自転車に乗って“生放送”するための実験をしてみた

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玄関のドアを開けたらそこが目的地だったら、水の上を歩いて移動することができたら、皆さんも日常生活の中でそんな空想に胸を躍らせたことがあるはず。そんな想像力は人間にとって大切なもの。時には人を惑わす“常識”にとらわれない心を持ち続けるためにも、日常の中でも新しい挑戦は続けて生きたいものです。そこで今回は『自転車に乗りながら“ニコニコ生放送”をしよう』を実行してみることに。『ニコニコ生放送』というのは、動画共有サイト『ニコニコ動画』が展開するサービスの1つで、パソコン(PC)、WEBカメラ、マイクなどの簡単な機材さえあれば、いつでもどこでも生放送が行える、というものなのです。
 
『ガジェット通信』編集部も定期的に利用しているこのサービス、PCを使用するという“しばり”がある以上、放送を行える利用範囲は屋内に限定されがちです。過去にはそんな範囲を押し広げるべく、車載生放送、船上生放送などを行ってきました。しかしそれはPCを搭載するスペースがあってのこと。今回の自転車は余分なスペースがなく、ダイレクトに伝わる振動なども考慮しなければなりません。そこで考えた装備が、こちらになります。

自転車のハンドルを持つ『ガジェット通信』編集部員。ハンドル中央部にはカメラ、頭部にはインカム、左腕にはモニタが装着されています。やらされている感のある絶妙な表情をしていますが、これも仕事。観念して頑張っていただきたい。さてそれでは、順を追って装備を説明していきましょう。

自転車生

生放送のためには映像が必要。とりあえずはカメラを搭載しなければなりません。そこで今回は『HSGインフォメーション』から発売されている自転車用 カメラマウント『DDFG-BIKE』を使用することにしました。ハンドル部分に装着することにより、カメラを固定することが可能となります。これにより自転車の疾走感を伝えることができるはず。

自転車生

そして次は生放送中に流れるコメントを読むためのモニタです。みなさん、もしかしてこのモニタ、テープで固定されているように見えるでしょうか。いいえ、テープです。適度な大きさだったため、センチュリーが販売するUSBサブモニタ『plus one(LCD-8000U)』を使用することにしました。美しいですね。

自転車生

あらゆる場所から伸びているコードは、背中のバッグに収容されています。そう、このバッグの中には編集部員の誰かのノートPCが納められているのです。さながら中央管理センターとでもいったところでしょうか。この装備の心臓部分になります。

自転車生

さぁ、それでは放送を始めましょう。『ニコニコ生放送』の放送開始ボタンを押し、ノートPCをバッグに収め、そして自転車にまたがりました。左腕に装備されたモニタでコメントを確認すると、どうやら視聴者が続々と入ってきているようです。ほどなく「お、なんだ」「今日は外か?」「何をやらかすんだww」などのコメントが。出だしは好調なようなので、自転車を走らせることにしました。

ところがペダルをこぎ出してほどなく、左手のモニタがブラックアウト(画面が暗転)。突然、携帯電話が鳴ります。「おい、放送が落ちてるぞ!」編集部員からの電話です。「放送の予定はなかったのに、仕事もそっちのけでチェックしていたのか…」そんな思いを胸にしまい、各接続ポイントをチェックします。あせる被験者、システムをチェックする筆者、飛び交う怒号…は言い過ぎましたが、特にどこかのラインが外れたなどということはないよう。「となるとPCか」そう思い被験者が背負っていたリュックを開けると…。

熱い。バッグの中が異常に熱い。“CPUから発する稼動熱でポテトを揚げた”そんな記事をどこかで読んだ記憶が頭をよぎります。「いかん、このPCは編集部員の誰かのものだ!……それならまぁいいか」そう思ってノートPCの画面を見ると見事にブルースクリーン(PCが深刻なダメージを負う前に出てくる画面)に。「限界を超えたっぽいから不安定なんだよね」そんなようなことが英語で書かれていた気がします。そしてそのPCが死に、僕らのどうでもいい実験は終わりました。

改善点としては、「PCの熱処理を徹底する」これに尽きるでしょう。それと前方からの風の影響を受けやすいため、マイクにカバーなどをつけると音声にノイズが入りにくくなるでしょう。映像に関しては、『DDFG-BIKE』がカメラを協力に固定してくれたためぶれるなどの障害はありませんでした。次の挑戦もまた記事でレポートしますので、しばらくお待ち下さい。PCを貸してくれた編集部の人、ありがとう!

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