ち家)で子どもがいる女性に限ると、LD派が72%まで増加するという。

仕事をするためのデスクや椅子、パソコン置場といったことだけでなく、仕事に集中しやすい、生活音が気にならないなどを重視すると有利になる個室か、家族の様子が分かるなどを重視すると有利になるLDかといった選び方もあるようだ。

在宅ワークの困りごとは、日常生活との切り替え

在宅ワークを実施して困ったことを聞くと、最大の困りごとは「日常生活との切り替えがしにくい」になる。家事や育児を担う時間が長いからか、特に女性のほうが切り替えがしにくいと回答している。

在宅ワークの困りごと((出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

在宅ワークの困りごと((出典/旭化成ホームズ「在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果」リリースから転載)

オンオフの切り替えは、スペースの問題もあるが、気持ちの面での切り替えができるかが大きいだろう。

まずは仕事するスペースを明確に決めて、そこは仕事に専念する場とイメージすること。朝食を食べた流れのままデスクに向かうといったことのないように、着替えをしたり、飲み物や軽い運動などで気持ちを切り替えたり、といった個々人の工夫で乗り切ってほしい。

ちなみに筆者は、朝食後仕事に向かう前にラジオ体操を、昼食後にはヨガなどのエクササイズを、おやつの後には胸を広げる運動をしている。「食べた後に運動をしているだけじゃないか」と思う人も多いだろうが、意外に体を動かした後のほうがすっきりして仕事に集中できるものだ。

さて、在宅ワークは、コロナ禍終息後も普及していくことが予想される。それを見越して、住宅を供給する側も仕事がしやすい家づくりに知恵を絞るだろう。一方で、住む側も仕事がしやすい、あるいは家族時間や自分時間が充実するといった観点で、住まいを選ぶようになるだろう。これからのマイホームの変化にも注目していきたい。

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